年度末はなんだかんだと忙しく、気づいたらこんなことに。
気を取り直して、詰パラ3月号の感想。
■表紙形良し手順良し。表紙にピッタリの作。
■詰将棋学校どこも難しいという印象。中でも一番難しいのは大学院か。
■全詰連の頁看寿賞は毎年一般推薦が少ないが、さて今年は?
■詰将棋の眺め方「こちら側と向こう側」の比較がテーマとなる作品群。
これだけではやや地味な印象になってしまうため、見せ方がポイントになるようだ。
■持駒のある風景・「古作物」とあるが、こんな古作物は存在しない。強いて言えば待宵8番(42金が無い図)。
・初代宗桂の象戯造物第1番は、81桂だと2手目84玉で詰まない(93角に対し同桂で85に桂が利いてくる)。このため81歩が絶対。
また、92銀成(12銀成)が香を取る手か空捨てかは感触が相当に違う。とてもじゃないが同一とは呼べない。
■ちえのわ雑文集第60わ、ということは、連載開始から5年。まさに継続は力なり。
そして話題は同人室について。年2回の同人室だけで100回入選を目指すとは、既に前人未踏。
■結果稿【短コン】
全体に低調だったのは、2019年までの手数の周期が崩れたからだろうか。
【同人室】
課題は「打ち換え」。やはり課題をメインにした作品であってほしい。
【やさしい大学院】
むず院だった。解答者が少ないのは無言の抗議か。
【創棋会作品展】
やはり創意が感じられるテーマは良い。
【デパート】
短編から長編まで何でもありの5作を毎月解説するのは大変だったと思う。お疲れさまでした。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート②楢部哲美氏作「並べて詰み」と簡単にはいかない。
幼5の作意と変化処理を見るに、正体は間違いなく有名作家のはず。
〆
- 2021/03/31(水) 23:33:00|
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記事のアップがギリギリになったのは新型コロナウイルスの影響……ではなく、まあいつものこと。
詰パラ2021年2月号感想です。
■表紙見えにくい手があって意外と時間がかかってしまった。
詰棋校でツイン系の選題が禁止されたことについて、「新しい表現には寛容であってほしい」というのは同感。
■詰将棋学校【大学】
これは解かねば。
■将棋妙案記念谷川九段の双玉は珍しいかも。妙案と双玉の繋がりは不明だが。
■詰将棋の眺め方どの作家も一人だけで記事数回分にできそう。どこかで書きたいが。
■ちえのわ雑文集無駄合か有効合かという議論についてはなかなかスッキリとした判定ができていないのが現状。
■将棋パズル雑談(58)が斬新で面白かった。出題の方も比較的易しいが、(61)には確信が持てず。
■結果稿期末なだけあって、どこも充実の内容?
短編では、どんな配置になっても手順を実現させようという作が多めだった気がする。
【中学校】
中22……92とは93に置いてあればなあ。
【たま研作品展】
4作とも主張が明確でとても良かった。
【新人コンクール】
③、盤面無仕掛け七色+持駒七色は凄い条件作。
条件の前例としては詰パラ2019年1月号デパートの中村雅哉氏作があるが。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇彩棋会作品展③ 岩本修氏作生が2回。なるほど。
〆
- 2021/02/28(日) 00:01:00|
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院9、院10の補足です。詰パラ2021年2月号の結果稿ページを開きつつお読みください。
◇院9 添川公司「篤姫」 補足小駒煙の最長手数の記録更新、は置いておくとして、小駒煙で初形の玉位置が9段目、というのは史上初。
では、どうして初形の玉位置が9段目の小駒煙は作られていなかったのだろうか。
理由はいくつか考えられる。
(1)序盤の変化で玉が9段目に戻る変化に備えて、金を手持ちにしている必要がある
序盤の14手目辺りまでを確認してもらうとわかるが、序盤の早い段階で金2枚が攻方の持駒になり、1枚が玉方の駒台に乗っている。つまり、盤上には金が1枚のみ。
これを逆算で創作しようとすると、収束や中盤の横追いでは金をできるだけ盤上に置かないようにし、創作終盤(解き手から見ると序盤)まで金を温存しておかねばならない。このため創作難易度が非常に高くなる。
(2)香のレールに乗せるまでの手順に工夫が必要。
小駒煙で玉を6段目あたりから1~2段目まで追い落とす場合、たいていは「香の後押し+銀」や「香の後押し+金(または全圭杏と)」の形を使用している。
玉が最初に6~7段目に居る場合は、香のレールに乗せるのは難しくない(最初からレールに乗っている場合すらある)。
しかし玉位置が9段目の場合、香の後押しを受けられる玉位置まで持ってくるのが(創作上)難しくなる。
これを踏まえて、序盤27手目までを再確認してみてほしい。
(3) わざわざ玉を9段目まで持って来なくても、35枚を盤上に置き切ることは可能。
初形の玉位置を9段目にしないのであれば、前述(1)(2)のような課題は発生しない。
こういった理由から、「漠然と逆算をした結果、玉の初形位置が9段目になりました」などということはまず起こり得ない。
そう考えると、相当凄いことをやっていることがわかる。
◇院10 岡村孝雄「アツクナレ」 補足解説でも触れているが、「都玉+攻方の小駒3枚」または「都玉+攻方の小駒2枚+攻方王」の詰上りを考えた場合、大抵は3手にすら逆算できない。
「55玉/33王、56金、65銀」がほぼ唯一逆算が可能な形だと思われる。
過去、素材として下の局面あたりまで逆算を試みた作家もいらっしゃるようで、しかしここからが難しい。

最大の課題が「玉をどうやって左辺に移動させるか」という点。逆算で21~31~41を通過させるには33王が強すぎてほぼ行き詰まってしまう。
“それなら、34王の形にすればいい” と作者は考えた……かどうかは定かではないが、王を2回移動させる着手を入れることにより、左辺への道が見えてくる。
とは言えこの後も40枚置き切るまでは大変。しかも敢えて困難な道を選ぶかのような逆算により、序~中盤の変化紛れが恐ろしいことになっている。
ちなみに家の環境では柿木将棋でも脊尾詰でも初形からでは解けず。これを作る方も凄いが、これを解いた15名も凄すぎる。
〆
- 2021/02/22(月) 20:00:00|
- 大学院補足
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例によってギリギリの記事に。
■表紙考えやすくて良い。
■詰将棋学校1月だけあって、比較的考えやすそうな作が多い、と思いきやそうでもないかも?
解答をお待ちしております。
■馬屋原さん入選100回記念作品展これは解かねば。
■詰将棋の眺め方連載1周年! 座談会だが色々な話題があって面白かった。毎月誰かゲストを呼んで座談会でもいいかも。
1点だけ。「モーメンと」は「成らせ」ではない。
■ちえのわ雑文集「還元型無駄合」は限りなく有効合に近い大きな減点事項だと考えているので、それを打ち消すほどの内容かどうかが焦点になってくる。
出題された作は、少なくとも担当者が「出題に値する」と判断した作品のはず。
■結果稿【短期大学】
安定した5作を選べているのが素晴らしい。
【大学】
3作ともさすがにレベルが高い。
【大学院】
小駒煙を出題する順番は迷いに迷った記憶がある。これについては来月の詰パラ感想で。
なお、初形で銀桂香の成駒なしの小駒煙で、漏れがあったため訂正します。
(1)北川明 「細雪」 近代将棋1999.11 塚田賞
(2)山路大輔 「HEAVENLY」 詰パラ2015.3
(3)ao碧 「小駒煙」 スマホ詰パラ#12416 (2019.1.24)
(4)添川公司 「千姫」 詰パラ2020.10■デパート出題師匠が新担当に! これは期待。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート① 久保・上谷 合作こんな表現があったとは。裏短コンに出してほしかった。
〆
- 2021/01/31(日) 18:00:00|
- 詰パラ感想
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謹賀新年本年も
詰将棋考察ノート をよろしくお願いします。
■2021年 年賀詰 (ほっと 作)
今年は初形「21」、21玉。ちなみに61は玉方の成銀です。
手数は50手台。例によって長いだけで面白い手はほぼなし、ラスト3手で乱れあり。
〆
- 2021/01/01(金) 00:01:00|
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