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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

詰パラ2018年1月号感想

そう言えばいつの間にかカウンターが1万を越えていました。ありがとうございます。


今更な感じもするし、何よりM輪さんの想定どおりというのが非常に悔しいが、詰パラ2018年1月号の感想を。

■表紙
作意はひと目だが、変化の深さは作者ならでは。

■詰将棋学校
比較的考えやすい作が多かったか?
それはそうと、p6以降、盤の右側に縦に並んでいる漢数字が微妙にズレているのが気になる。
2月号では直っているが。

■結果稿
【保育園】
数字の直後に「!」を入れるのは、階乗記号と紛らわしいので避けるべき、という指摘をしたのは誰だったっけ。

【小学校】【中学校】
平均点のみで全てが決まるわけではないのは十分承知しているが、2.2点未満が2作はいただけない。
在庫が無いとも思えないので、良い作を厳選してほしい。
ちなみに双玉であること自体が評価に影響するわけではなく、双玉であることの必然性が感じられるかどうかが重要だ。

【短大】【デパート】
短20久保作とデパート③相馬作。どちらも変わった意味付けの連合。
特筆すべきは、合駒回数の最大化よりも全体的な完成度を重視している点。
もちろん両立するのが一番だが、そうでない場合にどちらを重視すべきなのか。
後世まで残るのは、完成度が高い方、のような気がする。記録よりも記憶。

■デパート出題
長谷川さんはいきなり波乱の幕開け? これは投稿で応援したいところだが……。

■ほっとのイチ押し!
<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート④ 広瀬稔氏作「わらしべ貧者」
何度見ても不思議。
こちらと比較してみるのも面白い。




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  1. 2018/01/31(水) 23:50:00|
  2. 詰パラ感想
  3. | コメント:1

第ϻ回裏短コン 振り返り、集計結果、総評など

★ちょっと空いてしまいましたが、第ϻ回裏短コンの振り返り、集計結果、総評などです。


■手数・条件について
★今回の裏短コンの条件は、
 ・使用駒数(盤面+攻方持駒の合計枚数)11枚以上の5手詰
 ・タイトル必須
 ・「使用駒数(盤面+攻方持駒の合計枚数)15枚以上」の場合、ボーナスポイントとして平均点に0.1点加算

 というものでした。
 昨年までの流れを継続すれば、「盤面枚数11枚以上の11手詰」 となるところですが、何故この条件ではなかったか?
 これは、ニコ生でも触れましたが、次のような理由です。
 (1) 上の条件は詰パラ中学校などでも毎月のように出題されており、目新しい条件ではない。
 (2) 鈴川さんが5手詰をやりたいとつぶやいていた。
 (3) 解答者が11手詰×20作を解くのが大変。
 (4) 11手詰×20作の採点、解説が大変…と言うか労力が読めないので、とりあえずは短い手数にしてみた。

★やってみた感想としては、手数と労力はあまり関係ないかな、ということ。
 解説については手数が短い方が楽ですが、それよりも解説のネタ集めに時間が掛かっていました。
 それはそれで楽しかったのでいいんですが。

★ちなみに、当初は「使用駒数15枚以上の5手詰」でやろうとしていました。しかし、作品が集まらなさそうだったため「使用駒数11枚以上の5手詰」に変更。ただし、当初の条件で出品いただいた方のために「+0.1点加算」も付け加えました。
 なお、全20作中、使用駒数15枚以上の作は8作。条件を変更しておいて良かったです。

■ジョーカー予想
★そして今回の裏短コンでもう一つ新しい試みとして、名前は出ているが作品は出していない人物(ジョーカー) を1名用意し、解答者にはジョーカー予想もしてもらいました。
 なお、ジョーカー氏にはツイッター上でいかにも投稿したことを匂わせるようなつぶやきをしてもらっています。
 つまり、作者一覧に出ている人が「裏短コンに投稿した」などとつぶやいていたとしても、本当の出品者なのかジョーカーなのか区別がつきません。人狼ゲームっぽい状況で疑心暗鬼に陥るという要素を追加してみました。
★単なる思いつきでしたが、次のような意図もありました。
 (1) 5手詰なので、詰将棋を解くこと自体はそれほど難しくない。そのため、推理要素を用意した。
 (2) ジョーカーを予想しようとすると、必然的にそれぞれの作の作者も予想することになる。
   これを通じて、作品をよく観察することになり、作品の狙いなどをしっかりと汲み取ってもらえることに繋がるのではないか。
 (3)ニコ生での結果発表の際、最後の方の作は残っている作者が少なくなり、作者当てが簡単になりすぎる。
  特に最後の作は一択になってしまうので、これを何とかしたい。
★ジョーカーについては企画として成功したかどうかは微妙ですが、新しいことを気軽に試せるのもネット発表の良さでしょう。

★さて、そのジョーカーですが、
 鈴川優希さん
 でした!

名無し名人
ジョーカー予想は自信あり。
鈴川氏らしいタイトルと作品がないし、Twitterでの発言も怪しかった。
久保氏も怪しい発言をしていましたが、露骨に怪しすぎたのでフェイクでしょう(笑)
★この予想はさすがです。

三輪勝昭
ジョーカー予想=鈴川優希。
理由=ネームバリューのない作家だとこの企画の意味はないでしょう。
ブログ展に余り参加してない作家の方だとするとその人の作品を見てみたいとなるので、企画として逆効果でしょう。
鈴川君でなかったら柳原さんかと思います。
ただ企画として5手詰は作者予想がほとんど付かないので、作品を見て予想出来ないので、今回は考えても面白くなかったです。
★推理のやり方は名無し名人さんと随分違いますが、しっかり的中させてきましたね。
★この他、soga、青木裕一、占魚亭、竹中健一の各氏が的中! お見事です。

★なお、ジョーカー投票数は次のようになっています。
8票 久保紀貴
6票 鈴川優希
4票 相馬慎一
3票 三輪勝昭
2票 不透明人間 柳原夕士
1票 kisy ほっと オオサキ 梶谷和宏

★久保さんが最多票獲得。頼んでもいないのにジョーカー騙りのツイートで撹乱してくれました(笑)。

■最終順位
★改めまして、最終順位です。
優勝 2.868 「クロスホッパーズ」 久保紀貴
2位  2.865 「刺し穿つ死棘の槍」 ほっと
3位  2.787 「詰備会で作りました」 中山智希
4位  2.784 「偽りの鏡」 園川
5位  2.696 「銀の雪と金の月と桂の花」 竹野龍騎
6位  2.677 「積極性について」 soga
7位  2.669 「初手半分限定」 オオサキ
8位  2.620 「紫電一閃」 おかもと
9位  2.572 「ダブルミッション」 梶谷和宏
10位 2.526 「山の枯れ木」 奥鳥羽生
11位 2.519 「新聞紙」 三輪勝昭
12位 2.499 「捨駒の練習」 tsumegaeru
13位 2.457 「見上げてごらん」 ミーナ
14位 2.442 「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」 青木裕一
15位 2.430 「貧乏なコンビニ」 虹色のルモ
16位 2.336 「連鎖反応」 不透明人間
17位 2.328 「う、ざいこは セイリ ちゅう」 あたまかな
18位 2.301 「八方無碍」 kisy
19位 2.248 「?手詰」 相馬慎一
20位 2.177 「魂を売りました」 柳原夕士


★ただし、「使用駒数15枚以上の場合は0.1点加算」というルールがあり、上記はそれを加算した結果となっています。
 ではボーナスポイントを加算せず、純粋に平均点のみで出した順位は?(※上位5位まで)
1位  2.784 「偽りの鏡」 園川
2位  2.768 「クロスホッパーズ」 久保紀貴
3位  2.765 「刺し穿つ死棘の槍」 ほっと
4位  2.687 「詰備会で作りました」 中山智希
5位  2.677 「積極性について」 soga

★「偽りの鏡」がトップ! ベスト3予想でもかなり人気が高かったですが、今回は0.1点ルールの影響がかなり大きかったようです。

■順位予想的中者
三連単(1~3位順番)
的中者なし

三連複(1~3位組合せ)
竹野龍騎

馬単(1~2位順番)
的中者なし

馬連(1~2位順番違い)
園川、鈴川優希、オオサキ

ワイド(1~3位から2作)
竹中健一、まさ、kisy、名無し名人、三輪勝昭、らうーる、相馬慎一
★「偽りの鏡」がトップ3から漏れるというのが予想しづらかったようです。

■順位(0.1点加算なし時)予想的中者
★参考記録となりますが、ボーナスポイント加算なしの場合の順位に基づく予想結果も少し紹介します。
三連単(1~3位順番)
まさ
★これを完璧に当てるのはすごい!

三連複(1~3位組合せ)
らうーる、鈴川優希
★こちらもなかなか。

■ベストタイトル投票集計
1位   6票 「クロスホッパーズ」
2位   5票 「銀の雪と金の月と桂の花」
3位   4票 「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」
4位   3票 「紫電一閃」
5位タイ 2票 「連鎖反応」「新聞紙」

★ここでもクロスホッパーズが強さを見せました。
 ちなみに7位タイ(獲得1票)は9作。かなり票が割れました。

■作者予想の集計
★意味があるかどうかわかりませんが、全作の作者予想参加人数と的中人数です。
タイトル作者作者予想[人]的中[人]的中者
「見上げてごらん」ミーナ71竹野龍騎
「連鎖反応」不透明人間61奥鳥羽生
「う、ざいこは セイリ ちゅう」あたまかな72鈴川優希、名無し名人
「貧乏なコンビニ」虹色のルモ50
「魂を売りました」柳原夕士70
「紫電一閃」おかもと70
「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」青木裕一70
「八方無碍」kisy62soga、青木裕一
「初手半分限定」オオサキ91久保紀貴
「新聞紙」三輪勝昭80
「ダブルミッション」梶谷和宏61名無し名人
「山の枯れ木」奥鳥羽生51名無し名人
「詰備会で作りました」中山智希85soga、青木裕一、奥鳥羽生、久保紀貴、名無し名人
「積極性について」soga91虹色のルモ
「捨駒の練習」tsumegaeru70
「クロスホッパーズ」久保紀貴82soga、青木裕一
「偽りの鏡」園川122青木裕一、名無し名人
「刺し穿つ死棘の槍」ほっと90
「?手詰」相馬慎一71久保紀貴
「銀の雪と金の月と桂の花」竹野龍騎110

★全体的に予想しにくかったようです。


■総評
★最後に総評です。
有吉弘敏
超短編(5手)の創作は頗る難しいはずなのですが、凄いですね。
面白い作品が多く楽しかったです。
★次回は作者としても参加を!

梶谷和宏
いやあ、とても楽しかったです。2日間堪能しました。
★楽しんでいただけたようで。

竹中健一
ちなみに作者あては全く分かりません。
なかなか面白い裏短コンでした!
★作者予想をまったくしていないのにジョーカーをピンポイントで当てたのはさすが。

soga
5手でも様々なことが出来るということが分かりますね。作者予想はかなり迷走しましたが、ひとまず全記入しました。
★ジョーカーを見事に的中、作者は19作中3名的中。

占魚亭
ツイン(伝統&フェアリー)を投稿したかったのですが上手くいかず、解答のみの参加になってしまい申し訳ないです。
好作が多く、面白かったです。
★ジョーカー的中はお見事です。

kisy
5手詰なのに解きごたえが凄かったです。ジョーカーはツイートが本当だと信用して久保さんを選びました。
★そもそも自らジョーカーと名乗っている人物がジョーカーなんてありえないわけで。

名無し名人
作者予想はかなり難しかったです。
三輪作と奧鳥作は逆かも(作風からすると逆なんですが、三輪氏が僕らしい作品は投稿していないとブログに書いていたのでこの予想にしました)。
久保作とオオサキ作も逆かも(Twitterでの久保氏とkisy氏の会話が引っかかります)。
★作者予想は5名的中。これもさすが。

まつきち
毎回思うことですが、これだけの駒を使わないと実現できない狙いなのか、また十分推敲された産物なのかというのは気になります。
「裏」というからには「表」との対比があってこそではないでしょうか。単なる5手詰コンクールではこの時期に開催する意味が乏しいように思います。
もっとも11手詰が裏で20題、表で50題となると、解くのに骨も折れますが(笑)。
★推敲期間については難しい課題ではあります。そもそも表短コンも、もっと早い段階で発表してほしいところです。
 盤面枚数の多い11手を20作、って解く方も解説する方もかなり大変かと。
★次回は多分7手かな? 作家の皆さまは今から準備を。

hiro
ここ2年の実績から、「裏短コン」が今年もあるならば盤面11枚以上の11手詰と考えていましたし、それを見たかった気持ちもありますが、5手詰に光を当てる良い機会になったと思います。
20作、よくぞ集まったものです。
イベントを企画し、実現することが大変なのは、想像に難くありません。本当にお疲れ様でした。
★まあ頑張ったかと。

鈴川優希
後半にいくつかすごい作品もあり、5手詰にしては充分にマニアも満足できる内容だったと思います。
タイトルは、ほとんどは活かせてない感じがして残念です。ここが裏短コンの肝なのに……。
短評は多めに書くよう心がけました。「新聞紙」の短評を考えるのにいちばん時間かかりました 笑。
作者予想は存じ上げない方も多く、あとさすがに5手だと作風が出にくいこともあり、3人くらい当たればいいほうだと思ってます。
解答締切に遅れて申し訳ありませんでした。来年も期待してます。
★ジョーカー&ニコ生解説、お疲れさまでした。第n回・第φ回と鈴川さんがどれだけ大変なことをしてきたか身をもって理解しました。
★しかし「来年も期待」(もう今年ですが)とか書かれたら次もやるしかないような・・・・・・。




  1. 2018/01/17(水) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:4

第ϻ回裏短コン「銀の雪と金の月と桂の花」

★少し遅れてしまいましたが、いよいよ最後の作です。


5位(ボーナスポイントなし順位:8位)
「銀の雪と金の月と桂の花」     【+0.1】
竹野龍騎
ura3_20_YukiTsukiHana_GoteMochigoma.png
35銀、
    23玉、24銀右、同銀、15桂まで5手。
    45玉、56金、同金、47飛まで5手。
    43玉、53桂成、同桂、65馬まで5手。


点数012345678910
人数00230533632

正解29 誤解0 無解3 評価無効2
得点2.696
人気投票 1位:1票 2位:2票 3位:1票
ベストタイトル投票:5票(2位)

★出題時「※本作は、5手詰×3通り(2手目から分岐)を解答してください。」という条件付きでした。
 盤面枚数36枚という大作ですが、果たしてどんな内容なのでしょうか。
★初手は35銀とします。逃げ場所は斜め方向に4通りですが、このうち25玉は26銀左、同桂、同とまでで駒余り。これは変化手順です。
 残りの23玉、45玉、43玉については、いずれも5手駒余らず。出題時の条件に沿って、この3通りを解答すれば正解となります。
★ちなみに、2手目45玉のときに57飛とするのは89と、が逆王手で逃れ。また、2手目43玉のときに72馬などとするのは93と、が逆王手で逃れ。この他にも駒を取る紛れがいろいろあります。読んだ方はあまりいないでしょうけど。

★さて、重要なのはここから。作者は何を表現したかったのでしょうか?
作者
バッテリーからの玉に接しない王手によるピンメイト3通り。バッテリーの軸駒でピンをする。ピンされる駒(金銀桂)はそれぞれ同種の捨駒を直前に取って移動する構成。作意は3通りの等位変化(変同)の全てで完全限定。劣位変化(2手以上早い変化、及び、同手数駒余り)が作意でないのは通常どおり。2手目は斜め4方向への玉移動のみとした。2手目45玉に、72馬、同と、87飛、89とで逃れ、の紛れは面白いかと思います。
タイトルは、3つの順の対照性を含め全て合わせて「作意」だとなるべく伝わるようにしたい。浮かんだのは「雪月花」で、金銀桂を明示し組み合わせて表題にした。
香合の余地はある方が良いと判断し、受方の持駒に香1枚残した。例えば初手47銀に35香合。配置は結構ギリギリかと。例えば次のいずれか1つで余詰む。41桂→61桂、62と→51と、68と→48と。

★まず2手目23玉の手順に着目すると「銀を捨てる」→「銀で取られる」→「その銀の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」という構成になっています。
★同様に、2手目45玉の手順は「金を捨てる」→「金で取られる」→「その金の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 そして、2手目43玉の手順は「桂を捨てる」→「桂で取られる」→「その桂の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 という構成になっており、これらの対照性が狙いでした。

作者
(続き)元ネタはtttt20の拙作で、「この詰2012」の275ページに載っている(72歩は攻方)。また、本作もtttt20を満たしている。
★まず、ttttについて説明すると、「Tsumeshogi Theme Tourney on Twitter」、つまり、Twitter上での詰将棋課題コンクールです。
 お題はおもちゃ箱のこちらにまとめられています。
★さて、tttt20のお題は、次のようなもの。
【tttt20】
2手目に主要変化3通り。異なる等位の変化手順で、その詰め上がりはすべて異なるピンメイト。9手以下。ただしピンメイトとは、玉方の駒がピンされていることによって、最終手の駒を取れないために詰んでいる状態を指す。


★そして、これを満たした作がこちら。
■nta9eさん作 2011/05/03 (この詰2012 p275より)
ura3_20_YukiTsukiHana_Hosoku01.png
71銀、
    61玉、43角成まで3手。
    53玉、56飛 まで3手。
    73玉、85桂 まで3手。

★確かにtttt20を満たしてはいますが、これでは……。ということで、5手で作り直したのが本作でしょう。
 ピンする駒と同種駒の捨駒を入れることにより、ピンメイトが強調される作り方は参考になります。


松尾裕
作意は(3)(=2手目45玉)だと思う。 あれ、(2)(=2手目43玉)かな?

竹中健一
どこに逃げるのが作意なのか迷います…。一つ選べと言われたら、23玉のときの手順が好きかな!
★どれが作意か、という問いは愚問です。3つの手順を全部引っくるめて作意です。
 また、1つの手順だけ注目するのではなく、それぞれの手順の共通点や相違点を探すことにより、作者の表現したいことが見えてくるはずです。

林石
盤面を見てこれが5手詰!とも思いますが解いてみると、一作品で三度美味しい。個人的には金の月が好みです。

虹色のルモ
一つの盤面で同じ系統3つの詰将棋を、これは凄いしお得

kisy
1つで3度おいしい作品!

占魚亭
ピンメイト3種。お見事!

あたまかな
手順はだから?、見た目は好みでない。

まつきち
変化がすべて異なる手順構成というのは面白い。

上谷直希
解が3つ出揃うまで、どの要素で統一されているかに気付けなかった。なるほどなあ!

近藤郷
初手が3通りならいいが……
★それは専門用語で「余詰」と呼ばれています(笑)。

園川
これは相当面白い。2手目の玉の逃げ方3通りに対し、3手目は金銀桂いずれかの駒で王手、4手目は同種の駒でそれを取る。さらに3通り全てピンメイト。(まだ何か狙いがあるかもしれない)

らうーる
綺麗なタイトルだが、やってることはハンムラビ法典。

tsumegaeru
変化手順が全て統一的でよい。詰将棋にもツイン等があるけど、本作のように変同で表現するのが一番すきです。

おかもと
雪月花を織り込むなら、「銀の雪 金の満月 桂の花」とか、五七五で命名したい。
★個人的には「――と――と――」の並びが、リズムが良くないように感じました。自分なら読点かスペースにしたいです。

まさ
逃げ方によって3種類(X,Y,Z)の駒を捨て同X,Y,Zと取らせて、最終手その駒の効きに駒移動で詰み。
創作する側から見れば創作難度の高いテーマですが、解答側としては魅力を感じませんでした。

三輪勝昭
銀の時だけピン駒の空王手が出来ないので失敗作だね。
空王手が出来るのに、空王手をせずピン駒に使う3手詰3つを5手詰一つにするのは、ブログ展ならではの作で面白いとは思います。

オオサキ
2手目25玉はさておき、どの順もさすがにこんだけ使えばできるだろうという手順で、意外性はあまり。

相馬慎一
3解がただの足し算のように感じ、プロブレムからの移植としては成功してるとは言い難い。ただ、その意志は素晴らしい。

高坂研
これまたプロブレムっぽい構成。ただ、こういう風に3つの逃げ方に対してそれぞれバッテリーを置くのではなく(これだと3つの詰将棋を単に詰め合わせたように見えてしまう)、ひとつの仕掛けで3種類の詰め方が出てくるようにしたかった。
★皆さんなかなか手厳しい。
 3つの舞台がほぼ完全に分離しており、選ばれなかった2つの舞台装置が働かずに残ってしまう点は、消化不良な印象を持たれてしまっても仕方なし。

★さて作者予想ですが……「3通りを解答してください」という形式にしたことがミスディレクションとなってしまったようで。
奥鳥羽生
香・角・飛のピン。タイトルに応じた順序でないと不正解とか?(笑)(ほっと)

名無し名人
裏短コンらしい意欲作だけど、3通りの舞台がバラバラ(特に23玉の変化で必要な駒は他の変化では全く働かない)なのが気になる。作者予想=ほっと氏。

ミーナ
これはちょっともう、凄すぎてことばがでない。
思いつくだけでもすごいが、思いついても図化できる気がしない。
次元が違います。作者はほっとさん

soga
X、同X、空き王手(Xをピン)のトリプレットですね。なぜだかtttt5を思い出しました。
作者予想:ほっとさん
★tttt5は「2手目の変化4通りがstar-flight(玉がX方向に逃げる)。その変化は等位とする。9手以下」ですね。

不透明人間
変同趣向局
作者予想:ほっとさん

鈴川優希
雪月花、どれもはかなく消えてしまう。Xを捨ててX'をピンして開王手迄ってわけですね。2手目25玉の変化があることがちょびっと気になるかも。あとは、解答の書かせ方が主催者特権といったところでしょうか 笑。トリとしてはふさわしい気がします。
★ほっと予想の多さに苦笑。

梶谷和宏
こんな凄い作品考える人は誰でしょうか。相馬さんのような気がするのですが。しかし、何度眺めても凄い。だんだん凄さを通り越して笑ってしまいそうです。

青木裕一
同じ構成の3つの詰将棋をくっつけただけの感があります。tsumegaeruさん予想。

久保紀貴
初手、2手目がイマイチですが、その後の3手は綺麗な対比になっていると思います。
タイトルも洒落ていますね。
しかし、出題形式を変えるのは反則では……。
やるならタイトルに表示するものかと思っていました。
作者予想:soga
★作者予想は的中者なし。この詰2012をちゃんと読んでいればわかるかなと思いましたが。

竹野龍騎
課題意図は、必要な使用駒がより多いと吉(と解釈)。ほっと氏は「かえるのうたが(以下略)」の作者。……で、こうなりました。
★厳しめの短評もありましたが、普段ならやらないであろう大胆な構図と表現は、裏短コンのトリを飾るにふさわしい作でした。




  1. 2018/01/11(木) 23:00:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:0

第ϻ回裏短コン「?手詰」

★さて、残り2作です。


19位(ボーナスポイントなし順位:18位)
「?手詰」
相馬慎一
ura3_19_Question_GoteMochigoma.png
81飛成、94玉、93飛、同銀、72馬まで5手。

点数012345678910
人数52341643101

正解32 誤解0 無解0 評価無効2
得点2.248
人気投票 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:1票

★詰将棋には必ず狙いがあり、それを理解した上で評価するのがあるべき姿。
 そして本作にももちろん狙いがありますが、それは作意手順や変化紛れで表現したものではありません。
★とりあえず、表面上の作意手順は上のとおり。初手駒取りでしかも成生非限定、さらに51歩や62歩は無くても良さそう。
 出題時に『後ろの方ほどマニア向けな要素が強い』と書いてありましたが、さて狙いは一体何か?

作者
基本的な手番問題。
★作者の意図は「出題図において、手番はどちらか?」というもの。
★“5手詰の詰将棋として出題されているのだから考えるまでもなく先手の手番だ”、本当にそうでしょうか? 後手番の可能性だってあるのでは?

★では、後手番だったと仮定してみましょう。その場合、直前に先手が何か指しているはずです。
  (1)先手は飛を82に動かした、または打った
  (2)先手は王を61に動かした
  (3)先手は馬を71に動かした
 それぞれについて検証してみましょう。
(1-a)先手は飛を84から82へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku04.png
 これは後手玉の王手放置をしていることになるため、不可能局面です。この他、82飛を駒台に戻したりする逆算もありますが、やはり後手玉の王手放置となります。

(2-a)先手は王を52から61へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
 ura3_19_Question_Hosoku01.png
 これは51歩と85馬で同時に王手が掛かっており、不可能局面です。

(2-b)先手は王を72から61へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku02.png
 これは直前の後手の手がありません。不可能局面です。

(3)先手は馬を72から71へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku03.png
 これも(2-b)と同様に、直前の後手の手がありません。不可能局面です。

★以上より、出題図が後手番だとすると逆算が不可能になることがわかりました。
★一方、出題図が先手番だとすると、直前の後手の手は? これはいくつか考えられ(例えば94玉が93に動いた、など)、その後も逆算が可能です。
★したがって、出題図は先手番であることが確定しました。すなわち、タイトルの “?” は “5” となります。

★手番を隠しテーマにした作としては、次の1手詰があまりにも有名。
■若島正氏作 『盤上のファンタジア』第1番
ura3_19_Question_Hosoku10.png

★相馬さんの作はこれをもう一捻りして、「出題図は後手番…と見せかけて、実は普通に先手番」というのが狙いでした。まさに“裏”短コンにふさわしい狙いです。

★狙いが前衛的であり、かつそれを汲み取るにもレトロの知識が必要であるため、困惑した解答者が多数。


★まず、手番がテーマということを見抜くことができず、素直に手順のみを評価の対象とした方々。
 ある意味健全です。
竹中健一
すみません、よく分かっていないのですが、何が狙いなんでしょう?

有吉弘敏
超短編で駒取りはさすがにやめてほしいですね。また、なぜ双玉なんだろう・・・。

林石
一瞥して大道棋の感じがしますが5手詰めということで手順は意外とあっさり?罠があるのではと思うと疑心暗鬼になりますが。

あたまかな
手順は?、見た目は不思議。

占魚亭
初手駒取りはちょっとなぁ……。

不透明人間
非難不可避

まつきち
駒取りの初手にさほど不利感のないのが痛い。

三輪勝昭
初手駒取りで成不成非限定で何の意味があるのか?

近藤郷
意味深だけど、やっぱり手順が大事と思う。

hiro
取った飛車をすぐに捨てる、一種の回収手筋と言えるのでしょうか。

柳原夕士
んっ?

園川
配置の意味が「?」。

梶谷和宏
タイトルの意味は2手目歩合を無駄合とみなせるかどうか?ということでしょうか。作意直結で問題ないと思います。

虹色のルモ
2手目合駒は2手変長に当たるのでしょうか、それを問うためのタイトルと思いましたが私は5手完全作で良いと思う派です

松尾裕
8二合は有効に思えるけど。

名無し名人
初手駒取りは避けたい。無駄合談義は個人的には興味なし。作者予想=soga氏。
★タイトルを「2手目82合の有効/無効について疑問を投げかけたもの」と考えてしまった解答者が多数。

★そして、手番がテーマであることを見抜きつつも、現局面が後手番であると誤解した方々。
 ニコ生での発表時には「やられたー」と思ったことでしょう。
おかもと
実は後手番で1手詰、といいたいのかな。そうしないと51歩と62歩は不要だし。

kisy
玉方が先手だと1手詰?

上谷直希
表向きは5手詰だけど…?ってやつですか。

鈴川優希
先手番ではありえないから52馬迄1手詰ってことですね。まあ誰か作るんじゃないかなって予想はしてました。ただ個人的には、この手の作品は攻方・玉方どちらの詰手順もおもしろいものであって駒余りにならないことが大前提だと思ってるので……。そういうのを期待してます。とりあえず作者予想はオオサキさんってことで。

久保紀貴
レトロ解析。真の作意は52馬迄1手詰ですね。
作るのは大変だろうというところ、3手目を捨駒で仕上げてあり好感が持てます。
作者予想:相馬慎一
★作者を唯一的中させているのはさすがですが、ちゃんとレトロ解析しましょう。

★最後に、手番がテーマであり、かつ現局面が先手番に確定する、と見抜いた方々。
tsumegaeru
盤面図が後手番だとすると逆算不可能なので、手番が先手番なのが言うまでもなく決定するのが狙いとか、そういう感じでしょうか?それでも、タイトルの意味が謎なので、意図を分かってないかもしれません。

竹野龍騎
レトロ(解析)。攻方持駒なしを利用し、攻方の手番を証明。将棋パズル雑談にも載る伝統ルール。

らうーる
まずこれが先手番という証明からスタート。

soga
後手番からの1手詰ではないことは分かったが、それ以上は分からず。開き直って「後手番ではなく先手番」という主張だと考えることにしました。
作者予想:青木裕一さん

ミーナ
これが分らない。先手番だということはわかるけど、もともと先手番だしなあ。
作者はおかもとさん

青木裕一
よく考えたら考えたで先手番。ほっとさん予想。

まさ
駒取りの初手は嫌味。
なお、出題図の直前に先手が指せた手が無いので出題図は先手番が確定します。思わせぶりな題名は、後手番確定と勘違いさせて△52馬までの誤答狙い?
★見事に引っかかった方が多数。

オオサキ
玉方なら52馬までだけど不可能局面ということ?そっちも5手でまとめて、先後逆の図で出題するべきだったのでは。
★そのネタは山田康平氏が『うるてぃめいと』で既にやっています。

高坂研
直前の先手の着手がないということは、現在先手番。先後逆にして、この順を偽作意にすべきだったかも?
★盤を反転させて出題することも少しだけ考えましたが、それだと前例と同じになってしまうのでやめました。

★ただ、盤の向きについてはもう少し工夫の余地があったかもしれません。何より、まず手番を考えてもらわないと狙いが伝わらないので。
★例えば、こんな図で「※現在手番の方が手前になるように盤面の向きを直してから解答してください」という出題形式はどうでしょう?
ura3_19_Question_Hosoku20.png

★最後に、手番や局面構成問題に興味を持たれた方は、詰パラの「将棋パズル雑談」をチェックすべし!




  1. 2018/01/10(水) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:2

第ϻ回裏短コン「刺し穿つ死棘の槍」

★原稿が進まないのでブログに逃避。


2位(ボーナスポイントなし順位:3位)
穿うが死棘しきょくやり     【+0.1】
ほっと
ura3_18_Lance_GoteMochigoma.png
12龍、22金、23角、同角、43香成まで5手。

点数012345678910
人数00003133847

正解30 誤解0 無解2 評価無効1
得点2.865
人気投票 1位:6票 2位:3票 3位:4票
ベストタイトル投票:1票

★自作。今回、裏短コンを開催した理由はただ一つ、本作を発表したかったというだけです。
★さて本作、作意を追っただけでは狙いはわかりません。まずは紛れを読んでみましょう。
★初手から43香成とできれば詰みですが、56角によって47香がピンされています。ならば、王を開き王手して56角のラインから逸れてしまえばいい。
 しかし、玉方は飛銀桂を1枚ずつ持っています。
 ・初手27王は、37飛!、同香、同桂成!
 ・初手28王は、37銀!、同香、同桂成!
 ・初手49王は、37桂打!、同香、同桂不成!
 いずれも37に逆王手になる駒を打たれて逃れてしまいます。
★そこで、初手は12龍とします。これは、何でもいいから合駒を使わせたいというもの。具体的には、
 ・22飛なら、27王!、37歩、43香成まで。
 ・22銀なら、28王!、37歩、43香成まで。
 ・22桂なら、49王!、37歩、43香成まで。
 合駒を見届けてから、37に逆王手になる駒を打つことができない場所に開き王手すれば詰み。要するに後出しジャンケンですね。
★玉方は、持駒の飛銀桂をすべて温存して22金と引くのが作意。ここで空いた23に角を打てば同角しかなく、56角のラインを逸らすことに成功。結局43香成で詰みとなります。
★評点はそこそこ高くなるだろうと思っていましたが、僅差の2位。いやー惜しかった。

★実は本作、元ネタがあります。
■馬屋原剛氏作 2014.7 第30回詰将棋全国大会 解答競争 5手詰⑨
【補足】
・解答形式は「初手を答えよ」。
・制限時間は30秒(プロジェクタ上に盤面が30秒間表示され、30秒経過で強制的に次の問題に切り替わる)。
・解答競争では玉方の持駒は非表示。
ura3_18_Lance_Hosoku01.png
73龍、63銀、46王、57金、44金まで5手。

★「後手の持駒は歩だけ
  ・
  ・
  (10秒後)
  ・
  ・
  じゃないよ」の作、と言えばわかるでしょうか。
★44金と指したいのですが、23角によってピンされています。そこで、攻方王を開き王手して23角のラインから外れることを考えますが、玉方は金・銀を1枚ずつ持っています。
 ・65王や66王は57銀成が逆王手(こちらは今回のネタとは関係なし)。
 ・46王は57銀打!、同香、同銀不成!
 ・47王は57金!、同香、同銀成!
★そこで、73龍として合駒を見届けてから46王か47王を決めよう、という狙い。63金合なら47王~44金で駒余り。作意は63銀合で、46王~44金で詰み。
★いかにも王の開き王手と思わせておいて、この初手。持駒が明かされていないこともあり、30秒じゃ解けませんよ誰も。

★合駒を2種類から3種類に増やせることに気付いたのが作図のきっかけ。
 それだけではオリジナリティに欠けるため、王の開き王手をすべて変化に隠し、作意を含めてすべてが43香成までで詰むようにしてみました。作意では形だけですが大駒捨てを入れています。
★3手目の違いが強調される形になり、演出に関してはうまくいったようです。


虹色のルモ
37合の逆王手を防げば良いので初手は12龍の打診、移動合なら角を打って56の角が動かせる、ストーリー性のある一品ですね

有吉弘敏
相手の応手によって攻筋を変える事を背景に組み立てた手順は、解く者に謎解きの楽しさを与えてくれる。

竹中健一
この発想が面白い! 裏短コンならではの作品ですが、今回のダントツに思えました!

竹野龍騎
1枚ずつ残っている飛銀桂の3通りの合駒があり、初手の紛れの37合と2手目の変化の22合の対照性で魅せる造り! 手順にストーリーがある。双玉自体のテーマも素晴らしい。
★論理性とストーリー性はどちらも重要。

松尾裕
うまくできている。

あたまかな
手順は難しい、見た目はナントモ。

まさ
合駒に応じて3手目を決める巧妙な打診。

kisy
合駒によって3手目が変わるんですね。

占魚亭
作意では不動、変化では動く王。

不透明人間
三種各一枚

おかもと
これまたややこしいことを。

まつきち
逆王手のパターンが多く作品に厚みを感じる。

上谷直希
相手の駒台にある飛銀桂がそれぞれ一枚ずつであるのが重要であった。

高坂研
これは完全にプロブレムの構成(Holst theme)。かなり悩まされた。
★Holst themeというのは、チェスプロブレムにおいて、相手の着手に応じて1枚のポーンが別の駒に成る、というパターンらしいです。

三輪勝昭
27玉は37飛、28玉は37銀、49玉は37桂打で逆王手を振りほどけない。
玉方は飛銀桂しかないから12龍で合駒強要。
金引きで合駒節約すると23が空いて、23角捨てでピンの解消。
虚々実々の駆け引きが面白い。
初手が俗手なのがちょっと残念。
これは今回のブログ展に最も適した作品ですね。
★まあ主催者ですから。

近藤郷
2手目、桂を使うと49玉で困る。

tsumegaeru
二手目合駒したら、どこかに王を動かして詰み。非常に面白い発想。

園川
2手目の変化では合駒の種類(飛銀桂)に応じて王を動かす位置を変えて詰ます。論理的尚且つ美しい。

オオサキ
逆王手が重ね合わせの状態にある初形。2手目限定打合でまとめる手もあったか。
★それでは馬屋原さんの作と同じになってしまうのでちょっとね。

★さて作者予想。
青木裕一
2手目打合の変化が本編。王の移動先が変わるのが面白いです。相馬さん予想。

soga
2手目の合駒によって攻王の行き場が27、28、38、49と4種類変わる構想を5手詰で。すごい。
作者予想:相馬慎一さん

梶谷和宏
2手目の合駒(飛・銀・桂)で、先手玉の移動場所が3方向に分かれるのが面白い。作者はおかもとさんかな?

奥鳥羽生
逆王手駒の売り切れを狙う。(tsumegaeru・青木裕一・オオサキ)

名無し名人
2手目の合駒によって王の移動場所が変わるのが面白い。しかし合駒制限の花駒はやはり気になる。作者予想=tsumegaeru氏。
★29香、62金、73銀は合駒制限のみの配置。この辺をうまいこと処理できれば良かったのですが。

鈴川優希
これは発想がすごすぎる。そして、3種打合に対してそれぞれ駒余りで詰むことを確認してから、実は移動合が作意でしたという意外性。
作意にだけ23角の捨駒が現れるのもいいし、それでも結局は56角をどけるという本来の目的に即した決め手になっている。
一点だけ、香を29に置いちゃうのもったいなくないですか? 王移動位置の選択肢として残しておけばいいのに……。作者は久保さんで間違いないでしょう。
★ニコ生で絶賛いただき、ありがとうございました。
 29王の開き王手は、3通りの合駒というテーマとは関係ない紛れ。こういうのは極力排除したい派です。香の並びもタイトルと合っているかなと。

ミーナ
逆王手を阻止する合駒請求。水面下の攻防がすごい。
タイトルはちょっと中二病?作者は久保さん
★作者予想は的中者なし。

★タイトルについて説明を。元ネタは、Fateシリーズ(ゲーム・アニメなど多数あり)に登場するランサーの特殊能力で、作中では『ゲイ・ボルク』と読みます。ゲイボルグと書かれることも。
★特性は
 槍の持つ因果逆転の呪いにより「心臓に槍が命中した」という結果を作ってから「槍を放つ」という原因を作る。
 となっており、発動させた時点で相手の心臓を貫くことが確定している。
★「2手目どう受けても最後は43香成で詰み」というところを、ゲイ・ボルクになぞらえているわけです。
★結構お気に入りのタイトルでした……が、原作ではゲイ・ボルク発動時、何やかんやと理由をつけてほぼ相手は助かってまして。
 そのため、原作を知っている解答者は、39香の方をゲイ・ボルクだと考えた方も。

久保紀貴
2手目の打合の変化で、王が3通りに動くのが面白い。
心臓を貫くかに思えた39香ですが、ゲイボルグは47香の方でした。
作者予想:園川

らうーる
不発気味なゲイボルグ。この作品のせいでFGO復帰しました。

林石
初手で対応を問い、対応次第では38玉を動かして詰み。配置こそ大柄ですが、2手目の変化で十分に楽しめました。開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を。
★Fateを絡めた評は少な目でした。




  1. 2018/01/09(火) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:0

第ϻ回裏短コン「偽りの鏡」

★残り4作、解説もラストスパート。


4位(ボーナスポイントなし順位:1位)
「偽りの鏡」
園川
ura3_17_Itsuwari.png
48飛、66角、55桂、48角成、43桂成まで5手。

点数012345678910
人数00001136647

正解30 誤解0 無解2 評価無効2
得点2.784
人気投票 1位:8票 2位:6票 3位:6票
ベストタイトル投票:なし

★初手は88飛を動かしますが、意外と紛れがあります。
 ・83飛成は55桂以下逃れ。
 ・85飛は55角以下逃れ。
 ・86飛は66歩、同角、53玉以下逃れ。
★初手は48飛が正解。53玉は63香成ですし、66歩でも55桂、53玉、63桂成まで。55歩と突くのも同桂、53玉、63桂成まで。
 どう受けても駒が余るようですが、妙防がありました。66角! 同角は53玉で際どく逃れ。
★55桂と跳ねたときに48角成と飛を取れるのが角を中合した効果。しかし43桂成までで詰みとなります。
★密かに裏短コン皆勤の作者。今回も鮮烈な手順でした。

作者
当初20枚あったものを7枚減らして14枚以下にすることに成功しました。
角合と桂二段跳が狙いで、2手目55歩の変化に対しても二段跳で詰みます。
★5手詰で中合を動かすという狙いは、作例はあれどまだまだ希少。
★実はボーナスポイントなしでの順位が1位でした。今回の裏短コンで設けた+0.1点ルールの弊害を受けてしまったようで、非常に心苦しいです。


虹色のルモ
なんでしょうね、このかっこ良すぎる作品は 

林石
香筋を止めつつ角中合が華麗。これを取らず桂を二回跳ね出し両王手でのフィニッシュも豪快。

松尾裕
駒が余らない順はこれだけ。

あたまかな
手順は素晴らしい、見た目は巧い。

まさ
躍動感あふれる手順。

占魚亭
合駒移動に桂二段跳ね、気持ちいい手順。

不透明人間
大胆且軽妙

おかもと
66角合は非常にうまい。

まつきち
開き王手に中合、その中合が動いて両王手のフィニッシュと、密度の濃い手順。

三輪勝昭
素晴らしい。ただ、このブログ展でなく普通に詰パラに投稿しても良かったのでは。
★詰パラに発表していても間違いなく高得点だったはずです。

らうーる
こちらも連鎖反応的で上位互換かも。
★バッテリーが次々に入れ替わる、という構成が似ています。

tsumegaeru
鮮やかな角中合い

有吉弘敏
上谷作の斜めバージョン。こうやって実現するのですね。

竹野龍騎
作意は一目だったが偽作意かと再考。看寿賞作に似た造りで巧い。見えている作意の裏側に多くの変化紛れがある、いやそもそも作意は存在するのか、ということ?
★タイトルについての作者コメントは無し。2~4手目のイメージ(角には角で受ける、そしてすぐに移動してしまう)からでしょうか。

近藤郷
流行型かな?

竹中健一
すごく面白いことを期待したのですが、普通でした…

オオサキ
よく見るタイプ。
★何もかも新鮮だったあの頃には戻れない・・・。

★それはともかく、作者を予想してみたくなる手順だったようで、作者予想を試みた解答者が11名。今回最多でした。
梶谷和宏
これが最後まで残りました。中合による紛れ手順も高質で、首位争いに食い込みそう。作者は柳原さんではないでしょうか。

高坂研
これは綺麗に出来ている。柳原さんか?

上谷直希
絶品。63の駒種は別にすると余詰があるんでしょうね。
作者予想はほとんど分かんないけどこれは柳原さん作なような気がする。

鈴川優希
楽しい楽しい。とってもスマート。作者は柳原さんじゃないかな……。
★柳原さん予想が多かったです。

kisy
48飛としてどう受けても駒が余る⋯、と思ったら66角の中合!解後感も良かったです。作者予想はほっとさんです。

久保紀貴
5手で中合を動かすのが狙いでしょうか。
普通このテーマだと初手や3手目が冴えない手になってしまいがちですが、本作はそのあたりも巧くできていますね。
タイトルは偽りシリーズ?これでほっとさんじゃなかったらとんだミスディレクション。
ジョーカーその②ですね(笑)
作者予想:ほっと
★前回の裏短コン「偽りの恋人達」(こちらは双方が合駒を2手後に動かすのがテーマ)とタイトルやテーマが似ているので、ほっと予想もチラホラ。

soga
無理のない初形から中合動かし。すごい。
作者予想:tsumegaeruさん

奥鳥羽生
中合を動かす。(三輪勝昭)

ミーナ
タイトルから、てっきり、偽作意ものかと疑った。
変化処理がスムーズで、このまま短編名作選においても違和感がない。
作者は相馬さん
★中合を動かす系の作は多くの作家が手掛けているため、意外と当てにくかったようです。

青木裕一
超短編鉄板のネタ。園川さん予想。

名無し名人
5手で中合動かしも今ではテンプレ化しつつあるけど、やっぱり好きなんだよなあ。作者予想=園川氏。
★青木さん、名無し名人さんが的中。
★実は園川さん、第n回裏短コンでも角の中合を動かす作を手掛けていました。
 ⇒第n回裏短コン「カルマン渦」
 これと似ていることに気付けば作者当ては容易だったかもしれません。

★最後に、短評で触れられていた上谷氏作を紹介します。
■上谷直希氏作 詰パラ2016.1
ura3_17_Itsuwari_Hosoku01.png
65銀、同桂、94飛、84角、74銀不成、62角、63銀上成まで7手。
★2016年度看寿賞短編賞受賞。「中合を2手後に動かす」というテーマを完璧に表現した傑作。



  1. 2018/01/08(月) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:0

第ϻ回裏短コン「クロスホッパーズ」

★お待たせしました、優勝作品の登場です!


優勝(ボーナスポイントなし順位:2位)
「クロスホッパーズ」     【+0.1】
久保紀貴
ura3_16_Hoppers_GoteMochigoma.png
43桂不成、57桂不成、55歩、53玉、45桂まで5手。

点数012345678910
人数01000116364

正解23 誤解7 無解2 評価無効1
得点2.868
人気投票 1位:5票 2位:7票 3位:4票
ベストタイトル投票:6票(1位!

★詰パラ大学担当の久保さんの作。実は今回、誤解が最多でした。
★玉方の持駒は歩だけ。しかし、初手63香成などでは65歩と打たれて駄目です。
★持駒に歩があるので、これを使うことを考えると、初手は55桂を動かす一手。しかし初手43桂成や63桂成は58金と取られて、打歩詰になってしまいます。
 では初手63桂不成は? やはり58金とされて、55歩、53玉、45桂に同香で詰みません。
★初手は43桂不成が正解。これなら58金は55歩、53玉、45桂で、あれれ、桂が余ってしまいました。
★2手目は、桂を57に逃げておく移動合です。57桂成でも57桂不成でも、55歩、53玉、45桂までで詰んでいます。

★さて、2手目は成っても成らなくても同じなのでしょうか? いいえ、2手目57桂成の場合、63香成という手があります。
 これに対し65歩は打歩詰で打てないため、76飛、同角まで駒余りで詰ますことができます。
★2手目は57桂不成が正しい応手。これなら63香成は65歩と受けて詰みません。結局、双方が打歩回避の桂不成を行う、という趣向でした。最終手も桂跳ねで、タイトルも内容とマッチしています。

作者
双方不成がテーマです。予定していた作品が駒数11枚に収まってしまったため、急遽作りました。
ギリギリの創作で構図を吟味できていないので、もしかすると桂以外でも可能かもしれません。ただ、考えた限りでは桂以外では無理かなと思います。
★「打歩に関係する双方不成」は5手が最短ですが、前例はあったかどうか。
★デッドヒートを制し、見事に優勝。おめでとうございます。ちなみにベストタイトル賞も獲得し、二冠達成です。

★余談ながら、柿木将棋Ⅸ(V9.22、V9.24で確認)に解かせると、2手目は57桂成と解答して来ます。ソフトも完璧ではないことを認識する必要がありますね。


竹中健一
2手目の不成がいいですね!

竹野龍騎
双方打歩テーマで双方桂生! 風格がある。57飛成の逆王手も面白い。
★2手目57飛成は同香~55飛までですね。

林石
双方不成は幾つか目にしたことがありますが、桂馬のみでしかも5手詰だと初めてです。双玉ならではの意味づけが勉強になります。

あたまかな
手順は非常に良い、見た目は好みでない。

不透明人間
二手目重要

占魚亭
双方打歩回避不成。2手目は成るところでした(危なかった)。
パラ出題だったら、誤解者はどれくらい出たんだろう。

オオサキ
変別正解論者は2手目成でも正解なのだろうか。
★ちなみに今回は2手目「57桂成」「57桂」の解答は×にしています。作品の根幹に関わる部分なので。

おかもと
この作品も、3手目に歩を打てるようにと考えると解が見えてくる。

まつきち
桂の双方不成という高級な手順。今回の打歩打開モノでは上位。

園川
初手と2手目が絶妙。双方玉に打歩詰の筋が絡んでいるのか!

tsumegaeru
双方桂生が面白い

相馬慎一
この筋は飽きたがちょっとひねってあることに好感。

まさ
ルールを巧みに利用した双方桂不成。アイデア賞。

三輪勝昭
2手目は57桂成だろうが57歩合だろうが、作意と同じ順で詰む。
それでは57桂生は規約上成立しているだけで、妙手ではないと言うのが僕の考え方。
★これは気にする人は気にするでしょう。本作に関してはうまく利用していると思いました。

らうーる
こころがぴょんぴょんす(ry 
★ちなみに本作は捨駒なし、すなわち「No Poi」(ry

★作者予想です。
soga
攻方玉打歩モノかと思いきや、双方桂不成が出てきた。すごい。
作者予想:久保紀貴さん

青木裕一
逆打歩詰系の変化球。久保さん予想。
★sogaさん、青木さんが作者当て的中。

上谷直希
この配置で作意順に逆打歩詰誘致が出てこないのは珍しい。桂が主役ということですね。
オオサキさん作なような気配がする。

ミーナ
2手目を限定にするための、逆打歩セットが豪華。
33と73の金はなくても大丈夫そう。作者はオオサキさん
★33金・73金の2枚は花駒(合駒制限の意味しか持っていない駒)のようです。気付きませんでした。

名無し名人
5手で双方不成を行うには変別絡みにするしかなさそうですか。今回の条件で逆打歩詰系がこれ1作だけなのは意外。作者予想=オオサキ氏。
★オオサキさん予想が多かったです。

鈴川優希
逆打歩詰回避。意外に新構想だったりするかもですね。それに+αでノーマル打歩詰回避の初手を入れて、桂生の対をなしているあたりも唸らされる。
馬屋原さんでしょと思ったら参加していない!? では相馬さんで。

kisy
双方桂不成!玉方の桂不成の仕組みが面白かったです。作者予想は前回の裏短コンで逆打歩詰関連の作品を発表していた相馬慎一さん。
★それは馬屋原さん作だったかと。

久保紀貴
拙作。(打歩詰に関係する)双方不成を最短手数で実現した作品です。
色々と考えてみましたが、桂以外では構図が取れなさそうです。
ネタ提供はkisy氏。ありがとうございました。
★5手で打歩に関係する双方不成(同種駒)が本当に桂以外で不可能かどうか。皆さんも挑戦してみては?

★最後に、打歩に関係する双方不成(同種駒)を7手で実現した作を。
■馬屋原剛氏作 「欺きの一角獣ユニコーン」 2015.11 my cube 第n回裏短コン
ura3_16_Hoppers_Hosoku01.png
13角不成、36角不成、26桂、25玉、45飛、同角、35角成まで7手。

★これが特別な理由は、「作意手順に歩を打つ手が出てこない」ということ。超絶技巧の内容で、第n回裏短コン優勝も当然でしょう。
 詳しい解説はこちらで。




  1. 2018/01/07(日) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:2

第ϻ回裏短コン「捨駒の練習」

★ちえのわ雑文集で、第ϻ回裏短コンについて書くことになりました。


12位(ボーナスポイントなし順位:11位)
「捨駒の練習」
tsumegaeru
ura3_15_Practice.png
52龍、同香、53飛、同香、44銀不成まで5手。

点数012345678910
人数00143663420

正解31 誤解0 無解1 評価無効2
得点2.499
人気投票 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:1票

作者
後方からの連捨てをしたかっただけです。満足のいく出来ではないですが、参加することに意義があると考えて投稿します。

★tsumegaeruさんの作。双玉で、いかにも何かありそうです。
★初手から54飛では同香で、同銀成とはできないので同と、65玉、62龍、74玉以下、きわどいですが詰みません。
 少しひねって初手53飛も同角で、やはり54銀成とはできず駄目です。
★そこで、初手に52龍と焦点に捨てるのが好手。同馬なら54飛までなので、同香しかありません。
 馬筋が塞がったところで、改めて焦点に捨てる53飛が好手。同角なら54銀成まで。こちらも正解ですが、作意は同香、44銀不成まで。
★焦点への連続捨て駒自体はよく見かける筋ですが、2箇所とも玉から離れている、というのは案外珍しいかも?
 双玉を利用していることもあり、ちょっと変わった雰囲気だと思います。


虹色のルモ
焦点捨て2連発のかっこいい作品

有吉弘敏
これは創作の難度が高そう。上手い。

梶谷和宏
気持ちいい捨て駒の連発。分かりやすくて思わず頷く。

竹野龍騎
趣向的構想作。43銀のピンを巡る攻防。55玉の前と横が空いているのも良い。

林石
初手、三手目と玉方の対応を問いますが、龍飛を気前よく捨てる順は爽快。飛車二枚vs角二枚。

あたまかな
手順は良い、見た目はセンス良し。

まさ
龍・飛の連続捨ては鮮やか。

松尾裕
確かに練習になる。

オオサキ
ほんとに練習だった。

kisy
練習できました!

三輪勝昭
捨駒の練習になりました。

★練習の次は実戦、ということで・・・
占魚亭
将棋教室の生徒に出題、1本取りました(笑)。
★一手◯円、とかではないですよね?

不透明人間
二段階焦点

奥鳥羽生
作意は44銀生かな。
★正解!

まつきち
龍飛の連捨ては爽快な手順。

近藤郷
分かっていても、感心する。

園川
連続「角と香の焦点への飛車捨て」。

久保紀貴
飛の連続捨て。初々しさがあって嫌いじゃないです。

らうーる
逆算作家的にはこういうのがお好き。

柳原夕士
気持ち良い。

竹中健一
初手がいいですが、普通ですね。

おかもと
なんとなく指してから初手の意味に気付く。

鈴川優希
まず解けて意味付けは後から考えるやつですね。双玉にしてあっさり図化したのは逆に好感。タイトルには課題あり。三輪さんですかね?

名無し名人
双玉だけど極めてオーソドックス。欲を言えば初手を飛打ちにしたい。作者予想=青木裕一氏。

ミーナ
焦点捨て2連発。初手を飛車打にしろと、三輪さんが検定問題に出しそう。
わたしにはできないけど。作者は中山さん
★この図のまま32龍を持駒にすると、いきなり53飛が成立してしまいますが、さて可能でしょうか?

上谷直希
ツインじゃないのにツインのような感覚。
sogaさん作なような気配がする。

soga
ロジカルに捨駒が決まるのは、分かっていても気持ちがよい。同香、同香のリズムが良いので、4手目は香にしました。
作者予想:竹野龍騎さん
★作意は同香で、解答もほとんどが同香派でした。

青木裕一
ここまでできるなら練習は必要ないのでは?柳原さん予想。
★作者当ては的中者なし。確かにもっと大胆な配置で作ってくるイメージがあります。
 前回の裏短コン出品作はこちら
 
★最後に、本作と似た構成の、後方からの龍捨てを2連続で行う作例を紹介します。
■山田康平氏作 『うるてぃめいと』第168番
ura3_15_Practice_Hosoku01.png
55龍上、(イ)同角、56龍、(ロ)同桂、44香まで5手。
★初手に45の龍で王手すると、69玉と潜られて困ります。初手は46の龍を動かしますが、55龍が面白い手。
 (イ)69玉なら46香まで。
 (イ)同桂なら同龍として、どう応じても44香までで駒余り。
 (イ)同香なら56龍として、(1)同桂は43香成まで、(2)それ以外の応手は44香まで、どちらも駒余り。
 2手目は同角が最善で、これにも56龍。(ロ)同桂以外はやはり44香までで駒余り。
 4手目は同桂と逆王手で受けるのが最善で、対する44香がさらに逆王手で詰みとなります。
★2枚の龍をたすき掛けに捨てる、凝った手順です。変化もボリュームたっぷりですね。

【追記】
★コメント欄にあった作を置いておきます。
■中筋俊裕氏作 詰パラ2012.7
ura3_15_Practice_Hosoku02.png
26銀、46玉、43飛、同香、44飛、同香、45金、同馬、37銀、同玉、47金まで11手。

★後方からの飛飛金の3連捨てを実質9手で実現。いずれも焦点捨てになっていることにも注目。
 3連捨てなら7手が最短ですが、最短にこだわらなければそれほど駒を増やさずに実現できるということですね。




  1. 2018/01/06(土) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:7

第ϻ回裏短コン「積極性について」

★14作目。本作を含めて残り7作ですが、うち6作が双玉です(笑)


6位(ボーナスポイントなし順位:5位)
「積極性について」
soga
ura3_14_Positive.png
39角、55金合、54歩、同金、52銀成まで5手。

点数012345678910
人数01003165553

正解31 誤解0 無解1 評価無効2
得点2.677
人気投票 1位:1票 2位:5票 3位:2票
ベストタイトル投票:なし

★初手は角を開くしかありませんが、17銀に狙いをつける39角が好手。これに対し、55歩などの受けでは17角と銀を取り、44歩、54銀まで駒が余ります。
 58龍が動けないことを見越して54に効かせる55金合がこの一手の受け。17角は44歩合とされると詰みません。
★しかし、よく見ると54歩と打てることがわかります。同金に52銀成で詰みとなります。
★本作は取歩駒が合駒で発生していますが、合駒の意味付けが「54に効かせるため」となっているのが新しい点です。

★ここで、森田手筋について書いておきましょう。オリジナルは次の作。
■森田正司氏作 詰パラ1959.9
ura3_14_Positive_Hosoku01.png
16桂、同飛不成、25香、15玉、33馬、26玉、44角、35桂合、15馬、同玉、
33角成、26玉、27歩、同桂、35銀、同玉、24馬まで17手。

★森田氏作は、消極的な意味付け(詰方が取った後に有効な使い道がない)によって35桂合が選ばれ、その結果27に効きが生じることを利用しています。
★なお、本来の森田手筋は「35桂合発生 + 44角の消去」の部分、すなわち「取歩駒が合駒で発生した後、合駒のピンを外す」までを含めたものだったはずですが、取歩駒が合駒で発生することのみを森田手筋と呼んでしまっている場合も多いです。
 合駒のピンを外す部分を含めるかどうかについては、今回は深く立ち入らないことにします。

★「取歩駒を合駒により発生させる」部分について、合駒の意味付けについては、他にもいろいろ考えられます。
 5手で表現したものを挙げておきましょう。
■山田嘉則氏作 (若島正氏改作) この詰将棋がすごい!2012年度版
ura3_14_Positive_Hosoku03.png
54桂、46金、45歩、同金、43銀成まで5手。
★3手目56王とする手があります。2手目はこれを防ぐ合駒が必要ですが、47銀や47飛成は76王で詰み。
 46金合が最善で、金が発生したため45歩が打てて詰みました。
★手順だけ見ればsogaさん作とほぼ同じですが、金合の意味付けが異なっていることがわかります。

★さて、森田氏作と山田氏作はいずれも、合駒の意味付け(A)と打歩地点への効き(B)が分離した構成になっています。
 すなわち、とある理由で合駒をしたらその合駒はたまたま打歩地点に効きを持つものであった、という流れになっています。
★これに対し「打歩地点に効かせるために合駒をする」という意味付け、すなわち「積極的意味付け」により取歩駒を発生させた、というのが本作です。

作者
積極的意味付けの合駒による森田手筋というテーマは、すでに複数の作者によって創作が試みられている。ここでは当該テーマにおける最小の構成について検討を行い、5手詰での表現を得た。これは、最短手数の森田手筋の一例になっている。
★学術論文の冒頭っぽい文章。

★もちろん、過去の作例との相違や意味付けの新規性まで理解していなくても、解答や鑑賞は可能です。しかし、それらを踏まえた上で鑑賞すると、よりいっそう楽しめるのではないでしょうか。
★本作が有する「奇妙でパラドキシカルな雰囲気」は、解答者にも伝わったようです。


kisy
自ら打歩詰を解除する55金合はとても不思議⋯。

有吉弘敏
前衛的。こんな手順ははじめての体験。

竹中健一
55金!凄い受け方ですね!

占魚亭
取歩駒を吐き出させるための鋭い限定移動。

hiro
1七の銀を質駒にすることを見越した初手。

梶谷和宏
5手詰でよくぞ金の中合を出したもの。17銀がなければもっと良かった。どうしても17に狙いをつけて駒を動かしてしまう。
★3手目同飛とは取れないため、中合と呼ぶのはちょっと違うような気がします。

おかもと
やりたいことはわかるが、17銀の質駒がちょっと露骨。

まさ
やむを得ないのだろうが、銀を狙う露骨な初手が惜しい。
★作者の狙いは初手ではないので私は気になりませんでしたが。

竹野龍騎
スマート。シン・ゴジラならぬ真・森田(手筋)。57桂は効かないのも面白い。

不透明人間
六八飛不可
★68龍が飛だと、2手目57桂合で逃れですね。

林石
どうやっても詰みそうでいて、案外そうでもないんですね。

松尾裕
この合駒だけが駒余りを避けられるとは。

あたまかな
手順は好み、見た目は巧い。

まつきち
55金合は不思議な受け。
5手詰に持駒に歩があるのは損ですね。

上谷直希
積極的な中合で直後に打歩詰が打開される展開。意味付けもスマートで素晴らしいと思います。

高坂研
理論上最短の森田手筋。前例はあるも、上手く出来ていると感心した。

オオサキ
55金は54に利かすために打っていると。なるほど。マニア受け。

近藤郷
わざわざ歩が打てるようにしてくれる。

園川
54銀打を防ぐ金合を逆用して打歩詰を打開する。

らうーる
無駄に豪華な合駒にナルホド。

tsumegaeru
54に効きのある合駒でないと駒余りで詰みで、さらに54に効きのある合駒だからこそ打歩詰が打開されるという、この直接的な論理がいいですね。

三輪勝昭
詰方は玉方駒が54に利く駒があるとありがたい。その55金を発生させる摩訶不思議。理屈が実に面白い。
ただ評価点は詰上がりに大駒3枚も不要になるので大きく減点してます。
超短編は論理さえ面白ければそれで良いとは思うのですが、僕なんで。

★さて作者予想。
鈴川優希
これは好き。パラドキシカルな感じがたまらない。68龍の配置はつらい……。tsumegaeruさんかなあ。

久保紀貴
"積極的意味合いの"取歩駒の発生ということですね。
54に利かせたことが裏目に出るパラドキシカルな味があり、良いと思います。
作者予想:tsumegaeru

青木裕一
森田手筋かどうか中合かどうかについても、もめそうな作品。オオサキさん予想。

相馬慎一
おそらくオオサキ作。5手で表現できるとは!

名無し名人
理論上最短の取歩駒発生。打歩詰の形なのにわざわざ金合を出してくれる不思議。作者予想=相馬慎一氏。

ミーナ
打歩ものなのに、攻守とも得な手をえらぶ。
一周まわって、凡手の応酬。へんな味わい。作者は青木さん

奥鳥羽生
取銀駒を取歩駒として逆用。(kisy)

虹色のルモ
後ろに利かない駒は銀取から歩余り、という事で金合ですが打歩が打開されてるので詰んでしまうという理不尽な限定合なんですよね
作者予想:soga様
★作者予想はルモさんが唯一的中。

★最後に、積極的な意味付けの取歩駒発生作品を紹介します。
■相馬慎一氏作 「真・森田手筋」 詰パラ2015.8
ura3_14_Positive_Hosoku04.png
57馬、45玉、35馬、56玉、64香、(イ)65桂合、34馬、46玉、24馬、45玉、
72馬、54銀合、35馬、56玉、57歩、同桂成、83馬、65銀、57馬、45玉、
72馬、54銀、35馬、56玉、83馬、65歩合、48桂、同歩成、57歩、47玉、
36馬まで31手。

(イ)65歩合は34馬、46玉、24馬、45玉、72馬、54銀合、46歩、56玉、23馬で、
  ・46玉は13馬以下。
  ・34桂合は同馬、46玉、35馬、56玉、48桂、同歩成、57歩以下。
★(イ)の変化中の57歩を防ぐために65桂合が最善となります。
 57歩と打たれるのを防ぐために65桂合をした結果、別の手順で57歩を打てて詰む、という、パラドキシカルな内容。
 意味付けにこだわる方は必見!




  1. 2018/01/05(金) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:0

第ϻ回裏短コン「詰備会で作りました」

★いよいよベスト3入賞作品が登場。しかし改めて眺めると前半10作と後半10作の順位バランスが極端すぎ・・・。


3位(ボーナスポイントなし順位:4位)
「詰備会で作りました」     【+0.1】
中山智希
ura3_13_Tsumebikai.png
35香、同飛、38飛、99香成、55角まで5手。

点数012345678910
人数000024151040

正解30 誤解0 無解2 評価無効4
得点2.787
人気投票 1位:5票 2位:3票 3位:2票
ベストタイトル投票:1票

★88飛・99角という配置から開き王手が見えます。16箇所に開き王手が可能ですが、有力なのは38飛。
 99香成なら55角までで詰みですが、44歩合と合駒されると、
  ・55角右は36桂!以下逃れ。
  ・44同角、同飛、55角も36桂以下逃れ。
  ・15角は34歩合以下逃れ。
 初手38飛では詰まないようです。
★初手に戻って83飛成は99香成。初手84飛も44歩合で、どうも詰みません。
★もう一度初手に戻って55角も見えますが、同飛でも44歩合でも詰みません。
★仕方が無いので35香と打ってみます。34歩合なら83飛成~34銀成で駒余りなので、35同飛と取る一手。
 こうしておいてから38飛とするのが変わった感触の手で、飛車を35に移動させたため44歩合は効きません。
 99香成に55角と飛び出せば、何とこれで詰んでいます!
★初手38飛や55角は見える手。そして持駒の香も35あたりに使うしかない。
 しかし、初手35香で3筋をわざわざ二重に遮断させておいてから38飛という組み合わせはひと目では見えないでしょう。
★かなり無茶をした手順のため、余詰防止駒が大変なことになっていますが、あくまで手順に妥協をしなかった結果。
 狙いはしっかりと伝わったようで、見事に3位入賞です。
★さて、見覚えのない作者名ですが・・・実は次の4名の合作でした。
   ◯ ◯ ◯ (まさ)
  片 倫 生
  ◯ ◯ ◯ (まつきち)
  上 谷 直

作者
まさ―詰備会で即席で合作で作りました。もう1枚減らしたかったが、この辺が限界でした。
片山倫生―とにかく余詰の雨嵐の苦労作です。
まつきち―アイデアを実現するのは大変です!
上谷直希―柿木さんを携えて検討係です。変化を成立させて紛れを不詰にするみなさんの苦労をご鑑賞ください。
★2017/11/4の詰備会で創っていただいた作。
 もらった後、「合作不可」となっていた投稿規定をこっそり直したのは秘密。


上谷直希
65桂は初手85飛と98飛対策で、16とは初手38飛と18飛対策。
62歩は初手83飛成対策。この歩を香にして65桂配置を省けないかなぁ?とは誰しもが思うところですが、初手85飛の余詰が消えないのではいけません。
色々な案が話されましたが、多少の犠牲を払ったとしてもこの初手は入れたいですよね。

まつきち
手順前後を消すために苦労…。

梶谷和宏
3筋にもう一枚壁を作ってから38飛というのが頑固な好手。最終手の55角も気持ちいい。

竹中健一
陰に隠れる38飛とは!

林石
開き王手は83か38か。後者よりなさそうだが、直ちに開くと飛車の守りが意外と固い。これに働きかける初手香打ちは、予定する飛車の利き筋だけにやりにくいように感じます。

虹色のルモ
複数人でということなのですね、レベル高いです

有吉弘敏
これを即興で作れるものなのか・・。凄い。

松尾裕
さすがチームワークの賜物。

あたまかな
手順は良い、見た目は仕方ないか。

占魚亭
受方飛の位置調整。両王手で仕留めることに拘ると苦労するかも。

kisy
単に両王手をみた初手38飛がダメなのがビックリ!

不透明人間
合駒不登場

おかもと
初手の意味づけがややこしい。

三輪勝昭
35飛にすると55角が両王手にならないから損。35香は損をする捨て駒なんで理屈を考えないと入らないが、巧く出来ている。
ただ、65桂が77に利いているので4手目77合があるのが不満。僕は完全限定に出来る手順は完全限定にする主義なんで。

近藤郷
83飛成を含んだ初手は面白い。

らうーる
紛れとの区別が一瞬わからなくなる。

オオサキ
初手をどう捉えればいいのか。わざわざラインを閉じてるってことかな。

tsumegaeru
あえて両王手じゃなくするのがいいですね。

園川
両王手の筋をあえて消してからのピンメイト。

相馬慎一
遮断駒を2重にしてからのピンメイト。

竹野龍騎
両王手と見せてピンメイト。作意は一目で見えて嬉しい。
★短評被りはともかく、これをひと目とは・・・。

★そして作者予想。検索すれば詰備会参加者や「合作で作った」などの情報が出てくるため、そこから合体ペンネームを見抜いた解答者も多く、的中者が最多となりました。

青木裕一
中山智希さん予想。各作者の名前から一字ずつ取った合成筆名的なヤツですか?

名無し名人
わざわざ両王手にならない形にする面白さ。これぞ超短編の味。31銀が3手目以降働かないのが気になるけど、今回の中では首位か。作者予想=中山智希氏(4名の合作?)。

奥鳥羽生
24桂の差金で、わざわざ両王手にしないようにする。(中山智希)

soga
限定打から角の後ろに飛車を回り込むコンビネーションの味がよい。
作者予想:中山智希さん

久保紀貴
敢えてラインを閉じるかのような35香が不思議な感触の一手。
考えてみれば44の利きを外すだけの意味なのですが、不利感があります。
詰上がりの形もいい感じ。
作者予想:中山智希

ミーナ
わざわざ両王手を拒否する35香が奇妙な味。
連鎖失敗?作者はtsumegaeruさん
★tsumegaeruさんは詰備会不参加でした。

鈴川優希
これは間接両王手っぽいのが狙いなのだろうか。22に行ける余地を作って18飛とか81飛成とかの変化を加えれば化けそうな素材だが、合作なのだとしたらまだまだ練り不足な感。というか詰備会メンバー誰だっけ、奥鳥羽生さんだったり?
★奥鳥さんも詰備会不参加でした。作者を当てたいなら参加者は調べましょう。

★最後に「遮断駒なしの状態から、あえて遮断駒が存在する状態にする」をテーマにした作品を紹介します。
■波乱万丈氏作 詰パラ1986.11
ura3_13_Tsumebikai_Hosoku01.png
35銀、同と、44馬、15玉、33馬まで5手。
★初手44馬は15玉で逃れ。また33馬は46歩!、同飛、35玉で逃れ。
 35銀、同と、としてわざわざ35に壁を作ってから44馬が面白い手順です。
★ちなみに、これはtttt7の条件にあたるようです。ttttは「Tsumeshogi Theme Tourney on Twitter」(ツイッター上での詰将棋課題コンクール)の略です。
【tttt7】
初形にバッテリーがあり、両王手をかけることができる。その着手をXとする。作意順にもXは出てくるが、両王手ではない。ただし、その間、玉は動かないものとする。9手以下。




  1. 2018/01/04(木) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:2
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