裏短コン、今年も計画中。もう少ししたら記事を出します。
詰パラ2018年9月号の感想。
通巻750号。順調に行けば次の節目は2022年11月号が800号、いやその前に2020年12月号が777号か。
■表紙イラストの中の詰パラが左綴じになっているのが気になる(どうでもいい)。
作品の方は、作意はわかりやすいが、変化を手数以内に収めるのが難しい……。
■詰将棋学校7月初旬に小学校の在庫がピンチと聞いて思わず投稿してしまった。
それはそうと、どの学校も面子が濃いような。
■棋士の宴読みの入った作が多くて難しい。
■第34回詰将棋全国大会レポート今月のメインはこれでしょう。
■短編コンクール 優秀作品コレクション2今月の目玉企画。錚々たる名前が並んでいる。
有名な作も多く、やはり名作は記憶に残るものだと再認識。
ところで盤面10枚以下の縛りはいつからだったかな。
■ちえのわ雑文集中編名作選、今回も解説として参加。〆切ギリギリまで文章の修正を依頼したりと、角氏にはお手数をお掛けしました。
■第29回社団戦参加記~2日目編~反則級の強さ。せっかくなので当日の会場で詰パラを販売してはどうだろうか?
■結果稿【詰将棋順位戦】
有力と見ていた作は軒並み上位に。
C級では点数同点で順位差による頭ハネが発生。過去にあったかどうか記憶にないが、これぞまさに順位戦である。
【同人室】
「不利」というテーマから、「不利先打」「不利合駒」「不利変換」「不利逃避」などの構想作をもっと見たかった。
次回から平均点2.2以下は非入選となるとのこと。しっかり作っていれば高いハードルではないと思われるが。
【やさしい大学院】
やさ院2は
別記事でも書いたが、奇跡的なバランスの上に成立している。
今年は選ぶ立場としては大変なことになりそう。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート⑤ 添川公司氏作「小涌谷」今月は大学院手数の作が多く発表されているのだが、これはやはり外せない。
初形小駒のみの最長手数記録と思われる。まあ合駒で大駒が出まくりな訳だが。
〆
- 2018/09/30(日) 01:00:00|
- 詰パラ感想
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今回は、詰パラ2018年6月号(結果稿は2018年9月号)の田島秀男氏作についての記事である。
と言っても、原図についての解説ではない。
次の仮想図は、原図の19とと52成桂を入れ替えたものである。

この図にすれば900手越えにできるのでは?という話題があった。
しかし、結論から言うと、これは成立しない。なぜなら、52をと金に変更したことにより、逃れ順が生じるからだ。
原図の作意に沿って手順を進めてみよう。
87金、同金引、66銀、同玉、68龍、55玉、
57龍、44玉、54龍、35玉、24龍、36玉、
34龍、35銀合、37馬、同玉、35龍、48玉、
38龍、57玉、(途中図1)
58龍、66玉、67龍、55玉、56龍、44玉、
54龍、35玉、24龍、36玉、34龍、35角合、
37銀、同玉、35龍、48玉、38龍、57玉、(途中図2)

ここから75歩を剥がす。
48角、68玉、75角、77玉、66角、同玉、
…歩→銀→角の持駒変換…38龍、57玉、(途中図3)

次は62とを剥がす。
84角、75歩合、58龍、66玉、67龍、55玉、
56龍、44玉、62角成、(途中図4)

これに対して62同〇で応じると、早くなってしまう。一旦33玉と躱すのが延命策。
33玉、44馬、同玉、(途中図5)

同様に歩→銀→角の持駒変換から、75歩を剥がす。さらに歩→銀→角の持駒変換をして途中図6。
93角、84歩合、同角成、75歩合、58龍、66玉、
67龍、55玉、57龍、44玉、(途中図7)
93角で71とを狙う。ここで84歩合~75歩合が巧妙な受け方。84馬を残した状態で龍追いを続けると、38龍のときに59玉とされ、81龍の利きが二重に止まっているため91桂成ができず詰まなくなる。
また、57龍の形にしておくのが深謀遠慮の手順。
62馬、同と左寄、(途中図8)
62馬と捨てるのが妙手。84馬を消しておけば59玉と逃げ込まれても詰ますことができる。
また、62馬に対して33玉なら34歩、同玉、37龍以下。したがってここは取るしかない。
さて、ここが第1のポイント。原図と違い、同と左寄、として52を空ける手があるのだ。

同様に歩→銀→角の持駒変換から、75歩を剥がす。さらに歩→銀→角の持駒変換をして途中図9。

ここから62とを剥がす。
84角、75歩合、58龍、66玉、67龍、55玉、
56龍、44玉、62角成、33玉、44馬、同玉、…同様に歩→銀→角の持駒変換から、75歩を剥がす。さらに歩→銀→角の持駒変換をして途中図10。
93角、75歩合、(途中図11)
ここが第2のポイント。93角に、すぐに75歩合とする手があるのだ。
58龍、66玉、67龍、55玉、56龍、44玉、
71角成、33玉、(途中図12)
44馬、同玉、…同様に歩→銀→角の持駒変換をして途中図13。

ここからが問題。75歩を剥がしても、もはや62にも71にも狙うべきと金は存在しない。
しかし、71とが居なくなれば66角~22角成として詰むはずだったが。
58龍、66玉、67龍、55玉、66角、65玉、
22角成、54玉、(途中図14)

ここから64龍として、
同香ならば55銀以下確かに詰んでいる。同香でも55銀、65玉以下詰まない。しかし、
64龍、同玉、55銀、53玉、(途中図15)

ここから、
①44馬は52玉、72龍、62と以下逃れ。
②54銀打は52玉、72龍、62と、63銀成、51玉以下逃れ。
どうしても詰まない。
なぜ詰まなくなってしまったかと言えば、52がと金だからだ。
これによって、まず52とを消して52に空間を作り、それから71とを消す、という逃げ方が可能になってしまう。
一方、原図ではこのような受け方は成立しない。
結論として、
・52は成桂でなくてはならない。すなわち、仮想図は趣向手順自体が成立していない。
・作者が仮想図を棄却した理由は、決して「収束がまとまらなかったから」ではない。
ということである。
〆
- 2018/09/24(月) 08:00:00|
- 考察
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忙しくてほったらかしていたら9月も半ばを過ぎてしまった。
パラ9月号の全国大会報告を補足しつつ書きます。
さて7/15当日、11時頃に会場到着。アトラクションでは前方スクリーン上に詰将棋などが出るらしいので、前の方に陣取る。
近くのF原さん、K谷さんらと話をしながら開幕を待つ。
今回の運営は関東の若手が中心とのことで、いろいろと新しい試みがあった模様。その一つが大会参加者の事前予約で、バーコードをスキャンして読み取ることにより参加完了となるもの。当日の受付の手間はかなり軽減できたようだ。
しかし、事前予約のシステムの複雑さが理由だったか、参加者は例年よりも少なかった。この辺は今後の課題だろう。
[第一部]■七條賞表彰
2017年は難解作も多くて解答者は大変だったと思います。改めてT中さんおめでとうございます。
■看寿賞表彰
今年の受賞者の参加はU谷氏のみ。連続受賞おめでとうございます。
K保氏のポイントを押さえた解説もさすがでした。
■10回参加者、25回参加者表彰
10回参加だったのでメダルをいただきました。本格的なメダルでびっくり。
■アマレン杯握り詰紹介
今回の使用駒は「王飛飛金金桂桂歩歩歩歩歩歩」の13枚。角銀が無いので微妙に作りにくい。
候補作は13作。T刀岡氏の解説を聞きつつ手順鑑賞……って、後半になるにつれて合駒が出まくり。
ラスト3作はいずれも大学院手数。ちなみにこの3作に投票したところ、やはりと言うかこれらが1~3位入賞だった。
■門脇賞表彰
Sさんの会場到着が遅れていたため後回しになっていたが、ようやく登場。
予定外の出来事に対しても何事もなかったかのように対処してしまうあたりは手馴れたもの。
■休憩
休憩中に中編名作選・暁将棋部屋・その他小冊子を購入。
中編名作選、自分の解説担当の箇所では誤記などは無いはず。作品の魅力をしっかり伝えることができているかどうかはともかく、収録作は名作選の名にふさわしい作ばかりです。
解答選手権2018を注文し忘れた…と思ったら後日一冊送られてきた。名古屋会場関係者だったからか?
昨年の
裏短コンについても触れられていてちょっとびっくり。ちなみに第μ回裏短コンは誤りで、正しくは第ϻ回裏短コンです。
[第二部]■ミニ解答競争
1題30秒ずつで30題という過酷な形式。しかし4年前の川崎開催時の使い回しがやたらと多い。27問目とか
これの元ネタを左右反転させただけじゃねーか。
28問目は反転すらしていない。これも有名な逃れ筋が使われていたので憶えてた。
4年も前の出題作をなぜ憶えているかというと、1年前の名古屋開催の解答競争出題作を作ろうとしたときに過去ネタを研究していたため。
かなり有利な立場だったにもかかわらず、地味な手順の作を忘れていたり1手詰を間違えたりする凡ミスが響いて微妙な点数に。
すべての問題を恐らく初見の状態で46点獲得するM七段はちょっとおかしいです。
なおパラ報告では何故か六段になっている。人の名前と肩書(棋士であれば段位またはタイトル称号)は3万回確認するべし。
■平成詰パラクイズ
平成元年~平成30年まで毎年1問ずつの四択クイズが出題される、というもの。来年は新元号になっているため、平成最後の全国大会にふさわしい内容。
30年間の詰パラバックナンバーの内容をすべて頭に入れておけば満点が取れるということになるが、そんな対策をしているはずもなく、記憶を頼りに選ぶ。
18問正解ならまあまあか?
■対戦詰将棋
1回戦第1局、Y岡氏(先手)vsM角氏。割とおとなしめの詰将棋。順当に詰まして先手Y岡氏の勝ち。
1回戦第2局、Y田氏(先手)vsほっと。ジャンケンで勝ち、多分この辺で不詰が出ると予想して後手を選択。そして予想どおりに見たことのある不詰作が登場。で、どうやったら逃れるんだっけ? 金を1枚だけ移動合してから躱すんだったかな? 結局その手順には入らず、比較的簡単に逃れる筋に入ったため、逃げ切って勝ち。
1回戦第3局、K八段(先手)vsT中氏。見るからに手強そうな作だったが、しっかり詰まして先手K八段の勝ち。
1回戦第4局、M七段(先手)vsT井氏。この対戦作品がなかなか面白かった。
持駒「飛香」で、先に香を打つと打歩詰になるので先に飛を打つ……と見せかけて、正解は普通に香を打つ、というもの。マニア向けの罠が用意されていたが、これをしっかり見破ったM七段が勝ち。
準決勝第1局、ほっと(先手)vsY岡氏。難しそうな作だったが、比較的簡単に詰む変化に入って勝ち。
準決勝第2局、M七段(先手)vsK八段! 3手目の妙手を見切ったM七段が勝ち。最善の応手を続けたK八段もさすが。
決勝、vsM七段。これまでの戦績から先手を引きたかったが、ジャンケンで負けて先手を取られた時点でほぼ負け確定か。2手目の合駒が読み切れずに簡単に詰む変化に入ってしまい、あっさり詰まされて負け。最善は22銀合ですか。
来年以降のためにジャンケンを鍛えておきます。
■一人一言
東京・神奈川・埼玉からの参加者が多く、全員の名前を読み上げるのもなかなか大変。
発言は各都道府県の代表者一人ずつなので、喋りたいのに発言させてもらえない人も喋りたくないのに発言せざるを得ない人も。
この形式に不満を持っている人がいることも知っていますが、そうは言っても他の案はあまり浮かばない訳で。
そうこうしているうちに、いい感じの時間になって終了。進行はほぼ完璧だった。
[懇親会・二次会]重大発表はあまり隠すことでもないが、パラ誌上で発表があるまで伏せておくことにする。
懇親会やその後の二次会ではいろいろな方と話をさせていただいた。肝心な内容はあまり憶えていないものの、詰将棋に対する熱い情熱にこちらもいろいろと刺激を受けたので、一過性にならないようにしたいものだ。
……ということを今頃書いているようでは駄目なのだが。
それから名刺もたくさんいただいた。名刺に30手オーバーの作を載せても解いてもらえないと思うが、右上隅の短手数の作では作者らしさが見えにくかったりするし、これはこれで。
来年は自分も名刺を作らなくては。名刺向きの作が無いという悩みもあるが、まあ来年もよろしくお願いします。
〆
- 2018/09/17(月) 22:00:00|
- 詰将棋全国大会
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夏休みの宿題をギリギリになってから手を付けるかのようにブログを更新。よい子は真似しないように。
実は8月中にアップされるように予約投稿したつもりができてなかった……。
詰パラ2018年8月号の感想です。
■表紙表紙としては程良い難易度。
■詰将棋学校各校の作を見るにつけ、駒数が少ない=解きやすい、ではないことを再認識させられる。
■ちえのわ雑文集根津飛車、利きがややこしい……。フェアリー駒としてメジャーになれるか?
■名局ライブラリーM原氏特集。才能が眩しすぎる。
■将棋パズル雑談今月はやや手強い、とのことだったがそれほどでもなかった。メール解答ならまだ余裕があるので是非挑戦を。
■第29回社団戦参戦記チーム詰パラ、ちょっと強すぎ。やはり将棋は終盤力?
■結果稿詰将棋学校、5月も全体的にハイレベルだった。
一部の作品で、ちょっとズレた解説になっているのが残念だが。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇デパート③ 齋藤光寿氏作不思議な6手+10手の延命手順。もっと複雑化できそうな気もするが、それは望蜀の嘆というものか。
〆
- 2018/09/01(土) 09:00:00|
- 詰パラ感想
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