FC2ブログ

詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

第ч回裏短コン「scissors」

★お待たせしました、優勝作品の登場です!


優勝
「scissors」
有吉弘敏
ura4_14_scissors.png
87角、63玉、76龍、64玉、54馬、同玉、74龍まで7手。

点数012345678910
人数00000033489

正解28 誤解0 無解2 評価無効1
得点2.858
人気投票 1位:11票 2位:9票 3位:2票
ベストタイトル投票:1票

★詰パラでの出題作がほぼ例外なく高得点の有吉さん登場。
★18馬、36龍のバッテリーが気になりますが、初手いきなり34龍では65玉で全然ダメ。また、初手56龍は18龍、36角、45香合くらいで逃れ。初手に龍を動かすのは詰みません。
★初手は角を打ちますが、87角が意味深な好手。2手目の応手もいろいろありますが、
  ・同龍なら56龍以下。
  ・65歩合なら34龍まで。
  ・76歩合なら同龍、18龍、74龍まで。
 ということで、63玉が最善です。
★ここで、74に利かせる76龍が継続手。18龍なら73龍まで。また62玉なら73桂成以下。64玉が最善です。
★以下は54馬と捨てて74龍で詰み。初形と逆側にバッテリーができて両王手というストーリーでした。

★ちなみに、最初の投稿図はこちらでした。
ura4_14_scissors_Hosoku1.png
98角、74玉、87龍、75玉、65馬、同飛、76龍まで7手。
★6手目同玉、85龍まで、を作意にしたいところですが、85龍のところ84龍以下でも詰んでしまいます。
 そんなわけで6手目同飛が作意になっていますが、バッテリーの組み直しがテーマと考えると、6手目は是非とも同玉にしておきたいところです。
★また、4手目56飛!とされると、どうしても9手駒余りとなってしまいます。有効合とみなすかどうかは微妙なところですが、できればこのような受けは解消しておきたい。
★改善の余地あり、ということで手直しを依頼し、再投稿いただいたのが出題図です。

作者
手順の絶対性や、変化・紛れの設定や全ての駒配置の意味付けなどが明確になると共に、初手の限定打が捨駒にできた事で改善できました。選者の方には深謝しかありません。
85桂配置は83とにするか最後まで迷いましたが、左に追う不利感が多少なりともあればという感覚で本図にしています。
★最初の投稿図と比較すると、指摘した2点が解消されただけでなく、初手・3手目の味も格段に良くなっていることがわかります。
 この形で出題することができて本当に良かったです。優勝おめでとうございます。

まつきち
87角と18馬がハサミの両刃という意味でしょうか。あるいは変化の34龍との二つの両王手も?

野々村禎彦
右バッテリーで仕留めるはずが、左にもバッテリーを後から作りそちらで仕留めるマジック。
さらに右バッテリーの馬を捨ててトドメにする完璧な構成。
しかもこれだけの舞台を12枚で実現。手順にぴったりのタイトルも素晴らしい。
★タイトルは54でクロスする18馬と87角のラインをハサミに見立てたイメージでしょうね。

くじら
バッテリーの入れ替えですか。玉を5筋に配置したのも相まって,左右反転したように見えるのが面白い。

竹中健一
87角と76竜のセット技がうまいですね!

みつひさ
超絶技巧。夢のような手順。

おかもと
鋭鋏。

山下誠
これは凄い手順。大駒を動かす手が全て妙手。

馬屋原剛
限定打から龍を逆サイドに持ってきての両王手とうまくできている(既視感がなくもないが)

嵐田保夫
8七角~7六龍は絶妙の含蓄手順。

soga
逆サイドに出現したバッテリーで決める

大瀬戸
夢のような手順

園川
夢の手順が現実の盤上に出現した。

高縄山ろく
7手の構成として申し分ない。

NZ
87角~76龍がなかなか見えませんでした

占魚亭
バッテリーを組み換え、両王手で仕留める。動けぬ受方竜が泣いている。

★絶賛の嵐でした。
★さて作者予想です。

イキロン
中村雅哉作(確か)と比較したとき、本作は87角の強度が素晴らしいですね。無駄のない美しい作りで、〇〇氏と予想します。
作者予想:絶対優勝するマン
★中村氏作がよくわかっていないのですが、ちょっと違うような。

あたまかな
見た目は綺麗な仕上げの見本。
手順はセンス有るまとめは誉めるしかない。
作者予想は園川氏

青木裕一
限定打、利きを止める限定移動と密度の濃い作品。
作者予想は有吉さんと迷ったけど、園川さん。
★またしても二択を外してしまいました。

奥鳥羽生
右側のバッテリーが知らない間に左側のバッテリーに変わっているという妙。(馬屋原さん・有吉さん)
★複数予想は反則です(笑)。

三輪勝昭
バッテリーの入れ替えが巧妙な変化で創られているのが素晴らしい。
タイトルはピンと来ない。
僕なら組み替えを意味する言葉にするかな。
作者予想a=有吉弘敏作。
順位予想=優勝。
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)
★順位も含めて見事に的中。個人的には、タイトルは説明的なものよりもイメージ・雰囲気を重視したいです。

ルモ
右にバッテリーがあったはずなのに、左から両王手!?凄すぎ!かっこよすぎ!
作者予想:有吉弘敏氏

梶谷和宏
バッテリーを組みなおして、右側からではなく左側から仕留めるのか。これは高度な演出ですね。有吉さんですかね。

絶対優勝するマン
バッテリーを右から左に転換して両王手。初手は龍の利きに限定打。こうであってほしいという手順が見事に実現されている。作者予想は有吉(弘)さん。

太刀岡甫
捨駒として打った角のラインにピタッと着地する龍。馬を能動的に捨てて両王手と濃い内容で、創作難度はかなり高いと思う。
作者は有吉弘敏さん。

シナトラ
右にあるバッテリーが消えて左に。この狙いを7手で表現しようとした意欲と、実現した確かな手腕に賞賛の拍手を!
作者予想:最近絶好調の有吉氏
★奥鳥羽生さんを除くと9名中6名的中。わかるものなんですね。

★最後に、作者が似ていることを気にしていた作を紹介します。

■武島広秋氏作 詰パラ2017.7
ura4_14_scissors_Hosoku2.png
14馬、38玉、25龍、37玉、47角成、同玉、28龍まで7手。
★180°回転させればかなり似ていますが、こちらは最終手が開き王手となっており、そのため初手が捨駒にできません。
 一方、「scissors」は最終手が両王手のため、初手が龍の利きへの捨駒にすることができています。
 そういった観点から比較してみるのも面白いと思います。



  1. 2019/01/06(日) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:5

第ч回裏短コン「インスタント稲妻」

★正月気分が抜け切らないのは困ったもの。


5位
「インスタント稲妻」
太刀岡甫
ura4_13_Lightning.png
55角、同桂、67飛、同桂不成、59馬、同桂成、46龍まで7手。

点数012345678910
人数000031311811

正解29 誤解0 無解1 評価無効1
得点2.669
人気投票 1位:2票 2位:2票 3位:1票
ベストタイトル投票:2票

★詰パラの中学校担当、太刀岡さん登場。
★初手67飛は36玉で、66角が邪魔になっていて詰みません。そこで初手は55角。
 これに対して36玉なら85馬、76歩合、63馬まで。また2手目46歩合も同角~35とで詰みます。2手目は同桂と決まります。
★続いて67飛。36玉なら85馬~63馬で駒が余ります。また同桂成や47歩合は59馬まで。ここは59に利かせて同桂不成が最善。
 これに対しても構わず59馬とすれば、同桂成、46龍で詰みです。
★終わってみれば、大駒3枚が消えて46龍まで。そして、玉方桂の3段跳ね! タイトルどおりですね。

作者
勝つ気はありません。お笑い枠です。
★あれれ?

くじら
3連続捨ては気持ちいい。稲妻が一瞬にして通り過ぎていきました。

竹中健一
3連続のジャンプはまさに稲妻のようではありますね。

NZ
63の桂馬があっという間に59まで! 軌道もまさしく稲妻です

まつきち
これは楽しい桂の三段跳び。

大瀬戸
絡まった糸がほどけるような感触

有吉弘敏
順番に障害物を除いていく感覚。

占魚亭
邪魔駒消去と受方桂三段跳ねが連動。佳い。
★1・3・5手目がいずれも邪魔駒消去なのが一貫性があって良いですね。

みつひさ
初手がわかって、ニヤリ。タイトルも秀逸。

野々村禎彦
一目で見える配置とはいえ、玉方桂三段跳を最短手数で割り切った手順は高く評価したい。

おかもと
三躍。

梶谷和宏
7手詰めで桂の3段跳ねですか。よくやるなあ。

山下誠
桂馬の三段跳び。無条件に楽しい作品。

馬屋原剛
素直な手順

シナトラ
最終手に工夫があればなお良かった。

嵐田保夫
三段桂の頑張りも及ばず無念。

soga
受方桂の三段跳ねを最短で理想的に仕上げている。

林石
題名が大ヒントですね。

園川
流れで解けるけど、好みです。

高縄山ろく
岡田可愛のサーブを思い出す。
★「サインはV」で例えられてもわかりませんって。

★作者予想です。

ルモ
桂馬がぴょんぴょん楽しい作品
作者予想:青木裕一氏

あたまかな
見た目は関係ない作品
手順はサラッと巧過ぎる。
作者予想は相馬氏

絶対優勝するマン
単純な邪魔駒消去だけで桂の三段跳ねが実現している不思議。作者予想は馬屋原さん。

奥鳥羽生
桂の三段跳びという構想作であり、桂の三段跳びという趣向作である。(三輪さん)

青木裕一
狙いはひとめ。変化をちゃんと読むと、上手く作られていることが分かります。
作者予想は太刀岡さんと迷ったけど、有吉さん。
★残念、またも二択を外しました。

イキロン
ありがちな感じがしたのですが、実は前例がなかったりするのでしょうか?
作者予想:太刀岡甫
★7手で玉方桂の3段跳ねで、大駒3連捨てになっているのは前例なしのようです。

三輪勝昭
3連続大駒捨て+桂三段跳ねは爽快。催しものには良い作品。
作品にピッタリのタイトルだけど、なくても狙いは分かるのでベストタイトルには投票せず。
作者予想b=太刀岡甫作
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)
★7名中2名が的中。意外と当たるものですね。

★最後に、桂の3段跳ねを実現した作を2作紹介します。

■伊藤看寿作 将棋図巧 第50番
ura4_13_Lightning_Hosoku1.png
45角、同桂、37飛、同桂不成、49角、同桂成、17龍、38玉、37龍まで9手。
★9手で桂の3段跳ねを実現した、なかなか現代的な感覚の作。
 ちなみに作意9手に対して、2手目に同と・36歩合・38玉のいずれの変化もかなり長いです。当時は問題なかったわけですが。

■小林敏樹氏作 詰パラ1990.12
ura4_13_Lightning_Hosoku2.png
45角、同桂、49馬、57桂不成、37歩、49桂成、36歩まで7手。
★7手で桂の3段跳ねですが、4手目が不成移動中合になっていて派手な仕上がりです。



  1. 2019/01/05(土) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:2

第ч回裏短コン「寄せてはかえす」

★三が日が終わってしまった。


11位
「寄せてはかえす」
ルモ
ura4_12_ComeAndReturn.png
35飛成、53玉、72角成、56と、33龍、同馬、54馬まで7手。

点数012345678910
人数02045274301

正解29 誤解0 無解1 評価無効1
得点2.454
人気投票 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:2票

★本ブログにもよくコメントいただいているルモさん登場。
★初手43角成は取ってくれれば詰みますが、45玉と逃げられて詰みません。とすれば初手は35飛成の一手。
 53玉に、32角成は63玉で逃れ。72角成とするのが当然ながら好手で、64玉なら55龍を見ています。
 56とには33龍として、64玉なら73馬がぴったり。作意は33同馬ですが、54馬で詰みとなります。
★実は4手目にちょっと問題がありました。詳しくは後述します。

★さて、本作の狙いとタイトルについてです。「寄せてはかえすもの」と言えば、まずは『波』が浮かびます。
ura4_12_ComeAndReturn_Hosoku1.png
★初形は何となく正弦波のようにも見えます。そして、波は英語で Wave ですが、手順の方では「寄せてはかえす」をWで実現しているのです!
★これも手順をよく観察してみるとわかりますが、初形の33飛と54角が成って戻っています。「行って戻る」のは専門用語でスイッチバックと呼ばれます(成駒になったかどうかは不問)が、タイトルは初形と手順の両方を表しているわけです。なかなか深いですね。

作者
攻め駒2回のスイッチバックと波型の初型が趣向。
1枚は大駒捨てを入れようと思いこの順にしました。
行って戻っての手順を波に見立ててこのタイトルです。
それほど大層な順では無いので名前負けかも。
7手でぎりぎり表現できる趣向として選びました。
不成に出来るとカッコ良かったと思うのは贅沢?
★飛角の不成は打歩を絡めないといけませんが、7手では歩を打つ暇がありません。先手玉の打歩詰絡みでやろうとしても相当難しそうです。

林石
成って帰っての反復が7手という手数にしっくりきます。

園川
飛車と角が成ってスイッチバック。

占魚亭
飛と角のスイッチバック。シンプルながらも上手い。

みつひさ
7手でWスイッチバックだと・・・・・・!?

まつきち
攻め方の飛角が元の場所に成り返る。

soga
大駒が成って戻ってくる(※龍はいなくなる)

大瀬戸
タイトルも相俟っておしゃれ

NZ
寄せてはかえす波のように玉を追い詰める手順ですね

おかもと
二波。

嵐田保夫
龍のダイビング一発。

有吉弘敏
中合の筋を読んでしまったが、作意は素直。

野々村禎彦
自然な手を続ければ詰むので物足りないが、72角成限定は評価ポイント。

梶谷和宏
難しそうな配置だが、手順はいたって正しい詰将棋。

竹中健一
手順は平凡

くじら
4手目54合だとどうなるんですかね?スイッチバックが狙いかな?

馬屋原剛
ダブルスイッチバックだが、4手目54合で変同なのが痛い
★はい、ここが問題。4手目に54桂合または54香合とされると、33龍と行くしかなく、そこで64玉と逃げて73馬まで変化同手数。
 また、4手目に55飛合!とされると、9手駒余りになります。こちらは同香、54合、33龍以下で詰むので無駄合と解釈して良さそうですが、やっぱり気になるところです。

山下誠
最後の2手は期待外れ。
★4手目54桂合、33龍、64玉、73馬までの解答でした。これだと狙いのダブルスイッチバックが出て来ないため、狙いが伝わらなくなってしまいます。こういうことがあるので変同は避けたいのですね。

高縄山ろく
今時は中合を動かさない。
★4手目55桂合の解答でした。かなり悩んだ末に正解扱いにしましたが。

★さて作者予想です。

あたまかな
見た目はアート作品風で美しい。
手順はリズミカル。
作者予想は有吉氏

青木裕一
Wスイッチバック。タイトルがなかったら見逃したかも。
作者予想は太刀岡さん。

太刀岡甫
飛角が裏返って元の位置に戻る。地味ながら角成は限定で、無駄手なく7手ぴったり。易しいため軽く流してしまいそうだが、じっくり鑑賞すべき作。
作者は野々村禎彦さん。

絶対優勝するマン
第一印象は単なる手筋物だったけど、後でスイッチバック2回の狙いに気付いた。ただ初手が弱いか。作者予想はくじらさん。

三輪勝昭
最後の64玉の変化は良いけど、練りが不足している。
作者予想d=くじら作。
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)

イキロン
ダブルスイッチバックですが、肝心の手順がちょっと面白味にかけるかなあという気がします。
作者予想:ルモ

シナトラ
初形象形とダブルスイッチバックが狙いか。
作者予想:ルモさん
★7名中2名が的中……ですが、ひょっとして作者から聞いてたりします?

★ちなみに、ルモさんはスマホ詰パラの発表作なども含め、タイトルは7文字にしているそうです。このことと、昨年の裏短コンの発表作が象形だったことを思い出せば、作者を当てるのはそれほど難しくなかったのでは?

★最後に、11手でトリプルスイッチバックを行う作を紹介します。

■山田康平氏作 詰パラ2014.12
ura4_12_ComeAndReturn_Hosoku2.png
54馬、33玉、43龍、24玉、15馬、35玉、
36馬、同玉、37馬、同玉、47龍まで11手。

★変化処理も含めて最小限の駒数で実現しているのはさすがです。



  1. 2019/01/04(金) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:2

第ч回裏短コン「強肉弱食」

★やるべきことがなかなか進みません。


7位
「強肉弱食」
シナトラ
ura4_11_StrongWeak.png

56飛、同玉、57香、65玉、66飛、同玉、67香まで7手。

点数012345678910
人数00114524524

正解29 誤解0 無解1 評価無効1
得点2.621
人気投票 1位:1票 2位:1票 3位:3票
ベストタイトル投票:2票

★高校生作家、シナトラさん登場。スマホ詰パラでは24作を発表しています(2019/1/3現在)。本名名義では詰パラ本誌にも登場しており、今後の活躍が期待されます。

★さて、7手詰で持駒が4枚ならば全着手が駒打ちです。しかし初手56香では44玉で、35からの脱出が防げません。
 そもそも香から先に使うのでは当たり前すぎて詰将棋にならないし、タイトルから考えれば飛車から使うのは明らかなわけですが。
★というわけで作意は56飛。44玉なら54飛打、35玉、24馬で詰み。また64玉なら63飛以下、65玉なら66飛打以下です。
 同玉の一手に、57香と打ちます。65玉と逃げますが、ここで66香では74玉で逃げられます。再び66飛と飛車から使うのが当然ながら好手で、74玉なら63飛成まで。同玉に67香と打てば詰め上がります。

作者
「エセ飛先飛香ダブル」とでもいうべき作品。先に飛車を打つ意味付けを、共に飛車の横効きに求めたのは安直というべきか。
見え見えなのは仕方のないところだと思っています。

★7手では前例はないはずです。
★タイトルについてのコメントはありませんでしたが、
 普通の四字熟語は「弱肉強食」=弱いものがエサとなり、強いものが生き残る
 それに対し、「強肉弱食」=強いもの(飛)がエサとなり、弱いもの(香)が生き残る
 ということで、なかなか手順に相応しいタイトルとなっています。

★ちなみに元ネタはこちらでしょうか。

■三輪勝昭氏作 詰パラ1979.2
 作品集「幻の城」第1番

ura4_11_StrongWeak_Hosoku1.png
24飛、同玉、25香まで3手。

高縄山ろく
舞台と演題で全てわかる。

NZ
弱い駒から打つとかわされて詰まないから強い駒から捨てる、結果生き残るのは弱い駒、ということですか

園川
飛車2枚をエサにして香車2枚で捕まえる。

奥鳥羽生
飛を捨て香を打つ(いわゆる飛先飛香ではない)ことを表現したということで、一つの構想作。

大瀬戸
槍の威力を発揮

占魚亭
うお、連続飛先飛香!

まつきち
打歩に関係のない飛先飛香を2セット。ただしあまり不利感はない。

soga
楽しい手順と、よく考えたら高度なテーマ

林石
先に香を打ってみて配置に納得します。
★紛れも含めて鑑賞してみると、余詰対策がなかなか大変なことがわかります。

有吉弘敏
わかりやすいが意志を感じる。

竹中健一
飛が嫌いなの?簡単に捨てちゃうなんてもったいないw

くじら
これはいいですねー優勝ですか

みつひさ
感動した。大袈裟でなく、将棋をやっていて良かったと思った。

野々村禎彦
飛を捨てて香で留める、角筋ピンを生かした手順の繰り返し。変化が素直なので驚きはない。

おかもと
対対。

山下誠
打歩詰に無関係な飛先飛香2回は珍しい?

馬屋原剛
2回とも変化に備えて飛を先に捨てる。発想が面白い。

嵐田保夫
配置の苦心が偲ばれる。
★配置は平行移動したりすればもう少し減らせそうですが、そのような技術は作っていれば身についていくでしょう。
 何より、やりたいことをやる、これが一番です。

★さて作者予想です。

あたまかな
見た目は都玉で良い感じ。
手順はタイトルと合わせ「なるほど」だが納得はするが驚きはしない感じ。
作者予想は三輪氏

絶対優勝するマン
疑似飛先飛香を3手詰で行った三輪勝昭作や青木裕一作を思い出すけど、2回となると相当難しいのか配置に苦心の跡が…。作者予想は青木さん。
★青木さんは昨年の解答選手権の初級戦で出していました。
 →第15回 詰将棋解答選手権初級戦 出題作品 ④番ですね。

三輪勝昭
飛短打、香打の繰り返しは創作課題として面白く、結構創作難易度高い?
催しものとしてはよく出来ている作品。
作者予想b=馬屋原剛作。
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)

青木裕一
2回ずつの限定飛単打と飛先飛香が効率的に実現できていて上手いです。
タイトルと内容の感じから馬屋原さんが作者だと予想します。

梶谷和宏
ダブル飛先飛香が7手で成立するなんて凄すぎる。有力な優勝候補ですね。これは馬屋原さんでしょう。
★馬屋原さんの予想が多かったです。

ルモ
飛先飛香もどきの2連発、香車から打ちたくなるよね、7手で持ち駒4枚の異色作
作者予想:シナトラ氏

太刀岡甫
短打に対して逃げたときの詰まし方に味がある。飛先飛香としては低級だが、繰り返したので作品になっている。駒の置き方は雑だが、むしろ裏短コンらしい。何より作者が楽しんで創作しているのが伝わってくる。
作者はシナトラさん。

イキロン
配置に未整理感はありますが、テーマが明確なので好印象です。
作者予想:シナトラ
★8名中3名が的中。ただしイキロンさんは作者から聞いたとのこと。ズルはいけませんねえ。

シナトラ
自作です。持ち駒2種4枚の大ヒント。もう少し練ればよかった。
★7位は大健闘と言って良いでしょう。

★最後に、作者の最近のスマホ詰パラ発表作から1作紹介します。

■シナトラさん作 スマホ詰パラ 作品No.12261 (2018.12.23出題)
 「間接消去とリフレイン」(改良図)

ura4_11_StrongWeak_Hosoku2.png
36飛打、25玉、26飛、15玉、16飛、25玉、26飛左、35玉、
36歩、34玉、35歩、同玉、36飛、25玉、26飛右、15玉、
16歩、同角、同飛、25玉、43角、同角、26飛右、15玉、
16歩、同角、同飛、25玉、43角、34角、同角成、同歩、
26飛左、35玉、53角、44歩、同角成、同桂、36歩、同桂、
同飛、25玉、17桂まで43手。

★それほど難しくありませんが、角を剥がす前後も雰囲気を保ったままうまく手を伸ばしています。
 いろいろなタイプの作を発表されており、今後も期待大ですね!



  1. 2019/01/03(木) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:2

第ч回裏短コン「天と地と」

★記事の投稿時刻をリセットして、裏短コンの解説を再開します。


4位
「天と地と」
絶対優勝するマン
ura4_10_HeavenEarth.png

61角、44玉、79角、53玉、97角、同飛成、65桂まで7手。

点数012345678910
人数00010149751

正解29 誤解0 無解1 評価無効1
得点2.715
人気投票 1位:1票 2位:2票 3位:4票
ベストタイトル投票:7票 (1位!)

★謎の作家、絶対優勝するマンさん登場。
★14龍・24角の配置から、角を開く手が考えられますが、43~52に逃げ込まれるとまずいようです。
 そこでこのラインに角を打ちますが、作意は61角。52角では後で玉が53に来たときに困ります。
 44玉と逃げる一手ですが、さて3手目、角を13~79のライン上のどこに開くか?
★正解は79角の最遠移動! 53玉に97角の活用を見た手でした。同飛成と飛の利きが逸れたところで、65桂と跳ねて詰みです。
★変化・紛れはそれほど深くはありませんが、9×9の広さをいっぱいに使用した構図の取り方や巧みな配置はさすがです。

作者
本作のポイントは77桂、95飛配置の都合の良さです。
この手の最遠角引~転回は5段目の玉で行うのがポピュラーだと思います。
4段目で実現した作品といえば、最近では詰パラ2016年8月号鈴川優希作(半期賞)が記憶にありますが、この作品は8段目角引を防止するためだけの37とを置いています。
本作は8段目角引防止の77桂を最終手で跳ねるという都合の良さが売りです。
ただ、この素材は誰かが作っていそうな気がして、新作といえる自信がありません。
初手は付け足しですが、小林敏樹の61角~39角が頭をよぎりました。
95飛を龍にするかは意見が分かれるところだと思いますが、個人的には最終2手の成生非限定はキズにならないと考えており、それよりも95龍にした場合の6手目86合の方が気になるので95飛派です。

★コメントにも拘りを感じさせます。
★タイトルについてのコメントはありませんでしたが、最上段(天)に角を打つ手と、最下段(地)への角の開き王手が出てくるということでしょう。
 ちなみに「天と地と」は、海音寺潮五郎の歴史小説で、上杉謙信を描いたもの。大河ドラマ化や映画化もされています。
★順位こそ4位でしたが、総じて好評でした。また、タイトルも好評で、ベストタイトル賞を獲得しました。おめでとうございます。

みつひさ
これはわかっていてもニヤリとせざるを得ない。素晴らしい。

占魚亭
天に打ち、地へ移動。角二枚のリーチを活かした上手い構成。

馬屋原剛
天と地にそれぞれ最遠打と最遠移動。巧い。

soga
75より遠くへ転回するための最遠移動!

竹中健一
いかにもという最遠移動が目に浮かぶ作品。手順も予想通り。

野々村禎彦
77桂のストッパーがあるので最遠打~最遠移動は迷わないが、それを動かして11枚は見事。

おかもと
角回。

山下誠
盤面をいっぱいに使った角の展開は快感。

シナトラ
角の最遠打と最遠移動を明確に表現。95龍には出来ないのが惜しい。

嵐田保夫
地獄突き。

大瀬戸
指がしなる97角

林石
最遠打に最遠移動は胸がすきます。

くじら
ダブル遠角が面白い。最後まで綺麗ですね

高縄山ろく
潔癖だからこそ読みやすい。

NZ
タイトルは2枚の角の対比でしょうか。あえて取られにいくのがいいですね

★作者予想です。

ルモ
タイトル大ヒントで大好き、手順も面白い、感謝
作者予想:梶谷和宏氏

あたまかな
見た目はセンスの良さは隠しようが無い。
 (^^)隠してないから、ガチ組だから。
手順は巧いしタイトルも才能有り。
作者予想はおかもと氏

奥鳥羽生
タイトルのごとく大きな動きに魅力あり。「遠打or遠開き~転回捨て~止め」の角桂バージョン。(太刀岡さん・有吉さん)

イキロン
上下の最遠打/移動を鮮やかに表現。どちらか片方だけなら構図含めて類例がありそうですが、ダブルになっているところを買います。
作者予想:有吉弘敏

有吉弘敏
角の転回物は好きです。奥鳥氏と予想。

園川
限定打&限定移動。作者は奥鳥羽生さん?

梶谷和宏
雄大な構想ですね。タイトルから79への最遠移動を確信しました。奥鳥羽生さんではないでしょうか。

太刀岡甫
盤面の大きさに関する感覚が優れている。77桂配置が絶妙で、全体的にシンプルに纏まっている。この程度の成生非限定を気にするのはまだ少数派の印象だが、龍にできるのでそうしたいところ。
作者は奥鳥羽生さん。
★95飛を龍にするかどうかはやはり意見が分かれます。

まつきち
遠打、遠移動で角も捨ててキレイに決まりました。
これは奥鳥羽生さん?

青木裕一
詰手順はひとめですが、狙いを実現するための駒効率がいいですね。
作者は限定打が好きな10月生まれの人と予想。

三輪勝昭
構図的には巧く79に限定させてはいるが意外性はゼロになっているかな。
作者予想b+=奥鳥羽生作。
(a=自信あり、b=もしかしたら当り、c=当てずっぽう、d=参考にする作品がない作家)
★的中者なし。これは仕方なしでしょうか。

★最後に、作者コメントにもある、小林氏作を紹介します。
■小林敏樹氏作 詰パラ1988.4
 現代詰将棋短編名作選 第138番

ura4_10_HeavenEarth_Hosoku1.png
16香、25玉、61角、35玉、39角、44玉、35龍、同玉、17角まで9手。

★3~5手目が、「天に打ち、地へ移動」の手。また、さりげなく初手も限定短打で、19香は17歩、同香、25玉とされ、最終手が指せません。スケールの大きさとストーリー性を兼ね備えた名作です。



  1. 2019/01/02(水) 00:01:00|
  2. 第ч回裏短コン
  3. | コメント:2
前のページ 次のページ

お知らせ

第ч回裏短コン解説記事を順次発表中!

プロフィール

ほっと

Author:ほっと
詰将棋作家を名乗るには発表作が少なすぎ。
評論家を名乗るには実績が無さすぎ。

カレンダー

12 | 2019/01 | 02
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

FC2カウンター

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
考察 (14)
第ч回裏短コン (24)
第ϻ回裏短コン (27)
詰パラ感想 (24)
詰将棋解答選手権 (13)
発表作 (5)
詰将棋全国大会 (8)
会合参加記 (1)
勝手に解説 (1)
チェックリスト (0)
その他 (5)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する