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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

詰パラ2019年7月号 院8 解説補足

書きかけのまま放置していた記事を更新。


詰パラ2019年7月号に結果稿が載っている、院8の補足。
作品自体の解説をほとんどせずに作者コメントを引用して済ませているため、何をやっているのかが伝わりにくくなっている。
ひとまず、機構としてはこの記事が詳しい。

ここでは解説で取り上げた作品について書いておくことにする。
■参考作品 河原泰之「TANGO」 近代将棋1992.4
20190730_01.png

作意手順の詳しい解説は「詰将棋の欠片」で。
と金2枚の移動合による3段馬鋸である。こちらはと金ベルトを用いて玉位置を変えている。
28香の消去を挟むことにより2往復させているのが巧妙だ。
さて、作意手順は211手詰なのだが、実は「TANGO」には早詰がある。
まずは手順を途中まで進めよう。
 81と、72玉、71と右……41と右、32玉、
 23金、同玉、13角成、32玉、
 31と、42玉、41と左、……71と左、82玉、
 46馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 35馬、44と、61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬
で次図。
【途中図1】
20190730_02_53teme.png

ここで作意は55と左とする。
 55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、
【参考図】
20190730_03_sankou1.png
実は、ここで44同馬!以下詰んでしまうのだ。手順はやや長いが、一例は
 44同馬、同歩、61と右、52玉、51と右、42玉、33飛成、同玉、
 21歩成、42玉、32と、53玉、64銀、54玉、44角成、同玉、
 55銀上、43玉、54銀、32玉、22桂成、33玉、23成桂、34玉、
 24成桂、35玉、36歩、44玉、53銀左不成まで。

では「TANGO」は不完全作か、というとそうではなく、途中図1で55と直と応じれば先ほどの詰み筋には入らない。
【途中図1】より
 55と直、81と、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 46馬、55と直、
【途中図2】
20190730_04_tochuuzu2.png
玉方は44とを動かさずに応じるのが最善。以降は、
 81と、72玉、71と右……41と右、32玉、
 23香成、同玉、13金、32玉、
【途中図3】
20190730_05_tochuuzu3.png
23香成~13金とする。これは28香を消して18歩を取りに行くため。
そして28香が消えたため、先ほどの余詰筋は成立しなくなっている。すなわち、ここからは再度3段馬鋸になる。
 31と、42玉、41と左……61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 28馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 17馬、44と、61と左、72玉、
 18馬、54と引、71と左、82玉、
 28馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 17馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 46馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 35馬、44と、
【途中図4】
20190730_06_tochuuzu4.png
以降は収束。手順のみ示す。
 61と右、52玉、51と右、42玉、41と右、32玉、23金、同玉、
 24馬、32玉、33馬、同玉、21歩成、23玉、22角成、34玉、
 44馬、同歩、35歩、25玉、23飛成、15玉、16歩、同玉、
 27銀、17玉、26龍、28玉、38銀右、39玉、29龍、48玉、
 49龍、57玉、58歩、同桂成、同龍、66玉、67龍、75玉、
 76龍、84玉、85歩、95玉、87桂、同と、96歩、94玉、
 74龍、93玉、84龍、92玉、82龍まで205手詰

というわけでこれが本手順となり、211手詰は作意誤設定ということになる。
それにしても、当時205手詰で解答した人はどれくらい居たのか、そしてその解答がどう扱われたのか、は気になるところだ。

最後にお知らせ。馬屋原氏は早ければ今期中にまた斬新な趣向作で登場いただく予定。乞うご期待!



  1. 2019/07/30(火) 00:01:00|
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