詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

詰将棋解答選手権の傾向と戦略2018

さて、3/25(日)は第15回解答選手権チャンピオン戦が開催される。
◯◯会場の皆さま、当日はよろしくお願いします。



さて、解答選手権の傾向と、戦略を改めて再確認しておこう。
例によって去年とあまり変わっていないが、昨年の出題作についても追記している。
なお、どちらかと言えば上級者向け……と言いつつ盤駒使用が前提。

第1R、第2Rとも39手以内の作品が5作出題される。第1Rの作品が①②③④⑤、第2Rの作品が⑥⑦⑧⑨⑩となる。

■出題作の傾向
まずは過去の出題作の傾向から。

1. 短手数の出題作は、最終3手(もしくは最終5手)に大駒捨てあり!
 比較的短手数の出題作(①②③および⑥⑦⑧)に関しては、最終3手に大駒捨てが入っていることが多い。

 2017年[第1R][第2R]に関しては、①②が該当。減らされた?

 2016年[第1R][第2R]に関しては、①②③⑧が該当。

 2015年[第1R][第2R]に関しては、①②③⑧が該当し、さらに言うと、これに該当しない⑥⑦についても、最終5手で大駒を捨てている。

 2014年[第1R]に関しては、対象6作のうち①②④⑥が該当し、該当しない2作のうち③についても、最終5手で大駒を捨てている。
ちなみに理由については、「作者がそうなるように手順を構成している」「選題者(解説者)の好みが反映されている」といったところか。
いずれにしても、詰む手順を見つけた際に、作意っぽいかそうでないかの判断材料として活用できる。

2. 合駒に注意!
 短編に限らず、合駒が出てくる作品が多い。特に注意すべきは移動合と不利合。移動合については成・不成にも注意したい。

 2017年[第1R][第2R]に関しては、①③④⑤⑦⑨⑩が該当。

 2016年[第1R][第2R]に関しては、②③⑤⑥⑧⑨⑩が該当。

 2015年[第1R][第2R]に関しては、③⑤⑧⑨⑩が該当。

 2014年[第1R][第2R]に関しては、①③④⑤⑧⑨⑩が該当する。

 合駒問題は苦手な人も多いだろうが、作例をたくさん見て慣れておくしかないだろう。
 ちなみに、「出現した合駒が動かず取られずに残ったままになる」ことはほぼ無いことも併せて指摘しておく。

3. 最終2手以外での非限定はほぼ無い!
 非限定としては、次に示すようなものがある。
 a)飛角香の打ち場所非限定
 b)合駒の種類や打ち場所非限定
 c)成・不成非限定
 これらはまず出題されないと考えてOK。何故ならそのような作品を出題すると採点が面倒になる……だけでなく、そもそも欠陥作品を出題すること自体が解答者に余計な負担を強いることになるから。
 したがって、詰み手順中、合駒が限定されていなかったりした場合は、その手順は間違いである可能性が極めて高い。
 最終2手での非限定はそこそこ見かけるので注意。

■戦略
ある程度傾向を掴んだところで、まずは第1Rの①②③④⑤を90分間で解答する上での戦略を書いておこう。
なお、戦略は第2Rでもほぼ同様であるが、第2Rは昼食後なので眠気との戦いでもある。集中力が続くかどうかが重要かもしれない。

1. 解くのは暗算と盤駒使用を併用で!
 具体的には、こんな感じ。
  ・どの作品もまずは暗算で考えてみて、難しそうなら別の作品を暗算で考える。
  ・盤駒使用は最終手段とし、使用する場合でも、なるべく易しそうなものから優先的に並べる。
 ここで重要なことは、「とりあえず盤に並べてから考える」という解き方は避けるべき、ということ。
 というのは、一度盤に並べてしまうと、それがなかなか解けないときでも「せっかく並べた盤面を崩すのが勿体無い」という心理が働き、「一旦保留して別の問題を解こう」と決断しにくくなるため。
 ちなみに、盤駒を2セット以上使用する策もある。会場で用意してもらえるのは1セットのみなので、自分で用意する必要があるが、どれほど効果があるかは不明。
 いずれにしても、棋士・奨励会員には適用できない作戦である。
 (なお、ルール上は、上記にあたる出場者でも盤駒使用は禁止されていない。ただし、実際に使用している人は見たことがない)

2. 部分点をたくさん獲得するよりも、完答数を増やせ!
 ルール上は、4手正解毎に部分点1点もらえる。ただし、部分点と言っても、ほぼ1~3点である。これに対し、完答すると10点になる。
 例えば①②を完答したとして、「③④⑤すべてで部分点3点(合計9点)」というパターンよりも、「③のみ完答、④⑤は手付かず」の方が点数が高くなる。

3. 変化紛れはきちんと確認せよ!
 作意らしき手順を見つけたら変化紛れはもう調べない、という解き方もあるのだが、それだと2手延びる応手を見落としてしまう可能性が極めて高い。特に、2015年から手数が明確に想定できなくなったため、面倒でもきちんと確認すべき。
上で述べたように、見落としによって部分点になってしまうと痛い。
 また、確認作業については、解答欄に記入する前に実施すべき。経験上、記入してしまうと、どうしてもその手順が正しいという思い込みや願望が強くなってしまい、心理的に書き直しができなくなる。

4. 記入後は棋譜表記の誤記が無いかしっかりと確認せよ!
 2016年までは明らかに誤記とわかるものについては救済されていたのだが、2017年から、誤記についてはマイナス1点されるようになった。
 厳しい採点基準だが、解説したり観戦記を書いたり記録を取ったりする立場の人間が棋譜を正確に書けないようではいけない。
 記入ミスが無いか、1手ずつしっかり確認しよう。

5. 並びは手数順、同手数の場合は「使用駒数が少ない」「盤面配置面積が小さい」ものが手前!
 同じ手数の作が同時に出題されることはあまりないので、その時点で間違えている可能性も高くなる。
 同手数になったら、使用駒数を確認しよう。
 例えば、もし③と④が同手数になり、④の方が使用駒数が少なく盤面配置面積も小さいとしたらどうか。
 もし解答が正しいとすれば、④が手前にならなければおかしい。すなわち、間違えているということだ。

6. 状況によって目標を下方修正せよ!
 90分間で、どのような時間配分で解けば良いか?
 まずは、比較的短手数である①②③までは完答を目指したい。

 a) 優勝を目指す場合 
 ①②③を15分以内(それぞれ3・5・7分)。④⑤が残っている状態で残り75分。あとは④⑤を解いた時点でどれだけ時間を余せるか。
 ちなみに2017年は①~⑤までで24分! 上記は「優勝を目指すための最低ライン」と考えてほしい。

 b) 5問正解を目指す場合
 ①②③を30分以内(それぞれ5・10・15分)。④⑤が残っている状態で残り60分。
 これ以上時間がかかってしまうと、5問正解は厳しいと思われるので、適宜目標を下方修正しよう。

 c) 4問正解を目指す場合
 ①②③を45分以内(それぞれ10・15・20分)。④⑤が残っている状態で45分。
 この状態から④⑤を両方とも解き切るのは厳しいが、どちらか1問だけであれば何とかなると思われる。
 どちらが解きやすいかを見極めて、そちらに全力を注ごう。
 
 d) 3問正解を目指す場合
 45分経過した時点で、①②③まで解けていない場合。残り45分。
 ④⑤をどうするか、3分以内に決断しよう。それぞれ1~2分眺めてみて(盤に並べては駄目)、筋が見えない場合は潔く捨てて、
 残り時間は①②③のうち解けていない作に投入する。とにかく30点確保を目指そう。
 短手数であっても盲点に嵌るといくら時間を掛けても解けないし、例外的に④や⑤が解きやすいことも有り得るので、判断は難しいのだが。

個人的には、出題作が易しい&最高に勘が冴えていれば b)。しかしその場合、早い人はもっと先を行っていることだろう。
現実的には c) のパターンか。 d) も普通に有り得る。

昨年はたまたま作意が見えたという作が結構あり、8作完答はどう考えても運が良かっただけという気がするが、今年も昨年と同等の点数を取れるように頑張ります。



  1. 2018/03/24(土) 20:00:00|
  2. 詰将棋解答選手権
  3. | コメント:4

詰パラ2018年2月号感想

既に10日たってしまいましたが、
祝 藤井聡太先生朝日杯優勝、六段昇段!
それにしても、前回の記事の時点ではまだ四段だったはずなのに。



今さらですが、詰パラ2018年2月号感想です。

■表紙
3手目あっちからだと詰まないのがアクセント。

■詰将棋学校
全校ともかなりハイレベルな印象。

【小学校】
◯作目は裏短コンに出品予定だった作ですか。

■第15回詰将棋解答選手権のお知らせ
チャンピオン戦、出場を申し込みました。
初級戦と一般戦は某会場で運営担当の予定。
しかし「関西プロ団体戦」なる企画をチャンピオン戦に被せた企画担当者には教育が必要ですね。

■持駒のある風景
山田氏作の手数は11手ではなく9手。解くだけでなく手数もちゃんと数えるべし。

■ちえのわ雑文集
原稿締切を過ぎてから提出したのでゲラの確認ができず、直したい箇所が多数。
・平均点の計算式は、√を寝かせて書いた方が良かった。
・作品紹介で、①と②は玉方の持駒も表示させたかった。
・先手玉を動かす手の表記は「◯◯王」でなく「◯◯玉」が正しいっぽい……。

■将棋パズル雑談
解答者40名オーバーはすごい。第ϻ回裏短コンより解答者が多いって一体……。
ちなみに今月の出題も面白いのだが、㉕は余詰ありとのこと。

■結果稿
11月は期末だったこともあり、全体にレベルが高かった。
【中学校】
中25、極上の出来。

【大学院】
院10、面白かった。特に桂→香の持駒変換部分が巧妙に出来ている。
どうしても「LCM」と比較してしまうが、「ヘミオラ」の方がわかりやすくなっている。

■ほっとのイチ押し!
<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月は、上記の原則を破ってこの作。
◇院4 添川公司氏作「内燃機関」
数え間違いや破調の見落としが無ければ800手台。しかし機構さえわかってしまえばそれほど難しくない。
なお、もう解いたという方は、次の設問も考えてみるべし(ちゃんと解けていれば答えられるはず)。
【設問】玉方82歩が「と」ではない理由を説明せよ。



  1. 2018/02/28(水) 18:00:00|
  2. 詰パラ感想
  3. | コメント:0

詰パラ2018年1月号感想

そう言えばいつの間にかカウンターが1万を越えていました。ありがとうございます。


今更な感じもするし、何よりM輪さんの想定どおりというのが非常に悔しいが、詰パラ2018年1月号の感想を。

■表紙
作意はひと目だが、変化の深さは作者ならでは。

■詰将棋学校
比較的考えやすい作が多かったか?
それはそうと、p6以降、盤の右側に縦に並んでいる漢数字が微妙にズレているのが気になる。
2月号では直っているが。

■結果稿
【保育園】
数字の直後に「!」を入れるのは、階乗記号と紛らわしいので避けるべき、という指摘をしたのは誰だったっけ。

【小学校】【中学校】
平均点のみで全てが決まるわけではないのは十分承知しているが、2.2点未満が2作はいただけない。
在庫が無いとも思えないので、良い作を厳選してほしい。
ちなみに双玉であること自体が評価に影響するわけではなく、双玉であることの必然性が感じられるかどうかが重要だ。

【短大】【デパート】
短20久保作とデパート③相馬作。どちらも変わった意味付けの連合。
特筆すべきは、合駒回数の最大化よりも全体的な完成度を重視している点。
もちろん両立するのが一番だが、そうでない場合にどちらを重視すべきなのか。
後世まで残るのは、完成度が高い方、のような気がする。記録よりも記憶。

■デパート出題
長谷川さんはいきなり波乱の幕開け? これは投稿で応援したいところだが……。

■ほっとのイチ押し!
<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート④ 広瀬稔氏作「わらしべ貧者」
何度見ても不思議。
こちらと比較してみるのも面白い。




  1. 2018/01/31(水) 23:50:00|
  2. 詰パラ感想
  3. | コメント:1

第ϻ回裏短コン 振り返り、集計結果、総評など

★ちょっと空いてしまいましたが、第ϻ回裏短コンの振り返り、集計結果、総評などです。


■手数・条件について
★今回の裏短コンの条件は、
 ・使用駒数(盤面+攻方持駒の合計枚数)11枚以上の5手詰
 ・タイトル必須
 ・「使用駒数(盤面+攻方持駒の合計枚数)15枚以上」の場合、ボーナスポイントとして平均点に0.1点加算

 というものでした。
 昨年までの流れを継続すれば、「盤面枚数11枚以上の11手詰」 となるところですが、何故この条件ではなかったか?
 これは、ニコ生でも触れましたが、次のような理由です。
 (1) 上の条件は詰パラ中学校などでも毎月のように出題されており、目新しい条件ではない。
 (2) 鈴川さんが5手詰をやりたいとつぶやいていた。
 (3) 解答者が11手詰×20作を解くのが大変。
 (4) 11手詰×20作の採点、解説が大変…と言うか労力が読めないので、とりあえずは短い手数にしてみた。

★やってみた感想としては、手数と労力はあまり関係ないかな、ということ。
 解説については手数が短い方が楽ですが、それよりも解説のネタ集めに時間が掛かっていました。
 それはそれで楽しかったのでいいんですが。

★ちなみに、当初は「使用駒数15枚以上の5手詰」でやろうとしていました。しかし、作品が集まらなさそうだったため「使用駒数11枚以上の5手詰」に変更。ただし、当初の条件で出品いただいた方のために「+0.1点加算」も付け加えました。
 なお、全20作中、使用駒数15枚以上の作は8作。条件を変更しておいて良かったです。

■ジョーカー予想
★そして今回の裏短コンでもう一つ新しい試みとして、名前は出ているが作品は出していない人物(ジョーカー) を1名用意し、解答者にはジョーカー予想もしてもらいました。
 なお、ジョーカー氏にはツイッター上でいかにも投稿したことを匂わせるようなつぶやきをしてもらっています。
 つまり、作者一覧に出ている人が「裏短コンに投稿した」などとつぶやいていたとしても、本当の出品者なのかジョーカーなのか区別がつきません。人狼ゲームっぽい状況で疑心暗鬼に陥るという要素を追加してみました。
★単なる思いつきでしたが、次のような意図もありました。
 (1) 5手詰なので、詰将棋を解くこと自体はそれほど難しくない。そのため、推理要素を用意した。
 (2) ジョーカーを予想しようとすると、必然的にそれぞれの作の作者も予想することになる。
   これを通じて、作品をよく観察することになり、作品の狙いなどをしっかりと汲み取ってもらえることに繋がるのではないか。
 (3)ニコ生での結果発表の際、最後の方の作は残っている作者が少なくなり、作者当てが簡単になりすぎる。
  特に最後の作は一択になってしまうので、これを何とかしたい。
★ジョーカーについては企画として成功したかどうかは微妙ですが、新しいことを気軽に試せるのもネット発表の良さでしょう。

★さて、そのジョーカーですが、
 鈴川優希さん
 でした!

名無し名人
ジョーカー予想は自信あり。
鈴川氏らしいタイトルと作品がないし、Twitterでの発言も怪しかった。
久保氏も怪しい発言をしていましたが、露骨に怪しすぎたのでフェイクでしょう(笑)
★この予想はさすがです。

三輪勝昭
ジョーカー予想=鈴川優希。
理由=ネームバリューのない作家だとこの企画の意味はないでしょう。
ブログ展に余り参加してない作家の方だとするとその人の作品を見てみたいとなるので、企画として逆効果でしょう。
鈴川君でなかったら柳原さんかと思います。
ただ企画として5手詰は作者予想がほとんど付かないので、作品を見て予想出来ないので、今回は考えても面白くなかったです。
★推理のやり方は名無し名人さんと随分違いますが、しっかり的中させてきましたね。
★この他、soga、青木裕一、占魚亭、竹中健一の各氏が的中! お見事です。

★なお、ジョーカー投票数は次のようになっています。
8票 久保紀貴
6票 鈴川優希
4票 相馬慎一
3票 三輪勝昭
2票 不透明人間 柳原夕士
1票 kisy ほっと オオサキ 梶谷和宏

★久保さんが最多票獲得。頼んでもいないのにジョーカー騙りのツイートで撹乱してくれました(笑)。

■最終順位
★改めまして、最終順位です。
優勝 2.868 「クロスホッパーズ」 久保紀貴
2位  2.865 「刺し穿つ死棘の槍」 ほっと
3位  2.787 「詰備会で作りました」 中山智希
4位  2.784 「偽りの鏡」 園川
5位  2.696 「銀の雪と金の月と桂の花」 竹野龍騎
6位  2.677 「積極性について」 soga
7位  2.669 「初手半分限定」 オオサキ
8位  2.620 「紫電一閃」 おかもと
9位  2.572 「ダブルミッション」 梶谷和宏
10位 2.526 「山の枯れ木」 奥鳥羽生
11位 2.519 「新聞紙」 三輪勝昭
12位 2.499 「捨駒の練習」 tsumegaeru
13位 2.457 「見上げてごらん」 ミーナ
14位 2.442 「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」 青木裕一
15位 2.430 「貧乏なコンビニ」 虹色のルモ
16位 2.336 「連鎖反応」 不透明人間
17位 2.328 「う、ざいこは セイリ ちゅう」 あたまかな
18位 2.301 「八方無碍」 kisy
19位 2.248 「?手詰」 相馬慎一
20位 2.177 「魂を売りました」 柳原夕士


★ただし、「使用駒数15枚以上の場合は0.1点加算」というルールがあり、上記はそれを加算した結果となっています。
 ではボーナスポイントを加算せず、純粋に平均点のみで出した順位は?(※上位5位まで)
1位  2.784 「偽りの鏡」 園川
2位  2.768 「クロスホッパーズ」 久保紀貴
3位  2.765 「刺し穿つ死棘の槍」 ほっと
4位  2.687 「詰備会で作りました」 中山智希
5位  2.677 「積極性について」 soga

★「偽りの鏡」がトップ! ベスト3予想でもかなり人気が高かったですが、今回は0.1点ルールの影響がかなり大きかったようです。

■順位予想的中者
三連単(1~3位順番)
的中者なし

三連複(1~3位組合せ)
竹野龍騎

馬単(1~2位順番)
的中者なし

馬連(1~2位順番違い)
園川、鈴川優希、オオサキ

ワイド(1~3位から2作)
竹中健一、まさ、kisy、名無し名人、三輪勝昭、らうーる、相馬慎一
★「偽りの鏡」がトップ3から漏れるというのが予想しづらかったようです。

■順位(0.1点加算なし時)予想的中者
★参考記録となりますが、ボーナスポイント加算なしの場合の順位に基づく予想結果も少し紹介します。
三連単(1~3位順番)
まさ
★これを完璧に当てるのはすごい!

三連複(1~3位組合せ)
らうーる、鈴川優希
★こちらもなかなか。

■ベストタイトル投票集計
1位   6票 「クロスホッパーズ」
2位   5票 「銀の雪と金の月と桂の花」
3位   4票 「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」
4位   3票 「紫電一閃」
5位タイ 2票 「連鎖反応」「新聞紙」

★ここでもクロスホッパーズが強さを見せました。
 ちなみに7位タイ(獲得1票)は9作。かなり票が割れました。

■作者予想の集計
★意味があるかどうかわかりませんが、全作の作者予想参加人数と的中人数です。
タイトル作者作者予想[人]的中[人]的中者
「見上げてごらん」ミーナ71竹野龍騎
「連鎖反応」不透明人間61奥鳥羽生
「う、ざいこは セイリ ちゅう」あたまかな72鈴川優希、名無し名人
「貧乏なコンビニ」虹色のルモ50
「魂を売りました」柳原夕士70
「紫電一閃」おかもと70
「何もかも新鮮だったあの頃には戻れない」青木裕一70
「八方無碍」kisy62soga、青木裕一
「初手半分限定」オオサキ91久保紀貴
「新聞紙」三輪勝昭80
「ダブルミッション」梶谷和宏61名無し名人
「山の枯れ木」奥鳥羽生51名無し名人
「詰備会で作りました」中山智希85soga、青木裕一、奥鳥羽生、久保紀貴、名無し名人
「積極性について」soga91虹色のルモ
「捨駒の練習」tsumegaeru70
「クロスホッパーズ」久保紀貴82soga、青木裕一
「偽りの鏡」園川122青木裕一、名無し名人
「刺し穿つ死棘の槍」ほっと90
「?手詰」相馬慎一71久保紀貴
「銀の雪と金の月と桂の花」竹野龍騎110

★全体的に予想しにくかったようです。


■総評
★最後に総評です。
有吉弘敏
超短編(5手)の創作は頗る難しいはずなのですが、凄いですね。
面白い作品が多く楽しかったです。
★次回は作者としても参加を!

梶谷和宏
いやあ、とても楽しかったです。2日間堪能しました。
★楽しんでいただけたようで。

竹中健一
ちなみに作者あては全く分かりません。
なかなか面白い裏短コンでした!
★作者予想をまったくしていないのにジョーカーをピンポイントで当てたのはさすが。

soga
5手でも様々なことが出来るということが分かりますね。作者予想はかなり迷走しましたが、ひとまず全記入しました。
★ジョーカーを見事に的中、作者は19作中3名的中。

占魚亭
ツイン(伝統&フェアリー)を投稿したかったのですが上手くいかず、解答のみの参加になってしまい申し訳ないです。
好作が多く、面白かったです。
★ジョーカー的中はお見事です。

kisy
5手詰なのに解きごたえが凄かったです。ジョーカーはツイートが本当だと信用して久保さんを選びました。
★そもそも自らジョーカーと名乗っている人物がジョーカーなんてありえないわけで。

名無し名人
作者予想はかなり難しかったです。
三輪作と奧鳥作は逆かも(作風からすると逆なんですが、三輪氏が僕らしい作品は投稿していないとブログに書いていたのでこの予想にしました)。
久保作とオオサキ作も逆かも(Twitterでの久保氏とkisy氏の会話が引っかかります)。
★作者予想は5名的中。これもさすが。

まつきち
毎回思うことですが、これだけの駒を使わないと実現できない狙いなのか、また十分推敲された産物なのかというのは気になります。
「裏」というからには「表」との対比があってこそではないでしょうか。単なる5手詰コンクールではこの時期に開催する意味が乏しいように思います。
もっとも11手詰が裏で20題、表で50題となると、解くのに骨も折れますが(笑)。
★推敲期間については難しい課題ではあります。そもそも表短コンも、もっと早い段階で発表してほしいところです。
 盤面枚数の多い11手を20作、って解く方も解説する方もかなり大変かと。
★次回は多分7手かな? 作家の皆さまは今から準備を。

hiro
ここ2年の実績から、「裏短コン」が今年もあるならば盤面11枚以上の11手詰と考えていましたし、それを見たかった気持ちもありますが、5手詰に光を当てる良い機会になったと思います。
20作、よくぞ集まったものです。
イベントを企画し、実現することが大変なのは、想像に難くありません。本当にお疲れ様でした。
★まあ頑張ったかと。

鈴川優希
後半にいくつかすごい作品もあり、5手詰にしては充分にマニアも満足できる内容だったと思います。
タイトルは、ほとんどは活かせてない感じがして残念です。ここが裏短コンの肝なのに……。
短評は多めに書くよう心がけました。「新聞紙」の短評を考えるのにいちばん時間かかりました 笑。
作者予想は存じ上げない方も多く、あとさすがに5手だと作風が出にくいこともあり、3人くらい当たればいいほうだと思ってます。
解答締切に遅れて申し訳ありませんでした。来年も期待してます。
★ジョーカー&ニコ生解説、お疲れさまでした。第n回・第φ回と鈴川さんがどれだけ大変なことをしてきたか身をもって理解しました。
★しかし「来年も期待」(もう今年ですが)とか書かれたら次もやるしかないような・・・・・・。




  1. 2018/01/17(水) 00:01:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
  3. | コメント:4

第ϻ回裏短コン「銀の雪と金の月と桂の花」

★少し遅れてしまいましたが、いよいよ最後の作です。


5位(ボーナスポイントなし順位:8位)
「銀の雪と金の月と桂の花」     【+0.1】
竹野龍騎
ura3_20_YukiTsukiHana_GoteMochigoma.png
35銀、
    23玉、24銀右、同銀、15桂まで5手。
    45玉、56金、同金、47飛まで5手。
    43玉、53桂成、同桂、65馬まで5手。


点数012345678910
人数00230533632

正解29 誤解0 無解3 評価無効2
得点2.696
人気投票 1位:1票 2位:2票 3位:1票
ベストタイトル投票:5票(2位)

★出題時「※本作は、5手詰×3通り(2手目から分岐)を解答してください。」という条件付きでした。
 盤面枚数36枚という大作ですが、果たしてどんな内容なのでしょうか。
★初手は35銀とします。逃げ場所は斜め方向に4通りですが、このうち25玉は26銀左、同桂、同とまでで駒余り。これは変化手順です。
 残りの23玉、45玉、43玉については、いずれも5手駒余らず。出題時の条件に沿って、この3通りを解答すれば正解となります。
★ちなみに、2手目45玉のときに57飛とするのは89と、が逆王手で逃れ。また、2手目43玉のときに72馬などとするのは93と、が逆王手で逃れ。この他にも駒を取る紛れがいろいろあります。読んだ方はあまりいないでしょうけど。

★さて、重要なのはここから。作者は何を表現したかったのでしょうか?
作者
バッテリーからの玉に接しない王手によるピンメイト3通り。バッテリーの軸駒でピンをする。ピンされる駒(金銀桂)はそれぞれ同種の捨駒を直前に取って移動する構成。作意は3通りの等位変化(変同)の全てで完全限定。劣位変化(2手以上早い変化、及び、同手数駒余り)が作意でないのは通常どおり。2手目は斜め4方向への玉移動のみとした。2手目45玉に、72馬、同と、87飛、89とで逃れ、の紛れは面白いかと思います。
タイトルは、3つの順の対照性を含め全て合わせて「作意」だとなるべく伝わるようにしたい。浮かんだのは「雪月花」で、金銀桂を明示し組み合わせて表題にした。
香合の余地はある方が良いと判断し、受方の持駒に香1枚残した。例えば初手47銀に35香合。配置は結構ギリギリかと。例えば次のいずれか1つで余詰む。41桂→61桂、62と→51と、68と→48と。

★まず2手目23玉の手順に着目すると「銀を捨てる」→「銀で取られる」→「その銀の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」という構成になっています。
★同様に、2手目45玉の手順は「金を捨てる」→「金で取られる」→「その金の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 そして、2手目43玉の手順は「桂を捨てる」→「桂で取られる」→「その桂の効きへの着手、しかしピンされているので取れず詰み」。
 という構成になっており、これらの対照性が狙いでした。

作者
(続き)元ネタはtttt20の拙作で、「この詰2012」の275ページに載っている(72歩は攻方)。また、本作もtttt20を満たしている。
★まず、ttttについて説明すると、「Tsumeshogi Theme Tourney on Twitter」、つまり、Twitter上での詰将棋課題コンクールです。
 お題はおもちゃ箱のこちらにまとめられています。
★さて、tttt20のお題は、次のようなもの。
【tttt20】
2手目に主要変化3通り。異なる等位の変化手順で、その詰め上がりはすべて異なるピンメイト。9手以下。ただしピンメイトとは、玉方の駒がピンされていることによって、最終手の駒を取れないために詰んでいる状態を指す。


★そして、これを満たした作がこちら。
■nta9eさん作 2011/05/03 (この詰2012 p275より)
ura3_20_YukiTsukiHana_Hosoku01.png
71銀、
    61玉、43角成まで3手。
    53玉、56飛 まで3手。
    73玉、85桂 まで3手。

★確かにtttt20を満たしてはいますが、これでは……。ということで、5手で作り直したのが本作でしょう。
 ピンする駒と同種駒の捨駒を入れることにより、ピンメイトが強調される作り方は参考になります。


松尾裕
作意は(3)(=2手目45玉)だと思う。 あれ、(2)(=2手目43玉)かな?

竹中健一
どこに逃げるのが作意なのか迷います…。一つ選べと言われたら、23玉のときの手順が好きかな!
★どれが作意か、という問いは愚問です。3つの手順を全部引っくるめて作意です。
 また、1つの手順だけ注目するのではなく、それぞれの手順の共通点や相違点を探すことにより、作者の表現したいことが見えてくるはずです。

林石
盤面を見てこれが5手詰!とも思いますが解いてみると、一作品で三度美味しい。個人的には金の月が好みです。

虹色のルモ
一つの盤面で同じ系統3つの詰将棋を、これは凄いしお得

kisy
1つで3度おいしい作品!

占魚亭
ピンメイト3種。お見事!

あたまかな
手順はだから?、見た目は好みでない。

まつきち
変化がすべて異なる手順構成というのは面白い。

上谷直希
解が3つ出揃うまで、どの要素で統一されているかに気付けなかった。なるほどなあ!

近藤郷
初手が3通りならいいが……
★それは専門用語で「余詰」と呼ばれています(笑)。

園川
これは相当面白い。2手目の玉の逃げ方3通りに対し、3手目は金銀桂いずれかの駒で王手、4手目は同種の駒でそれを取る。さらに3通り全てピンメイト。(まだ何か狙いがあるかもしれない)

らうーる
綺麗なタイトルだが、やってることはハンムラビ法典。

tsumegaeru
変化手順が全て統一的でよい。詰将棋にもツイン等があるけど、本作のように変同で表現するのが一番すきです。

おかもと
雪月花を織り込むなら、「銀の雪 金の満月 桂の花」とか、五七五で命名したい。
★個人的には「――と――と――」の並びが、リズムが良くないように感じました。自分なら読点かスペースにしたいです。

まさ
逃げ方によって3種類(X,Y,Z)の駒を捨て同X,Y,Zと取らせて、最終手その駒の効きに駒移動で詰み。
創作する側から見れば創作難度の高いテーマですが、解答側としては魅力を感じませんでした。

三輪勝昭
銀の時だけピン駒の空王手が出来ないので失敗作だね。
空王手が出来るのに、空王手をせずピン駒に使う3手詰3つを5手詰一つにするのは、ブログ展ならではの作で面白いとは思います。

オオサキ
2手目25玉はさておき、どの順もさすがにこんだけ使えばできるだろうという手順で、意外性はあまり。

相馬慎一
3解がただの足し算のように感じ、プロブレムからの移植としては成功してるとは言い難い。ただ、その意志は素晴らしい。

高坂研
これまたプロブレムっぽい構成。ただ、こういう風に3つの逃げ方に対してそれぞれバッテリーを置くのではなく(これだと3つの詰将棋を単に詰め合わせたように見えてしまう)、ひとつの仕掛けで3種類の詰め方が出てくるようにしたかった。
★皆さんなかなか手厳しい。
 3つの舞台がほぼ完全に分離しており、選ばれなかった2つの舞台装置が働かずに残ってしまう点は、消化不良な印象を持たれてしまっても仕方なし。

★さて作者予想ですが……「3通りを解答してください」という形式にしたことがミスディレクションとなってしまったようで。
奥鳥羽生
香・角・飛のピン。タイトルに応じた順序でないと不正解とか?(笑)(ほっと)

名無し名人
裏短コンらしい意欲作だけど、3通りの舞台がバラバラ(特に23玉の変化で必要な駒は他の変化では全く働かない)なのが気になる。作者予想=ほっと氏。

ミーナ
これはちょっともう、凄すぎてことばがでない。
思いつくだけでもすごいが、思いついても図化できる気がしない。
次元が違います。作者はほっとさん

soga
X、同X、空き王手(Xをピン)のトリプレットですね。なぜだかtttt5を思い出しました。
作者予想:ほっとさん
★tttt5は「2手目の変化4通りがstar-flight(玉がX方向に逃げる)。その変化は等位とする。9手以下」ですね。

不透明人間
変同趣向局
作者予想:ほっとさん

鈴川優希
雪月花、どれもはかなく消えてしまう。Xを捨ててX'をピンして開王手迄ってわけですね。2手目25玉の変化があることがちょびっと気になるかも。あとは、解答の書かせ方が主催者特権といったところでしょうか 笑。トリとしてはふさわしい気がします。
★ほっと予想の多さに苦笑。

梶谷和宏
こんな凄い作品考える人は誰でしょうか。相馬さんのような気がするのですが。しかし、何度眺めても凄い。だんだん凄さを通り越して笑ってしまいそうです。

青木裕一
同じ構成の3つの詰将棋をくっつけただけの感があります。tsumegaeruさん予想。

久保紀貴
初手、2手目がイマイチですが、その後の3手は綺麗な対比になっていると思います。
タイトルも洒落ていますね。
しかし、出題形式を変えるのは反則では……。
やるならタイトルに表示するものかと思っていました。
作者予想:soga
★作者予想は的中者なし。この詰2012をちゃんと読んでいればわかるかなと思いましたが。

竹野龍騎
課題意図は、必要な使用駒がより多いと吉(と解釈)。ほっと氏は「かえるのうたが(以下略)」の作者。……で、こうなりました。
★厳しめの短評もありましたが、普段ならやらないであろう大胆な構図と表現は、裏短コンのトリを飾るにふさわしい作でした。




  1. 2018/01/11(木) 23:00:00|
  2. 第ϻ回裏短コン
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