需要があるかどうか不明だが、年賀詰の解答を。
2023年 年賀詰 ほっと
A76金、同成香、B55角、イ66成香、C同角、86玉、
D88龍、ロ87銀不成、77角、75玉、65飛、74玉、
76香、同銀成、63飛成、同銀、84金、75玉、
85龍、同馬、87桂、同成銀、66金まで23手詰。初手からかなり紛れがある。A67飛も有力だが、86玉の後、
・88龍は87馬、同飛、同銀成、76金、96玉…となって逃れ。
・76金は同成香、同成銀、同玉、66飛、77玉…となって逃れ。
また、A76成銀は同成香、同金、同玉となり、
・66飛は77玉で逃れ。
・79香は77歩合くらいで逃れ。
これらの紛れでは19角が使えていない。したがって、初手から76金、同成香、55角と進めて途中図1。
(念のため、3手目B76同成銀はA76成銀と同様に逃れ。そもそもこれらの手順では75が成銀である必然性がなく、作意のはずがないわけだが)
■途中図1 (3手目55角)
さて、ここでの応手は?
イ-1 66歩合は76成銀、α同玉、66飛、85玉、77桂、95玉、96飛、同玉、98龍以下。
α87玉は88香以下。
イ-2 86玉は76成銀、β95玉、65飛、85香合、77角、γ86金合、同成銀、同馬、同角、同玉、88龍以下。
β76同玉は66飛以下、前述の変化とほぼ同様。
γ94玉は85成銀、同馬、95香以下。
γ86香打は87桂、94玉、85成銀、同馬、95香以下。
これらを踏まえて、66成香!の移動捨合が妙防(途中図2)。
■途中図2 (4手目66成香)
これに対し、C76成銀は87玉と躱され、変化イ-1αとは異なり香が入手できていないので詰まない。
このためC66同角と取るしかなく、そこで86玉として途中図3。
■途中図3 (6手目86玉)
D76成銀は同玉で、66飛と行けないため逃れ。これが成香を捨合した理由だ。
このため別の攻め方をする必要がある。と言っても答えは簡単で、88龍とするのが作意。これに対し、
ロ87歩合は77角、75玉、65飛、74玉、76香まで。
ロ87馬は78桂、95玉、77角以下。
これらを踏まえて、76に利かせる87銀不成が正解。75成銀は銀を品切れにするための配置だった。
以降はそれほど難しくないはず。
■詰め上がり図
令和5年の「5」、23手詰。
左に寄っているのはロ95玉の変化を詰ませるため。
創作の経緯としては、8手目を成立させるために左に寄せて成銀を配置せざるを得なくなり、どうせならといじっていくうちに成香の移動捨合が入ったという話。
仕上がりを犠牲にした分、手順はなかなかだと思う。が、炙り出しとして正しい作り方なのかは疑問符かも。
- 2023/01/09(月) 00:01:00|
- 年賀
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謹賀新年本年も
詰将棋考察ノート をよろしくお願いします。
■2023年 年賀詰 (ほっと 作)
※65は玉方の成香、75は攻方の成銀です
今年は炙り出しにしました。20手台ですが、かなり難解なのでご注意を。
4手目と8手目がポイント。これらを強引に入れた結果、配置や仕上がりなど、いろいろ犠牲にしています。
〆
- 2023/01/01(日) 00:01:00|
- 年賀
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ブログ更新をサボっていたら記事の書き方を忘れてしまった。
改めて、今年の活動を振り返ります。
①詰パラ 大学院
添川氏に頼り過ぎている感はありますが、選題についてはまずまずだったと思います。
解説はもう少ししっかりやらないと。
②作品発表
・スマホ詰パラ 1作
・YouTube詰コン
・一応ここで年賀詰も。
いずれのコーナーも投稿すれば必ず採用なので、入選とは言えません。つまり入選はゼロ。
来年は入選を目指します。
③解答
・おもちゃ箱推理将棋は第146回(1月出題分)の解答を出しそびれる。それ以降は第156回まで多分全題正解。
・密かに解答している詰パラの推理将棋雑談はNo.79を誤解。
・YouTube詰コンは全題正解。
・Web Fairy Paradise の透明駒の回に解答を出していた。
惰性で続いていた解答以外はほとんど新規開拓もできず。来年はもう少し増やしたいです。
④その他
実は全然会合に参加できていませんでした。来年はもう少し参加数を増やします。
あとブログの記事も1ヶ月に1回以上のペースで書こうと思います。
〆
- 2022/12/31(土) 00:01:00|
- その他
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前記事の続きです。
■No.21 風みどり『深謀遠慮の不成。』
2手目13歩合はちょっと気になりますが、無駄合で良いでしょうね。
■No.22 猫吉『27香が28だと58馬が作意になる?』
変同が多くなるものの、58馬を作意にする方が良かったと思います。
■No.23 芹田修『中田章道先生っぽい。』
作者当て正解。
ちなみにこんな作があります。
中田章道短編詰将棋代表作 57番
■No.24 カワセミ『曲詰っぽくてそうでもない?』
曲詰を期待させてそうでないと、少しがっかりします。勝手に期待して勝手に失望するなという話ですが。
■No.25 柳原裕司『綺麗な手順。』
作者当て正解。駒数少なめで綺麗に作られているし、まあ当たりますよね。
■No.26 駒井めい『創意は感じられる。』
作者当て正解。これは完全に嗅覚。
■No.27 天月春霞『うまくできている。それだけに3手目が緩いのが気になる。』
95角の配置がうまく、初手の限定打や84角捨てが自然に入っています。
■No.28 齋藤光寿『変化もボリュームたっぷり。』
これは難しかった。
■No.29 上地美香『四重ピンメイト。有名作家の気もするが、さて真相や如何に。』
しれっと作者当て正解。これも嗅覚頼り。
■No.30 馬屋原剛『どこかで見た気がするが、うまくできている。』
個人的には、そこまで高評価とは思わなかったです。というのは下記2作と比較すると、2手長いという印象が拭えないので。
詰パラ2015年12月号 中村雅哉氏作
30_詰パラ2017年4月号 上谷直希氏作
■No.31 松θ拓矢『よく似た作が発表されているので、どうしても焼き直しに見えてしまう。』
ちなみに結果発表で、「斜め後方への連続ペレは前例なし」と言われていましたが、前例はあります。
発表されたのはProblem Paradiseのブログで、2010年02月04日の記事の山田嘉則氏作。
残念ながら発表されたブログはZAQのサービス終了に伴い消滅。
文章だけは見つかったものの、図面が見られません。
https://web.archive.org/web/20160714191818/http://blog.zaq.ne.jp/propara/article/45さあ、手順と解説を元に盤面を再現してみるべし。
ブログの引っ越しなどをせずに放置しているpropara氏の罪は決して軽くないと思う。
【追記】図が判明。なお詰パラ2020年2月号p33にも掲載されている。
http://twitpic.com/4fz1yc■No.32 金少桂『2手目75金合は変同?』
変同はともかく、やはり原亜津夫氏作の劣化版に見えてしまうのが痛いところ。
それはそうと、余詰の誤指摘をした短評があったが、いかんでしょ。
■No.33 馬方四季 「流れ星の作り方」『美しい手順。優勝おめでとうございます。』
優勝はこれしかないでしょう、とは思いつつもよく考えると大胆な短評。
ところで、玉方の4手が「合駒A→合駒B→Aが移動→Bが移動」という作は、下記があります。
2019.11 第5回裏短コン 太刀岡甫氏作「ボンバーマン」
これと比べても、形があまりに洗練されていて驚かされます。
ともかく、ikiron氏は一刻も早く解説を!
■No.34 kisy 「SBR」『全手順馬の最長手数記録らしい。こんなところで記録作が。』
限定させるためには必須とは言え、11香や99飛などの強引な配置はやっぱり気になります。
作者当て正解。
■No.35 keima82『「桂の開き王手に対して龍で根元を取る」×4。なかなか凄いことをやっている。』
もっと評価されていいと思いましたが。
作者当て正解。
■No.36 さつき『もう少しうまくできそうな気がするが。』
No.27と被ったのも痛かった。
■No.37 大平和人『合駒を見届けてから攻方玉を開く。態度保留…なのかな?』
まあ3手目は47香の方が自然なので、意外性は薄いですが。
■No.38 藤原俊雅『とても良い出来。』
短評が雑なのは多分疲れていたから。
作者当て正解、とは言えツインなら作者はほぼ一択なので、外しはしないです。
こんな感じでひととおり振り返ってみました。
「解答発表後、自分が書いた短評を振り返る」というのはあまりなく、解いた時には気付いていなかったことに気付かされることもあるので、強豪解答者のT氏などにも是非お願いしたいですね。
改めまして、主催の天月春霞さん、素晴らしい企画をありがとうございました!
〆
- 2022/10/24(月) 22:00:00|
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既に2週間前となってしまいましたが、第2回YouTube詰将棋コンテストの結果発表が行われました。
いろいろと爪痕は残せたので、簡単な感想を。
・全38作を解くのはなかなか大変。とは言え詰パラ本家の短コンは50作なので、それと比較すれば楽な方かも。
・作者予想は(自分は入れずに)19作予想して9作当たり。有名作家を外しまくりだった一方で、割と適当に予想したところが当たっていたりと、予想屋としてはいまいちな出来でした。
あと17作を適当に埋めたら1作くらいは正解になった可能性もありますが、根拠なしの予想は気が進まないのでしません。
ここからは、各作品と、自分の短評の振り返りをしてみたいと思います。
■No.1 はいーの『誰でも一目で解ける作は貴重。』
改めて見直しても、これが一番解きやすそう。また、各作品の並び順はかなり意図的と思われる。
■No.2 横山直樹『頑張ってあと36枚使いましょう。』
よく考えたらこれだと40枚使用になるやんけ。「~35枚~」が正しかった。
いや、実はこれ『盤上に36枚配置しましょう』と書くか迷った挙句、簡単な表現にしたつもりだったが、枚数をそのままにしてしまったという話。
■No.3 「Good Night」 ゆう~ん『初形が面白い。』
初形曲詰で不要駒なしにするのはそれなりに技術が必要。その点はよくできています。
■No.4 springs『とりあえず13飛成~43龍として、あれれ? となったのは私だけではないはず。』
3手詰としては出色の出来。
■No.5 「бを超える数」 裏短コン解説待つ『ネタっぽいようで、割と出来が良い。』
作者当て正解。まあこれは予想できる……が、実際のところ誰なのでしょうか。
ともかく、ikironさんは一刻も早く解説を再開すべき。
■No.6 緑羽『炙り出しのようだが、飾り駒を置いていては…』
まあ余分な駒を置いちゃ駄目ですよね。
■No.7 しのぶ『3手目を駒取りにしないように工夫してみよう。』
発表では具体例は示されなかったが、例えば下記でどうだろうか。
■No.8 7gasaki1kenya『飾らない心でいてほしかった。』
やっぱり飾り駒を置くのはいただけません。
ちなみに飾り駒の無い「♡→♡」はこんな作があります。
■No.9 宗時宏『初手14香に13桂の移動合で逃れるのが良い。』
まあ初手は13歩が第一感ですが。
■No.10 たかつく『ちょっと単調か。』
単調というか、一本調子に感じる原因としては、変化が無いことに加え、意味付けのダブりがあります。
初手の意味が「①36を塞ぐ②53角の利きを35に通す」3手目の意味が「①46を塞ぐ②54を空ける」という一石二鳥の手になっており、気持ち良い反面、見えやすさにもつながっているわけです。
■No.11 「〽ババンババンバンバン♪」 ほっと自作。恐らく今回一番のネタ枠。
元ネタはもちろんこちら。
タイトルは炙り出しに気付いてもらいやすくするためで、反応を見る限り一応成功?
しかし、後日こんな作を発見。
詰パラ1992.1月号 落合健次氏作

前例があってもおかしくないとは思っていたが、はぁ。
■No.12 桃燈『初手のやりにくさは相当なもの。』
3手収束でもあり、どうしても地味な印象となってしまっていますが。
■No.13 まなべ『実戦形にこだわらなければもう少し駒数を減らせそうだが、まあこれはこれで。』
No.7 と内容が被っているのも不運でした。
■No.14 nono_y『両王手は見え見えだが気持ちいい。』
個人的には作意がすぐに見えたので悩むことはなかったものの、紛れは相当深く、中合や限定合の連続には驚きでした。まあ9手で詰まないような手順を追いかける人もあまりいないでしょうが。
■No.15 Relax『詰将棋全国大会の解答競争で使いたい。』
紛れもあって、3手詰としてはとても出来が良いです。手数ボーナスが利いて、かなりの間暫定トップ。
■No.16 ベターハーフ『正統派手筋物。』
21龍が渋くて良い。
■No.17 奥鳥羽生『変化の43銀が好手。』
変化にも好手を用意することにより、奥行きを持たせること成功しています。
■No.18 かいりゅーになりたい『きれいな流れ。』
作者は絶対にベテランだと思いましたが、まさかまさかの。
■No.19 だっしぃ。『もっと大きな動きを期待したが。』
98飛とかを期待してしまう配置。
■No.20 電子れいず『3手目すぐに58桂は同飛不成で駄目なところが隠し味。』
作意では58桂に同飛成、というのが良い対比でした。
今回はここまで。
- 2022/10/23(日) 22:00:00|
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