詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

詰パラ2017年2月号感想

「偽りの恋人達」、好評ばかりで少々困惑。



今頃になって、詰パラ2月号の感想。
出題・結果稿とも、裏短コンの参加者の活躍が目立つようで。

■詰棋校出題
各校とも、1月号よりも明らかに難易度がアップしている……。

■ちえのわ雑文集
今月号のMVPは文句無しに金少桂さん。

■結果稿
・小学校・中学校・高校
 結果稿でのMVPは、こちらも文句無しで名無し名人さん。
・大学院
 「LCM」は名作。作者がブログで何か書く予定らしいので、期待して待ちたい。
・藤井四段昇段記念作品展1
 どれも最終3手に大駒捨てが入った綺麗な作。短期間でこれだけのものを仕上げて来る才能が羨ましい。
・藤井四段昇段記念作品展2
 看寿賞作家5名の共演。どれもいいなあ。今更ながら作家として参加しなかったことを激しく後悔。
・D級順位戦
 C級から陥落した翌年にC級に再登場、は前例なし?


■第2回 ほっとのイチ押し!
<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。

第2回のイチ押し作品は、流れに沿ってこれを選出。
◇デパート② 野曽原直之氏作 「等時性」
摩訶不思議な手順。作者の強烈な意志を感じる。



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  1. 2017/02/25(土) 08:00:00|
  2. 詰パラ感想
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詰工房の課題について

詰工房常連の誰かが書いてくれるかな、と思っていたが、勝手に書かせていただく。


今回の話題は、詰パラ2月号のP47、詰工房の課題についてである。
「打歩詰に関係する手筋。ただし、作意手順で攻方は歩を打たない」
2016年9月の詰工房で決まった課題。一見逆説的な内容である。
そしてこの課題、「盤上に適当に駒を並べてみたら出来ていた」ということはまず有り得ない。
強い意志を持って手順を構築する必要がある。

代表的な作例をいくつか挙げていこう。
■2015.11 My Cube 第n回裏短コン 馬屋原剛 氏作「欺きの一角獣」
20170206_1.png
13角不成、36角不成、26桂、25玉、45飛、同角、35角成 まで7手。

打歩詰に関係する手筋と言えば不成
そして、本作は「打歩に関係する双方不成」「作意では歩を打たない」を7手で実現している。
同様のことをやろうとすると、本作が比較対象となってしまう、という恐ろしい作。
詳しい解説はこちらで。
解説と短評でほぼ語り尽くされているが、1点だけ。
4手目26同香は、43飛成、25玉、23龍まで7手駒余り。
(26同香に対し36香としても詰むが、以下35歩合が無駄合か有効合かという面倒な議論が発生する)

■第10回詰将棋解答選手権チャンピオン戦(2013.3) ③ 若島正 氏作
20170206_2.png
78桂、同と、96龍、86銀、同龍、57玉、66龍、同玉、57銀、同玉、
47龍、66玉、84馬、同金、67龍、75玉、65龍 まで17手。

不利合駒も打歩に関する手筋。それを中合で行う、というだけでも珍しいのだが、打歩の筋をすべて変化に隠した構成にしているのは他に見たことがない。
同様の条件の後続作が発表されないのは、本作の完成度が高すぎるからかもしれない。

■詰パラ1952.2 栗原壽郎 氏作
20170206_3.png
11飛、92玉、21角成、96角、同香、同桂、81角、同玉、54馬、92玉、
81龍、同玉、71歩成、同玉、74龍、61玉、71龍、同玉、72銀 まで19手。

「打歩詰を回避するための、遠打+効き筋遮断の複合技」を「ブルータス手筋」と呼ぶのは今では常識だが、そのきっかけとなった作品。
初手・3手目は、4手目96歩合の変化を詰ますためだが、作意は96角合となるのが凝った展開。
当時の解説はこちらで。
なお、ブルータス手筋の1号局としては、看寿の将棋図巧49番91番あたりが有力。

■(番外)詰棋めいと創刊号(1984.6) 愛 上夫 氏作
20170206_4.png
66飛76桂69玉、77桂、同銀、97玉、89桂 まで7手。

初手にいきなり69玉は68歩と打てるため失敗。ところが、わざわざ76桂と打たせて王手を掛けさせてから69玉とすると、68歩は打歩詰となるため打てない、という仕組み。
攻方玉の打歩詰を含みにした作。一応このパターンも「作意手順で攻方は歩を打たない」ではある。
しかし、そもそも今回の課題は「打歩詰なのに歩を打つ手が出て来ない」という、一見パラドキシカルな内容を実現せよ、というのがポイントである、と考える。
攻方玉の打歩詰利用ということは、攻方が歩を打つ手が出て来ないのは当たり前であり、全然パラドキシカルではない。
したがって、今回の課題にはあまり相応しくない、というのが個人的な意見。


以上、条件を満たす作例をいくつか挙げてみた。参考になれば幸いである。
そして願わくば、これらの作例に引けを取らない出来の作を見てみたい。




  1. 2017/02/07(火) 00:01:00|
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解答締切:12/3(日)深夜
詳細は出題記事をご覧ください。

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詰将棋作家を名乗るには発表作が少なすぎ。
評論家を名乗るには実績が無さすぎ。

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