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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

第ϻ回裏短コン「刺し穿つ死棘の槍」

★原稿が進まないのでブログに逃避。


2位(ボーナスポイントなし順位:3位)
穿うが死棘しきょくやり     【+0.1】
ほっと
ura3_18_Lance_GoteMochigoma.png
12龍、22金、23角、同角、43香成まで5手。

点数012345678910
人数00003133847

正解30 誤解0 無解2 評価無効1
得点2.865
人気投票 1位:6票 2位:3票 3位:4票
ベストタイトル投票:1票

★自作。今回、裏短コンを開催した理由はただ一つ、本作を発表したかったというだけです。
★さて本作、作意を追っただけでは狙いはわかりません。まずは紛れを読んでみましょう。
★初手から43香成とできれば詰みですが、56角によって47香がピンされています。ならば、王を開き王手して56角のラインから逸れてしまえばいい。
 しかし、玉方は飛銀桂を1枚ずつ持っています。
 ・初手27王は、37飛!、同香、同桂成!
 ・初手28王は、37銀!、同香、同桂成!
 ・初手49王は、37桂打!、同香、同桂不成!
 いずれも37に逆王手になる駒を打たれて逃れてしまいます。
★そこで、初手は12龍とします。これは、何でもいいから合駒を使わせたいというもの。具体的には、
 ・22飛なら、27王!、37歩、43香成まで。
 ・22銀なら、28王!、37歩、43香成まで。
 ・22桂なら、49王!、37歩、43香成まで。
 合駒を見届けてから、37に逆王手になる駒を打つことができない場所に開き王手すれば詰み。要するに後出しジャンケンですね。
★玉方は、持駒の飛銀桂をすべて温存して22金と引くのが作意。ここで空いた23に角を打てば同角しかなく、56角のラインを逸らすことに成功。結局43香成で詰みとなります。
★評点はそこそこ高くなるだろうと思っていましたが、僅差の2位。いやー惜しかった。

★実は本作、元ネタがあります。
■馬屋原剛氏作 2014.7 第30回詰将棋全国大会 解答競争 5手詰⑨
【補足】
・解答形式は「初手を答えよ」。
・制限時間は30秒(プロジェクタ上に盤面が30秒間表示され、30秒経過で強制的に次の問題に切り替わる)。
・解答競争では玉方の持駒は非表示。
ura3_18_Lance_Hosoku01.png
73龍、63銀、46王、57金、44金まで5手。

★「後手の持駒は歩だけ
  ・
  ・
  (10秒後)
  ・
  ・
  じゃないよ」の作、と言えばわかるでしょうか。
★44金と指したいのですが、23角によってピンされています。そこで、攻方王を開き王手して23角のラインから外れることを考えますが、玉方は金・銀を1枚ずつ持っています。
 ・65王や66王は57銀成が逆王手(こちらは今回のネタとは関係なし)。
 ・46王は57銀打!、同香、同銀不成!
 ・47王は57金!、同香、同銀成!
★そこで、73龍として合駒を見届けてから46王か47王を決めよう、という狙い。63金合なら47王~44金で駒余り。作意は63銀合で、46王~44金で詰み。
★いかにも王の開き王手と思わせておいて、この初手。持駒が明かされていないこともあり、30秒じゃ解けませんよ誰も。

★合駒を2種類から3種類に増やせることに気付いたのが作図のきっかけ。
 それだけではオリジナリティに欠けるため、王の開き王手をすべて変化に隠し、作意を含めてすべてが43香成までで詰むようにしてみました。作意では形だけですが大駒捨てを入れています。
★3手目の違いが強調される形になり、演出に関してはうまくいったようです。


虹色のルモ
37合の逆王手を防げば良いので初手は12龍の打診、移動合なら角を打って56の角が動かせる、ストーリー性のある一品ですね

有吉弘敏
相手の応手によって攻筋を変える事を背景に組み立てた手順は、解く者に謎解きの楽しさを与えてくれる。

竹中健一
この発想が面白い! 裏短コンならではの作品ですが、今回のダントツに思えました!

竹野龍騎
1枚ずつ残っている飛銀桂の3通りの合駒があり、初手の紛れの37合と2手目の変化の22合の対照性で魅せる造り! 手順にストーリーがある。双玉自体のテーマも素晴らしい。
★論理性とストーリー性はどちらも重要。

松尾裕
うまくできている。

あたまかな
手順は難しい、見た目はナントモ。

まさ
合駒に応じて3手目を決める巧妙な打診。

kisy
合駒によって3手目が変わるんですね。

占魚亭
作意では不動、変化では動く王。

不透明人間
三種各一枚

おかもと
これまたややこしいことを。

まつきち
逆王手のパターンが多く作品に厚みを感じる。

上谷直希
相手の駒台にある飛銀桂がそれぞれ一枚ずつであるのが重要であった。

高坂研
これは完全にプロブレムの構成(Holst theme)。かなり悩まされた。
★Holst themeというのは、チェスプロブレムにおいて、相手の着手に応じて1枚のポーンが別の駒に成る、というパターンらしいです。

三輪勝昭
27玉は37飛、28玉は37銀、49玉は37桂打で逆王手を振りほどけない。
玉方は飛銀桂しかないから12龍で合駒強要。
金引きで合駒節約すると23が空いて、23角捨てでピンの解消。
虚々実々の駆け引きが面白い。
初手が俗手なのがちょっと残念。
これは今回のブログ展に最も適した作品ですね。
★まあ主催者ですから。

近藤郷
2手目、桂を使うと49玉で困る。

tsumegaeru
二手目合駒したら、どこかに王を動かして詰み。非常に面白い発想。

園川
2手目の変化では合駒の種類(飛銀桂)に応じて王を動かす位置を変えて詰ます。論理的尚且つ美しい。

オオサキ
逆王手が重ね合わせの状態にある初形。2手目限定打合でまとめる手もあったか。
★それでは馬屋原さんの作と同じになってしまうのでちょっとね。

★さて作者予想。
青木裕一
2手目打合の変化が本編。王の移動先が変わるのが面白いです。相馬さん予想。

soga
2手目の合駒によって攻王の行き場が27、28、38、49と4種類変わる構想を5手詰で。すごい。
作者予想:相馬慎一さん

梶谷和宏
2手目の合駒(飛・銀・桂)で、先手玉の移動場所が3方向に分かれるのが面白い。作者はおかもとさんかな?

奥鳥羽生
逆王手駒の売り切れを狙う。(tsumegaeru・青木裕一・オオサキ)

名無し名人
2手目の合駒によって王の移動場所が変わるのが面白い。しかし合駒制限の花駒はやはり気になる。作者予想=tsumegaeru氏。
★29香、62金、73銀は合駒制限のみの配置。この辺をうまいこと処理できれば良かったのですが。

鈴川優希
これは発想がすごすぎる。そして、3種打合に対してそれぞれ駒余りで詰むことを確認してから、実は移動合が作意でしたという意外性。
作意にだけ23角の捨駒が現れるのもいいし、それでも結局は56角をどけるという本来の目的に即した決め手になっている。
一点だけ、香を29に置いちゃうのもったいなくないですか? 王移動位置の選択肢として残しておけばいいのに……。作者は久保さんで間違いないでしょう。
★ニコ生で絶賛いただき、ありがとうございました。
 29王の開き王手は、3通りの合駒というテーマとは関係ない紛れ。こういうのは極力排除したい派です。香の並びもタイトルと合っているかなと。

ミーナ
逆王手を阻止する合駒請求。水面下の攻防がすごい。
タイトルはちょっと中二病?作者は久保さん
★作者予想は的中者なし。

★タイトルについて説明を。元ネタは、Fateシリーズ(ゲーム・アニメなど多数あり)に登場するランサーの特殊能力で、作中では『ゲイ・ボルク』と読みます。ゲイボルグと書かれることも。
★特性は
 槍の持つ因果逆転の呪いにより「心臓に槍が命中した」という結果を作ってから「槍を放つ」という原因を作る。
 となっており、発動させた時点で相手の心臓を貫くことが確定している。
★「2手目どう受けても最後は43香成で詰み」というところを、ゲイ・ボルクになぞらえているわけです。
★結構お気に入りのタイトルでした……が、原作ではゲイ・ボルク発動時、何やかんやと理由をつけてほぼ相手は助かってまして。
 そのため、原作を知っている解答者は、39香の方をゲイ・ボルクだと考えた方も。

久保紀貴
2手目の打合の変化で、王が3通りに動くのが面白い。
心臓を貫くかに思えた39香ですが、ゲイボルグは47香の方でした。
作者予想:園川

らうーる
不発気味なゲイボルグ。この作品のせいでFGO復帰しました。

林石
初手で対応を問い、対応次第では38玉を動かして詰み。配置こそ大柄ですが、2手目の変化で十分に楽しめました。開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を。
★Fateを絡めた評は少な目でした。




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  1. 2018/01/09(火) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:0
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