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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

第ϻ回裏短コン「銀の雪と金の月と桂の花」

★少し遅れてしまいましたが、いよいよ最後の作です。


5位(ボーナスポイントなし順位:8位)
「銀の雪と金の月と桂の花」     【+0.1】
竹野龍騎
ura3_20_YukiTsukiHana_GoteMochigoma.png
35銀、
    23玉、24銀右、同銀、15桂まで5手。
    45玉、56金、同金、47飛まで5手。
    43玉、53桂成、同桂、65馬まで5手。


点数012345678910
人数00230533632

正解29 誤解0 無解3 評価無効2
得点2.696
人気投票 1位:1票 2位:2票 3位:1票
ベストタイトル投票:5票(2位)

★出題時「※本作は、5手詰×3通り(2手目から分岐)を解答してください。」という条件付きでした。
 盤面枚数36枚という大作ですが、果たしてどんな内容なのでしょうか。
★初手は35銀とします。逃げ場所は斜め方向に4通りですが、このうち25玉は26銀左、同桂、同とまでで駒余り。これは変化手順です。
 残りの23玉、45玉、43玉については、いずれも5手駒余らず。出題時の条件に沿って、この3通りを解答すれば正解となります。
★ちなみに、2手目45玉のときに57飛とするのは89と、が逆王手で逃れ。また、2手目43玉のときに72馬などとするのは93と、が逆王手で逃れ。この他にも駒を取る紛れがいろいろあります。読んだ方はあまりいないでしょうけど。

★さて、重要なのはここから。作者は何を表現したかったのでしょうか?
作者
バッテリーからの玉に接しない王手によるピンメイト3通り。バッテリーの軸駒でピンをする。ピンされる駒(金銀桂)はそれぞれ同種の捨駒を直前に取って移動する構成。作意は3通りの等位変化(変同)の全てで完全限定。劣位変化(2手以上早い変化、及び、同手数駒余り)が作意でないのは通常どおり。2手目は斜め4方向への玉移動のみとした。2手目45玉に、72馬、同と、87飛、89とで逃れ、の紛れは面白いかと思います。
タイトルは、3つの順の対照性を含め全て合わせて「作意」だとなるべく伝わるようにしたい。浮かんだのは「雪月花」で、金銀桂を明示し組み合わせて表題にした。
香合の余地はある方が良いと判断し、受方の持駒に香1枚残した。例えば初手47銀に35香合。配置は結構ギリギリかと。例えば次のいずれか1つで余詰む。41桂→61桂、62と→51と、68と→48と。

★まず2手目23玉の手順に着目すると「銀を捨てる」→「銀で取られる」→「その銀の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」という構成になっています。
★同様に、2手目45玉の手順は「金を捨てる」→「金で取られる」→「その金の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 そして、2手目43玉の手順は「桂を捨てる」→「桂で取られる」→「その桂の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 という構成になっており、これらの対照性が狙いでした。

作者
(続き)元ネタはtttt20の拙作で、「この詰2012」の275ページに載っている(72歩は攻方)。また、本作もtttt20を満たしている。
★まず、ttttについて説明すると、「Tsumeshogi Theme Tourney on Twitter」、つまり、Twitter上での詰将棋課題コンクールです。
 お題はおもちゃ箱のこちらにまとめられています。
★さて、tttt20のお題は、次のようなもの。
【tttt20】
2手目に主要変化3通り。異なる等位の変化手順で、その詰め上がりはすべて異なるピンメイト。9手以下。ただしピンメイトとは、玉方の駒がピンされていることによって、最終手の駒を取れないために詰んでいる状態を指す。


★そして、これを満たした作がこちら。
■nta9eさん作 2011/05/03 (この詰2012 p275より)
ura3_20_YukiTsukiHana_Hosoku01.png
71銀、
    61玉、43角成まで3手。
    53玉、56飛 まで3手。
    73玉、85桂 まで3手。

★確かにtttt20を満たしてはいますが、これでは……。ということで、5手で作り直したのが本作でしょう。
 ピンする駒と同種駒の捨駒を入れることにより、ピンメイトが強調される作り方は参考になります。


松尾裕
作意は(3)(=2手目45玉)だと思う。 あれ、(2)(=2手目43玉)かな?

竹中健一
どこに逃げるのが作意なのか迷います…。一つ選べと言われたら、23玉のときの手順が好きかな!
★どれが作意か、という問いは愚問です。3つの手順を全部引っくるめて作意です。
 また、1つの手順だけ注目するのではなく、それぞれの手順の共通点や相違点を探すことにより、作者の表現したいことが見えてくるはずです。

林石
盤面を見てこれが5手詰!とも思いますが解いてみると、一作品で三度美味しい。個人的には金の月が好みです。

虹色のルモ
一つの盤面で同じ系統3つの詰将棋を、これは凄いしお得

kisy
1つで3度おいしい作品!

占魚亭
ピンメイト3種。お見事!

あたまかな
手順はだから?、見た目は好みでない。

まつきち
変化がすべて異なる手順構成というのは面白い。

上谷直希
解が3つ出揃うまで、どの要素で統一されているかに気付けなかった。なるほどなあ!

近藤郷
初手が3通りならいいが……
★それは専門用語で「余詰」と呼ばれています(笑)。

園川
これは相当面白い。2手目の玉の逃げ方3通りに対し、3手目は金銀桂いずれかの駒で王手、4手目は同種の駒でそれを取る。さらに3通り全てピンメイト。(まだ何か狙いがあるかもしれない)

らうーる
綺麗なタイトルだが、やってることはハンムラビ法典。

tsumegaeru
変化手順が全て統一的でよい。詰将棋にもツイン等があるけど、本作のように変同で表現するのが一番すきです。

おかもと
雪月花を織り込むなら、「銀の雪 金の満月 桂の花」とか、五七五で命名したい。
★個人的には「――と――と――」の並びが、リズムが良くないように感じました。自分なら読点かスペースにしたいです。

まさ
逃げ方によって3種類(X,Y,Z)の駒を捨て同X,Y,Zと取らせて、最終手その駒の効きに駒移動で詰み。
創作する側から見れば創作難度の高いテーマですが、解答側としては魅力を感じませんでした。

三輪勝昭
銀の時だけピン駒の空王手が出来ないので失敗作だね。
空王手が出来るのに、空王手をせずピン駒に使う3手詰3つを5手詰一つにするのは、ブログ展ならではの作で面白いとは思います。

オオサキ
2手目25玉はさておき、どの順もさすがにこんだけ使えばできるだろうという手順で、意外性はあまり。

相馬慎一
3解がただの足し算のように感じ、プロブレムからの移植としては成功してるとは言い難い。ただ、その意志は素晴らしい。

高坂研
これまたプロブレムっぽい構成。ただ、こういう風に3つの逃げ方に対してそれぞれバッテリーを置くのではなく(これだと3つの詰将棋を単に詰め合わせたように見えてしまう)、ひとつの仕掛けで3種類の詰め方が出てくるようにしたかった。
★皆さんなかなか手厳しい。
 3つの舞台がほぼ完全に分離しており、選ばれなかった2つの舞台装置が働かずに残ってしまう点は、消化不良な印象を持たれてしまっても仕方なし。

★さて作者予想ですが……「3通りを解答してください」という形式にしたことがミスディレクションとなってしまったようで。
奥鳥羽生
香・角・飛のピン。タイトルに応じた順序でないと不正解とか?(笑)(ほっと)

名無し名人
裏短コンらしい意欲作だけど、3通りの舞台がバラバラ(特に23玉の変化で必要な駒は他の変化では全く働かない)なのが気になる。作者予想=ほっと氏。

ミーナ
これはちょっともう、凄すぎてことばがでない。
思いつくだけでもすごいが、思いついても図化できる気がしない。
次元が違います。作者はほっとさん

soga
X、同X、空き王手(Xをピン)のトリプレットですね。なぜだかtttt5を思い出しました。
作者予想:ほっとさん
★tttt5は「2手目の変化4通りがstar-flight(玉がX方向に逃げる)。その変化は等位とする。9手以下」ですね。

不透明人間
変同趣向局
作者予想:ほっとさん

鈴川優希
雪月花、どれもはかなく消えてしまう。Xを捨ててX'をピンして開王手迄ってわけですね。2手目25玉の変化があることがちょびっと気になるかも。あとは、解答の書かせ方が主催者特権といったところでしょうか 笑。トリとしてはふさわしい気がします。
★ほっと予想の多さに苦笑。

梶谷和宏
こんな凄い作品考える人は誰でしょうか。相馬さんのような気がするのですが。しかし、何度眺めても凄い。だんだん凄さを通り越して笑ってしまいそうです。

青木裕一
同じ構成の3つの詰将棋をくっつけただけの感があります。tsumegaeruさん予想。

久保紀貴
初手、2手目がイマイチですが、その後の3手は綺麗な対比になっていると思います。
タイトルも洒落ていますね。
しかし、出題形式を変えるのは反則では……。
やるならタイトルに表示するものかと思っていました。
作者予想:soga
★作者予想は的中者なし。この詰2012をちゃんと読んでいればわかるかなと思いましたが。

竹野龍騎
課題意図は、必要な使用駒がより多いと吉(と解釈)。ほっと氏は「かえるのうたが(以下略)」の作者。……で、こうなりました。
★厳しめの短評もありましたが、普段ならやらないであろう大胆な構図と表現は、裏短コンのトリを飾るにふさわしい作でした。




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  1. 2018/01/11(木) 23:00:00|
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