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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

第ч回裏短コン「唯一の捨て場所」

★年賀詰創作に苦戦中。


17位
「唯一の捨て場所」
くじら
ura4_05_TheOnlyPoint.png
49飛、同金、42飛、51玉、49飛成、24と、42金まで7手。

点数012345678910
人数01627444100

正解30 誤解0 無解0 評価無効1
得点2.324
人気投票 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:なし

★裏短コン初登場のくじらさん。意欲的な作で登場です。
★初手は4筋に飛車を打つ一手。39金が意味深ですが、まずは紛れを読んでみましょう。
 ・42飛は51玉で、96角と3枚のと金の守備力が強くて逃れ。
 ・43飛は32玉で、21に逃げ込まれると届きません。
 ・44飛なども同様……いいえ、32玉と逃げられても詰む場所が1ヵ所だけありました。
★初手は49飛! 32玉なら39飛と金を取り、21玉には12金で詰み、43玉には33飛成以下で詰みます。
 また、48歩合なら、42飛、51玉、48飛引成、24と、42龍まで、飛車2枚を連結させる筋で7手駒余り。どこに中合をしてもこの筋が成立します。
★2手目は同金ですが、42飛と打ち、51玉に49飛成と金を入手できるのが初手の効果。24とに42金と打って詰上がりとなります。

作者
過去の7手詰最遠打作品は2~8段目に敵駒の利きを置いています.
今回は最遠地点にのみ利きがある7手詰最遠打をテーマに創作しました.
当然初手43飛や44飛の筋がキツく,その点が創作上苦労しました.
右辺の配置を得られたことで何とか完成しました.
駒数も最大限削ろうと思いましたが,12枚から減らなくなったので裏短コンへ投稿します.

★調査しましたが、この「2~8段目に玉方駒の利きが無く、9段目のみに利きがある。その状態で9段目に最遠打」という条件は単玉7手では前例なし! これは凄いことです。
★細かい部分まで分析している解答者もおり、作者のやりたかったことはまずまず伝わったようです。

梶谷和宏
タイトルと39金配置が解答を暗示。いや明示かも。

嵐田保夫
3九金が異様。

林石
一目で最遠打が見えるとやはり嬉しいです。

占魚亭
ひと目の初手。素直すぎる手順だけど、こういう作品好きです。

高縄山ろく
かなり直球のヒントでした。
★作者の表現したいことがストレートに伝わるタイトルはむしろ好感が持てます。

みつひさ
何度見ても不思議な手順。短手数でうまく表現。

有吉弘敏
一度は作りたいテーマ。

おかもと
遠飛。

山下誠
質駒を作る飛車捨てが実戦的な手筋。

シナトラ
前例多く、金を取る順を作意にするのはマイナスポイント。

竹中健一
これは見たことある手筋。下段の金の配置がミエミエなのが…
★前述のとおり、前例は無いのですが、細かい条件まで見てもらえていなかったようで、ちょっと損をした感じです。

soga
間に受方の利きが入り込まないのが上手い

大瀬戸
玉方にとっては憎らしい39金

園川
捨駒を取らされるという不思議な手順。

NZ
盤面を大きく使った一作ですね

馬屋原剛
浦壁手筋で、この「質駒を取る」という意味付けは意外と珍しい?

まつきち
有名な小林さんの作品を想起する(現代詰将棋短編名作選105番)

奥鳥羽生
名作を思い出すが、中合箇所に玉方駒の利きがないという工夫を感じる。三手目以降にも工夫がほしかった。
★仕方ないこととは言え、名作と比べられてしまうとつらいところ。

不透明人間
質駒を取らない手順にできなかったか。また、39金は38か37に置きたい。
★狙いが前述のとおりなので……。

野々村禎彦
狙い自体は面白いが、39金→34金とすれば43飛、32玉、33角成が消えるので11桂は不要、さらに96角→63角とすれば64銀も不要で、作意は盤上10枚で成立する(自陣と金を並べる必要もなくなり、61桂&62歩で十分)。
34金配置ならば44飛で質駒化する筋と一目ではわからないが、39金配置だと一目なので、紛れを犠牲にして離し打ちの記録を取って裏短コンの要件をクリアしたことになる。
金の位置は34~39どこでも機構は一緒なので、最遠打にしたことで手順の妙味が増しているわけでもない。「紛れのために裏稼業」と同様の問題を抱えていると判断し、評価も揃えた。

★配置はコンパクトになっているし、不自然な自陣と金を無くすこともできています。その点では改良と言えます、が! 同時にとても重大な間違いを犯しています。
 ズバリ、野々村さん案では「作者の狙いが消えてしまっている」。
 この点で、野々村さんの案は棄却せざるを得ません。
 そもそも、本作は42~48に打てば取られずに済むのにわざわざ取られる49に打つ、というのが狙いとなっており、最初からそれを目標として創作が行われています。
 このことはタイトルからも明らかです。
 最初から10枚で成立するところに紛れを増やすために駒を増やした「裏稼業」とは全然違いますからね。

★作者予想ですが、さすがに困難だったようで。

太刀岡甫
いわゆる浦壁手筋に似ているが、遠打の意味付けが取駒選択ではなく単純な金取りなので別物。7手で金を取りきってしまうのは珍しいかも。しかし、さすがに視覚的な既視感が強く、小林敏樹作には劣ると思う。
作者は絶対優勝するマンさん。

ルモ
狙いの初手が打ちにくい好作、変化・紛れも上手く割り切る
作者予想:soga氏

あたまかな
見た目は個人的に自陣と金は嫌いなんで。
手順は何か欲しい。
作者予想は野々村氏

青木裕一
49飛は第一感ですが、4筋に利きがないのは「ん?」てなりました。
作者予想はシナトラさん。作風はよく分からないのでこの辺はテキトーです。

三輪勝昭
初手、唯一の取られる場所になっているのが良い。
そこに打つ理由が取るためで、取らせる理由も取るためなんで僕は作品としては評価してないけど、この催しものには打ってつけな作品。
作者予想b=青木裕一作。
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)

イキロン
ぶつけて打つ最遠打が狙いだと思いますが、ちょっと構図に既視感が強いです……。
作者予想:奥鳥羽生

絶対優勝するマン
小林敏樹の39香や浦壁和彦の93飛を彷彿とさせるが、質駒(39金)狙いにすることで43~48に打てば捨駒にならないのが良い(小林作は33~39の全ての地点に守備駒が利いている)。作者予想は奥鳥羽生さん。
★作者予想はまたも的中者なし。

くじら
みんなレベル高い
★評点は伸びませんでしたが、過去の作例を踏まえ、今まで誰もやったことのないことを実現した、その姿勢に敬意を表したいと思います。

★最後に、短評でも多数触れられていた2作を紹介します。

■浦壁和彦氏作 詰パラ1977.8
現代詰将棋短編名作選 第14番

ura4_05_TheOnlyPoint_Hosoku1.png
93飛、同銀、23飛、34玉、93飛成、12香、23銀まで7手。
★93飛で銀を質に。2手目83歩合は23飛~83飛右成という、飛を連結させる筋で詰み。この変化処理を利用した遠打が浦壁手筋……かと思っていたが、ここを読み返すと、飛を連結させる変化処理の部分ではなく「取る駒を指定する遠打」のことを浦壁手筋と呼ぶらしいです。

■小林敏樹氏作 詰パラ1985.7
現代詰将棋短編名作選 第105番

ura4_05_TheOnlyPoint_Hosoku2.png
39香、同馬、33飛、22玉、13飛成、同玉、23角成まで7手。
★2手目に38歩合は32飛~38飛成。これは浦壁作と同様。
 面白いのが3手目以降で、浦壁作と同じように32飛~39飛成と馬を取るのは14龍で逃れ。
 作意は33への馬の利きが無くなったのを利用し、33飛から飛車を成り捨てる収束に結び付けたのが秀逸。





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  1. 2018/12/26(水) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:2
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コメント

前例無しは凄いですね

唯一の利きに捨てるのは面白い、離れた金が打ち場所を分かりやすくしている
数少ない駒取りの作品なので浮いてしまった印象は有りました
駒を取る手が見えにくいと「おおっ」と思わせられるのですが予定通りの駒取りなので緩く感じる方も居たのかな
新しい事に挑戦は何にしても凄い
  1. URL |
  2. 2018/12/26(水) 14:56:15 |
  3. ルモ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 前例無しは凄いですね
>
かなり細かい条件付きですが。

> 唯一の利きに捨てるのは面白い、離れた金が打ち場所を分かりやすくしている
> 数少ない駒取りの作品なので浮いてしまった印象は有りました
> 駒を取る手が見えにくいと「おおっ」と思わせられるのですが予定通りの駒取りなので緩く感じる方も居たのかな
> 新しい事に挑戦は何にしても凄い

出題時は作者が伏せられているため、割と容赦ない短評もあります。まあそれが良い点でもありますが。
  1. URL |
  2. 2018/12/27(木) 06:51:23 |
  3. ほっと #-
  4. [ 編集 ]

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