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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

第ϻ回裏短コン「?手詰」

★さて、残り2作です。


19位(ボーナスポイントなし順位:18位)
「?手詰」
相馬慎一
ura3_19_Question_GoteMochigoma.png
81飛成、94玉、93飛、同銀、72馬まで5手。

点数012345678910
人数52341643101

正解32 誤解0 無解0 評価無効2
得点2.248
人気投票 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:1票

★詰将棋には必ず狙いがあり、それを理解した上で評価するのがあるべき姿。
 そして本作にももちろん狙いがありますが、それは作意手順や変化紛れで表現したものではありません。
★とりあえず、表面上の作意手順は上のとおり。初手駒取りでしかも成生非限定、さらに51歩や62歩は無くても良さそう。
 出題時に『後ろの方ほどマニア向けな要素が強い』と書いてありましたが、さて狙いは一体何か?

作者
基本的な手番問題。
★作者の意図は「出題図において、手番はどちらか?」というもの。
★“5手詰の詰将棋として出題されているのだから考えるまでもなく先手の手番だ”、本当にそうでしょうか? 後手番の可能性だってあるのでは?

★では、後手番だったと仮定してみましょう。その場合、直前に先手が何か指しているはずです。
  (1)先手は飛を82に動かした、または打った
  (2)先手は王を61に動かした
  (3)先手は馬を71に動かした
 それぞれについて検証してみましょう。
(1-a)先手は飛を84から82へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku04.png
 これは後手玉の王手放置をしていることになるため、不可能局面です。この他、82飛を駒台に戻したりする逆算もありますが、やはり後手玉の王手放置となります。

(2-a)先手は王を52から61へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
 ura3_19_Question_Hosoku01.png
 これは51歩と85馬で同時に王手が掛かっており、不可能局面です。

(2-b)先手は王を72から61へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku02.png
 これは直前の後手の手がありません。不可能局面です。

(3)先手は馬を72から71へ動かした、と仮定した場合 1手前は次の局面。
ura3_19_Question_Hosoku03.png
 これも(2-b)と同様に、直前の後手の手がありません。不可能局面です。

★以上より、出題図が後手番だとすると逆算が不可能になることがわかりました。
★一方、出題図が先手番だとすると、直前の後手の手は? これはいくつか考えられ(例えば94玉が93に動いた、など)、その後も逆算が可能です。
★したがって、出題図は先手番であることが確定しました。すなわち、タイトルの “?” は “5” となります。

★手番を隠しテーマにした作としては、次の1手詰があまりにも有名。
■若島正氏作 『盤上のファンタジア』第1番
ura3_19_Question_Hosoku10.png

★相馬さんの作はこれをもう一捻りして、「出題図は後手番…と見せかけて、実は普通に先手番」というのが狙いでした。まさに“裏”短コンにふさわしい狙いです。

★狙いが前衛的であり、かつそれを汲み取るにもレトロの知識が必要であるため、困惑した解答者が多数。


★まず、手番がテーマということを見抜くことができず、素直に手順のみを評価の対象とした方々。
 ある意味健全です。
竹中健一
すみません、よく分かっていないのですが、何が狙いなんでしょう?

有吉弘敏
超短編で駒取りはさすがにやめてほしいですね。また、なぜ双玉なんだろう・・・。

林石
一瞥して大道棋の感じがしますが5手詰めということで手順は意外とあっさり?罠があるのではと思うと疑心暗鬼になりますが。

あたまかな
手順は?、見た目は不思議。

占魚亭
初手駒取りはちょっとなぁ……。

不透明人間
非難不可避

まつきち
駒取りの初手にさほど不利感のないのが痛い。

三輪勝昭
初手駒取りで成不成非限定で何の意味があるのか?

近藤郷
意味深だけど、やっぱり手順が大事と思う。

hiro
取った飛車をすぐに捨てる、一種の回収手筋と言えるのでしょうか。

柳原夕士
んっ?

園川
配置の意味が「?」。

梶谷和宏
タイトルの意味は2手目歩合を無駄合とみなせるかどうか?ということでしょうか。作意直結で問題ないと思います。

虹色のルモ
2手目合駒は2手変長に当たるのでしょうか、それを問うためのタイトルと思いましたが私は5手完全作で良いと思う派です

松尾裕
8二合は有効に思えるけど。

名無し名人
初手駒取りは避けたい。無駄合談義は個人的には興味なし。作者予想=soga氏。
★タイトルを「2手目82合の有効/無効について疑問を投げかけたもの」と考えてしまった解答者が多数。

★そして、手番がテーマであることを見抜きつつも、現局面が後手番であると誤解した方々。
 ニコ生での発表時には「やられたー」と思ったことでしょう。
おかもと
実は後手番で1手詰、といいたいのかな。そうしないと51歩と62歩は不要だし。

kisy
玉方が先手だと1手詰?

上谷直希
表向きは5手詰だけど…?ってやつですか。

鈴川優希
先手番ではありえないから52馬迄1手詰ってことですね。まあ誰か作るんじゃないかなって予想はしてました。ただ個人的には、この手の作品は攻方・玉方どちらの詰手順もおもしろいものであって駒余りにならないことが大前提だと思ってるので……。そういうのを期待してます。とりあえず作者予想はオオサキさんってことで。

久保紀貴
レトロ解析。真の作意は52馬迄1手詰ですね。
作るのは大変だろうというところ、3手目を捨駒で仕上げてあり好感が持てます。
作者予想:相馬慎一
★作者を唯一的中させているのはさすがですが、ちゃんとレトロ解析しましょう。

★最後に、手番がテーマであり、かつ現局面が先手番に確定する、と見抜いた方々。
tsumegaeru
盤面図が後手番だとすると逆算不可能なので、手番が先手番なのが言うまでもなく決定するのが狙いとか、そういう感じでしょうか?それでも、タイトルの意味が謎なので、意図を分かってないかもしれません。

竹野龍騎
レトロ(解析)。攻方持駒なしを利用し、攻方の手番を証明。将棋パズル雑談にも載る伝統ルール。

らうーる
まずこれが先手番という証明からスタート。

soga
後手番からの1手詰ではないことは分かったが、それ以上は分からず。開き直って「後手番ではなく先手番」という主張だと考えることにしました。
作者予想:青木裕一さん

ミーナ
これが分らない。先手番だということはわかるけど、もともと先手番だしなあ。
作者はおかもとさん

青木裕一
よく考えたら考えたで先手番。ほっとさん予想。

まさ
駒取りの初手は嫌味。
なお、出題図の直前に先手が指せた手が無いので出題図は先手番が確定します。思わせぶりな題名は、後手番確定と勘違いさせて△52馬までの誤答狙い?
★見事に引っかかった方が多数。

オオサキ
玉方なら52馬までだけど不可能局面ということ?そっちも5手でまとめて、先後逆の図で出題するべきだったのでは。
★そのネタは山田康平氏が『うるてぃめいと』で既にやっています。

高坂研
直前の先手の着手がないということは、現在先手番。先後逆にして、この順を偽作意にすべきだったかも?
★盤を反転させて出題することも少しだけ考えましたが、それだと前例と同じになってしまうのでやめました。

★ただ、盤の向きについてはもう少し工夫の余地があったかもしれません。何より、まず手番を考えてもらわないと狙いが伝わらないので。
★例えば、こんな図で「※現在手番の方が手前になるように盤面の向きを直してから解答してください」という出題形式はどうでしょう?
ura3_19_Question_Hosoku20.png

★最後に、手番や局面構成問題に興味を持たれた方は、詰パラの「将棋パズル雑談」をチェックすべし!




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  1. 2018/01/10(水) 00:01:00|
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  3. | コメント:2
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ミスディレクション

図は後手番じゃない事を証明している。
なのに解答者に後手番だと思わせるミスディレクションが狙いなんですね。
これは全国大会のミニ解答者選手権の藤井四段さえはまったあのミスディレクション作を思い出しました。
打歩誘致にして詰ませたと思わせて、実は香打ちで自分が詰まされていると言う。
普通の詰将棋で真面目に考えた手順で先手玉を詰ませる事が出来るとは思いませんでした。

相馬作は後手番の可能性を考えた人が半分くらいしかいないのは意外でした。
51歩や62歩の配置、タイトルもそれとなく臭わせているのに。
僕は詰将棋は部分図と思っているので、後手番不可能局面とは考えられないのであれなんだけど、もうちょっと出題時に工夫が必要でしたね。
横向き出題はし欲しくないけど、先手は玉、後手は王にするとか、少なく共両方玉にしないと。
それからタイトルは伝えたい事は臭わすようなタイトルはダメですね。
意外にみんな気がつかない。
タイトルを謎解きとして楽しんでもらうなら別だけど、伝えたい事を重視するなら直接的タイトルでないとダメなんですよぬね。
  1. URL |
  2. 2018/01/11(木) 07:14:10 |
  3. 三輪 勝昭 #-
  4. [ 編集 ]

Re: ミスディレクション

> 僕は詰将棋は部分図と思っているので、後手番不可能局面とは考えられないのであれなんだけど、もうちょっと出題時に工夫が必要でしたね。
> 横向き出題はし欲しくないけど、先手は玉、後手は王にするとか、少なく共両方玉にしないと。
これは本当に、もう少し工夫できたところでした。

> それからタイトルは伝えたい事は臭わすようなタイトルはダメですね。
> 意外にみんな気がつかない。
> タイトルを謎解きとして楽しんでもらうなら別だけど、伝えたい事を重視するなら直接的タイトルでないとダメなんですよぬね。
誰にでも伝わるようにすべきというのももっともですが、ネタが簡単にわかってしまうとそれはそれで文句を付ける方もいるので……。
タイトルをつけるのは難しい。
  1. URL |
  2. 2018/01/14(日) 21:32:19 |
  3. ほっと #-
  4. [ 編集 ]

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