記事のアップがギリギリになったのは新型コロナウイルスの影響……ではなく、まあいつものこと。
詰パラ2021年2月号感想です。
■表紙見えにくい手があって意外と時間がかかってしまった。
詰棋校でツイン系の選題が禁止されたことについて、「新しい表現には寛容であってほしい」というのは同感。
■詰将棋学校【大学】
これは解かねば。
■将棋妙案記念谷川九段の双玉は珍しいかも。妙案と双玉の繋がりは不明だが。
■詰将棋の眺め方どの作家も一人だけで記事数回分にできそう。どこかで書きたいが。
■ちえのわ雑文集無駄合か有効合かという議論についてはなかなかスッキリとした判定ができていないのが現状。
■将棋パズル雑談(58)が斬新で面白かった。出題の方も比較的易しいが、(61)には確信が持てず。
■結果稿期末なだけあって、どこも充実の内容?
短編では、どんな配置になっても手順を実現させようという作が多めだった気がする。
【中学校】
中22……92とは93に置いてあればなあ。
【たま研作品展】
4作とも主張が明確でとても良かった。
【新人コンクール】
③、盤面無仕掛け七色+持駒七色は凄い条件作。
条件の前例としては詰パラ2019年1月号デパートの中村雅哉氏作があるが。
■ほっとのイチ押し!<コンセプト>詰パラのその月の出題作の中で「これは是非解くべき」と感じた作を1作選ぶというもの。
解答競争の関係もあり、原則として詰棋校の出題作は対象としない。また、放っておいても高評価になるであろう作や、難解過ぎる作も対象としない。
今月はこの作。
◇彩棋会作品展③ 岩本修氏作生が2回。なるほど。
〆
- 2021/02/28(日) 00:01:00|
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院9、院10の補足です。詰パラ2021年2月号の結果稿ページを開きつつお読みください。
◇院9 添川公司「篤姫」 補足小駒煙の最長手数の記録更新、は置いておくとして、小駒煙で初形の玉位置が9段目、というのは史上初。
では、どうして初形の玉位置が9段目の小駒煙は作られていなかったのだろうか。
理由はいくつか考えられる。
(1)序盤の変化で玉が9段目に戻る変化に備えて、金を手持ちにしている必要がある
序盤の14手目辺りまでを確認してもらうとわかるが、序盤の早い段階で金2枚が攻方の持駒になり、1枚が玉方の駒台に乗っている。つまり、盤上には金が1枚のみ。
これを逆算で創作しようとすると、収束や中盤の横追いでは金をできるだけ盤上に置かないようにし、創作終盤(解き手から見ると序盤)まで金を温存しておかねばならない。このため創作難易度が非常に高くなる。
(2)香のレールに乗せるまでの手順に工夫が必要。
小駒煙で玉を6段目あたりから1~2段目まで追い落とす場合、たいていは「香の後押し+銀」や「香の後押し+金(または全圭杏と)」の形を使用している。
玉が最初に6~7段目に居る場合は、香のレールに乗せるのは難しくない(最初からレールに乗っている場合すらある)。
しかし玉位置が9段目の場合、香の後押しを受けられる玉位置まで持ってくるのが(創作上)難しくなる。
これを踏まえて、序盤27手目までを再確認してみてほしい。
(3) わざわざ玉を9段目まで持って来なくても、35枚を盤上に置き切ることは可能。
初形の玉位置を9段目にしないのであれば、前述(1)(2)のような課題は発生しない。
こういった理由から、「漠然と逆算をした結果、玉の初形位置が9段目になりました」などということはまず起こり得ない。
そう考えると、相当凄いことをやっていることがわかる。
◇院10 岡村孝雄「アツクナレ」 補足解説でも触れているが、「都玉+攻方の小駒3枚」または「都玉+攻方の小駒2枚+攻方王」の詰上りを考えた場合、大抵は3手にすら逆算できない。
「55玉/33王、56金、65銀」がほぼ唯一逆算が可能な形だと思われる。
過去、素材として下の局面あたりまで逆算を試みた作家もいらっしゃるようで、しかしここからが難しい。

最大の課題が「玉をどうやって左辺に移動させるか」という点。逆算で21~31~41を通過させるには33王が強すぎてほぼ行き詰まってしまう。
“それなら、34王の形にすればいい” と作者は考えた……かどうかは定かではないが、王を2回移動させる着手を入れることにより、左辺への道が見えてくる。
とは言えこの後も40枚置き切るまでは大変。しかも敢えて困難な道を選ぶかのような逆算により、序~中盤の変化紛れが恐ろしいことになっている。
ちなみに家の環境では柿木将棋でも脊尾詰でも初形からでは解けず。これを作る方も凄いが、これを解いた15名も凄すぎる。
〆
- 2021/02/22(月) 20:00:00|
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