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詰将棋考察ノート

詰将棋に関する考察あれこれ。

詰パラ2019年7月号感想

駆け込みトレードのようにブログ更新……。去年と同じことをしている。


詰パラ2019年7月号の感想。

■表紙
意外と難しい。初手の二択を間違えると大変。

■詰将棋学校
・驫飛龍君が小学校担当に就任! まあそれらしい話は聞いてたけど。
・宮田七段が3校で1番に採用されている。駒数が少ない作を置きたいのはよくわかります。
・出題作はできるだけ全国大会前に解いておくべきだった、とまたしても反省。

■平成30年度看寿賞発表
23ページのボリューム。昨年と違って該当作なしが出なかったのは良かった。
それはそうと、「バッテリーが、手前の駒→後ろの駒 の順に設置される」というパターンは、探せば前例は割と見つかる模様。
「フロント-リア型」バッテリーの形成は珍しいのか

■ちえのわ雑文集
この詰2019は良かった。どの論考もボリュームたっぷりながら読みやすく工夫されている。
ちなみに第一部で登場する看寿賞作家のうち4人を、2017年の第33回全国大会のレクリエーション「クイズ100人位に聞きましたみたいなもの」でチームリーダーに指名させていただいたのを思い出した。なかなか感慨深い。

■結果稿
【小学校】
小20、やっぱり6手目で生が無い解答は誤解扱いにすべきでしょ。

【大学】
まるで看寿賞受賞を予測していたような選題。
そして作品のレベルも高くて羨ましい……。

【デパート】
③がいろいろと濃い。

■ほっとのイチ押し!
<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇彩棋会作品展④ 山田修司氏作
いろいろな手筋が詰まった意欲作。



  1. 2019/07/31(水) 23:50:00|
  2. 詰パラ感想
  3. | コメント:0

詰パラ2019年7月号 院8 解説補足

書きかけのまま放置していた記事を更新。


詰パラ2019年7月号に結果稿が載っている、院8の補足。
作品自体の解説をほとんどせずに作者コメントを引用して済ませているため、何をやっているのかが伝わりにくくなっている。
ひとまず、機構としてはこの記事が詳しい。

ここでは解説で取り上げた作品について書いておくことにする。
■参考作品 河原泰之「TANGO」 近代将棋1992.4
20190730_01.png

作意手順の詳しい解説は「詰将棋の欠片」で。
と金2枚の移動合による3段馬鋸である。こちらはと金ベルトを用いて玉位置を変えている。
28香の消去を挟むことにより2往復させているのが巧妙だ。
さて、作意手順は211手詰なのだが、実は「TANGO」には早詰がある。
まずは手順を途中まで進めよう。
 81と、72玉、71と右……41と右、32玉、
 23金、同玉、13角成、32玉、
 31と、42玉、41と左、……71と左、82玉、
 46馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 35馬、44と、61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬
で次図。
【途中図1】
20190730_02_53teme.png

ここで作意は55と左とする。
 55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、
【参考図】
20190730_03_sankou1.png
実は、ここで44同馬!以下詰んでしまうのだ。手順はやや長いが、一例は
 44同馬、同歩、61と右、52玉、51と右、42玉、33飛成、同玉、
 21歩成、42玉、32と、53玉、64銀、54玉、44角成、同玉、
 55銀上、43玉、54銀、32玉、22桂成、33玉、23成桂、34玉、
 24成桂、35玉、36歩、44玉、53銀左不成まで。

では「TANGO」は不完全作か、というとそうではなく、途中図1で55と直と応じれば先ほどの詰み筋には入らない。
【途中図1】より
 55と直、81と、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 46馬、55と直、
【途中図2】
20190730_04_tochuuzu2.png
玉方は44とを動かさずに応じるのが最善。以降は、
 81と、72玉、71と右……41と右、32玉、
 23香成、同玉、13金、32玉、
【途中図3】
20190730_05_tochuuzu3.png
23香成~13金とする。これは28香を消して18歩を取りに行くため。
そして28香が消えたため、先ほどの余詰筋は成立しなくなっている。すなわち、ここからは再度3段馬鋸になる。
 31と、42玉、41と左……61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 28馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 17馬、44と、61と左、72玉、
 18馬、54と引、71と左、82玉、
 28馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 17馬、44と、61と左、72玉、
 27馬、54と引、71と左、82玉、
 37馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 26馬、44と、61と左、72玉、
 36馬、54と引、71と左、82玉、
 46馬、55と左、81と、72玉、71と右、62玉、
 35馬、44と、
【途中図4】
20190730_06_tochuuzu4.png
以降は収束。手順のみ示す。
 61と右、52玉、51と右、42玉、41と右、32玉、23金、同玉、
 24馬、32玉、33馬、同玉、21歩成、23玉、22角成、34玉、
 44馬、同歩、35歩、25玉、23飛成、15玉、16歩、同玉、
 27銀、17玉、26龍、28玉、38銀右、39玉、29龍、48玉、
 49龍、57玉、58歩、同桂成、同龍、66玉、67龍、75玉、
 76龍、84玉、85歩、95玉、87桂、同と、96歩、94玉、
 74龍、93玉、84龍、92玉、82龍まで205手詰

というわけでこれが本手順となり、211手詰は作意誤設定ということになる。
それにしても、当時205手詰で解答した人はどれくらい居たのか、そしてその解答がどう扱われたのか、は気になるところだ。

最後にお知らせ。馬屋原氏は早ければ今期中にまた斬新な趣向作で登場いただく予定。乞うご期待!



  1. 2019/07/30(火) 00:01:00|
  2. 大学院補足
  3. | コメント:0

第3回たこ研 参加記

7/13(土)に開催された、第3回たこ研の参加記です。


実は場所がよくわかっていなかったが、12:30頃に最寄の八戸ノ里駅に着いたところでS内氏に遭遇。一緒に会場まで向かう。
12時45分頃会場に到着。

既に何人か来ていたので、食事を頼んだ後、名刺を配りまくる。
S田氏には「前にもろたヤツやなー」と言われたが、それは有り得ません。今年の3月に作って限られた人にしか渡していなかったものなので。

K林氏から『青い鳥』を購入。おお、何故か自分の作が載っている。

S氏も到着、ほぼ全員が揃ったところで、ここからは「中編名作選2」のコンセプトについてS氏から説明が。
コンセプトは基本的に「現代詰将棋短編名作選」「現代詰将棋中編名作選」と同様。
短編名作選(1~17手)は見開き2ページで4作の300作収録、中編名作選(19~29手)は見開き2ページで3作の300作収録。
今回新たに手掛けるもの(31~49手)は1ページで1作で200作収録くらいのボリュームになりそう。
順調に行けば来年の全国大会に間に合う予定。
今回も何作か解説することになったのでよろしくお願いします。

ついでに全員が自己紹介。在庫難だと言ったらこの日のうちに2作集まる。とりあえず今期は何とかなりそうかな。
後はみんなの新作を解く。ちゃんと用意して来るなんて皆さんさすがですね。
しかししばらくして出されるのが透明駒作品ばかりに。果ては普通の詰将棋に対しても「これ透明駒何枚と何枚?」という発言が飛び交う。

U谷氏の普通作をY路氏と考えつつ、たこ焼きをいただく。塩バター味が美味しかった。

そして20時過ぎに何故かカラオケも始まる。T岡君がむちゃくちゃ上手い。多才すぎでしょ。
22時頃に失礼して、ホテルに向かう。雨の中、何とか迷わずに到着。
チェックインを済ませたら23時。シャワーを浴びてさっさと就寝、のはずが、青い鳥を読んでいるうちに目が冴えてきてあまり寝られず。



  1. 2019/07/24(水) 00:01:00|
  2. 会合参加記
  3. | コメント:0

詰パラ2019年7月号 院7 解説補足

『盤上のフロンティア』入手。


詰パラ7月号に結果稿が載っている、院7の補足として、解説で取り上げた参考作品について。
図面すら載せていないのはさすがに不親切なので、ここで解説…しようと思ったが、有名作品だけあっていろいろな場所で紹介されている。

■参考作品1 駒場和男「望郷」 風ぐるま1955.9
手順は「借り猫かも」で見ることができる。⇒渡辺三郎好作集: 借り猫かも

飛遠打→馬鋸により飛の利き筋を遮断する。上記事でも紹介されているように、このパターンは割と古くから作例がある。
一方「ストライクショット」は、飛遠打→馬鋸→飛の移動により馬の利き筋を遮断する、という構成になっており、この点が新しい。
余談ながら、一番最初の投稿図では18飛が最初から盤上に置いてあった。18飛を打つ手はよくぞ入れたもの。

■参考作品2 駒場和男「地雷原」近代将棋1979.1
馬鋸で馬が下段隅(19または99)まで行く、という作例。

詳しい解説は「詰将棋の欠片」で。

また、馬鋸の意味づけに関しては「借り猫かも」でも紹介されている。
なぜ遠ざかるのか: 借り猫かも
馬鋸の意味づけで分類しようとした記事で、他作品も含めて眺めてみると、何かアイデアが浮かぶかも。



  1. 2019/07/01(月) 00:01:00|
  2. 大学院補足
  3. | コメント:0

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Author:ほっと
詰将棋作家/詰パラ大学院担当/看寿賞選考委員。

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