前記事の続きです。
■No.21 風みどり『深謀遠慮の不成。』
2手目13歩合はちょっと気になりますが、無駄合で良いでしょうね。
■No.22 猫吉『27香が28だと58馬が作意になる?』
変同が多くなるものの、58馬を作意にする方が良かったと思います。
■No.23 芹田修『中田章道先生っぽい。』
作者当て正解。
ちなみにこんな作があります。
中田章道短編詰将棋代表作 57番
■No.24 カワセミ『曲詰っぽくてそうでもない?』
曲詰を期待させてそうでないと、少しがっかりします。勝手に期待して勝手に失望するなという話ですが。
■No.25 柳原裕司『綺麗な手順。』
作者当て正解。駒数少なめで綺麗に作られているし、まあ当たりますよね。
■No.26 駒井めい『創意は感じられる。』
作者当て正解。これは完全に嗅覚。
■No.27 天月春霞『うまくできている。それだけに3手目が緩いのが気になる。』
95角の配置がうまく、初手の限定打や84角捨てが自然に入っています。
■No.28 齋藤光寿『変化もボリュームたっぷり。』
これは難しかった。
■No.29 上地美香『四重ピンメイト。有名作家の気もするが、さて真相や如何に。』
しれっと作者当て正解。これも嗅覚頼り。
■No.30 馬屋原剛『どこかで見た気がするが、うまくできている。』
個人的には、そこまで高評価とは思わなかったです。というのは下記2作と比較すると、2手長いという印象が拭えないので。
詰パラ2015年12月号 中村雅哉氏作
30_詰パラ2017年4月号 上谷直希氏作
■No.31 松θ拓矢『よく似た作が発表されているので、どうしても焼き直しに見えてしまう。』
ちなみに結果発表で、「斜め後方への連続ペレは前例なし」と言われていましたが、前例はあります。
発表されたのはProblem Paradiseのブログで、2010年02月04日の記事の山田嘉則氏作。
残念ながら発表されたブログはZAQのサービス終了に伴い消滅。
文章だけは見つかったものの、図面が見られません。
https://web.archive.org/web/20160714191818/http://blog.zaq.ne.jp/propara/article/45さあ、手順と解説を元に盤面を再現してみるべし。
ブログの引っ越しなどをせずに放置しているpropara氏の罪は決して軽くないと思う。
【追記】図が判明。なお詰パラ2020年2月号p33にも掲載されている。
http://twitpic.com/4fz1yc■No.32 金少桂『2手目75金合は変同?』
変同はともかく、やはり原亜津夫氏作の劣化版に見えてしまうのが痛いところ。
それはそうと、余詰の誤指摘をした短評があったが、いかんでしょ。
■No.33 馬方四季 「流れ星の作り方」『美しい手順。優勝おめでとうございます。』
優勝はこれしかないでしょう、とは思いつつもよく考えると大胆な短評。
ところで、玉方の4手が「合駒A→合駒B→Aが移動→Bが移動」という作は、下記があります。
2019.11 第5回裏短コン 太刀岡甫氏作「ボンバーマン」
これと比べても、形があまりに洗練されていて驚かされます。
ともかく、ikiron氏は一刻も早く解説を!
■No.34 kisy 「SBR」『全手順馬の最長手数記録らしい。こんなところで記録作が。』
限定させるためには必須とは言え、11香や99飛などの強引な配置はやっぱり気になります。
作者当て正解。
■No.35 keima82『「桂の開き王手に対して龍で根元を取る」×4。なかなか凄いことをやっている。』
もっと評価されていいと思いましたが。
作者当て正解。
■No.36 さつき『もう少しうまくできそうな気がするが。』
No.27と被ったのも痛かった。
■No.37 大平和人『合駒を見届けてから攻方玉を開く。態度保留…なのかな?』
まあ3手目は47香の方が自然なので、意外性は薄いですが。
■No.38 藤原俊雅『とても良い出来。』
短評が雑なのは多分疲れていたから。
作者当て正解、とは言えツインなら作者はほぼ一択なので、外しはしないです。
こんな感じでひととおり振り返ってみました。
「解答発表後、自分が書いた短評を振り返る」というのはあまりなく、解いた時には気付いていなかったことに気付かされることもあるので、強豪解答者のT氏などにも是非お願いしたいですね。
改めまして、主催の天月春霞さん、素晴らしい企画をありがとうございました!
〆
- 2022/10/24(月) 22:00:00|
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既に2週間前となってしまいましたが、第2回YouTube詰将棋コンテストの結果発表が行われました。
いろいろと爪痕は残せたので、簡単な感想を。
・全38作を解くのはなかなか大変。とは言え詰パラ本家の短コンは50作なので、それと比較すれば楽な方かも。
・作者予想は(自分は入れずに)19作予想して9作当たり。有名作家を外しまくりだった一方で、割と適当に予想したところが当たっていたりと、予想屋としてはいまいちな出来でした。
あと17作を適当に埋めたら1作くらいは正解になった可能性もありますが、根拠なしの予想は気が進まないのでしません。
ここからは、各作品と、自分の短評の振り返りをしてみたいと思います。
■No.1 はいーの『誰でも一目で解ける作は貴重。』
改めて見直しても、これが一番解きやすそう。また、各作品の並び順はかなり意図的と思われる。
■No.2 横山直樹『頑張ってあと36枚使いましょう。』
よく考えたらこれだと40枚使用になるやんけ。「~35枚~」が正しかった。
いや、実はこれ『盤上に36枚配置しましょう』と書くか迷った挙句、簡単な表現にしたつもりだったが、枚数をそのままにしてしまったという話。
■No.3 「Good Night」 ゆう~ん『初形が面白い。』
初形曲詰で不要駒なしにするのはそれなりに技術が必要。その点はよくできています。
■No.4 springs『とりあえず13飛成~43龍として、あれれ? となったのは私だけではないはず。』
3手詰としては出色の出来。
■No.5 「бを超える数」 裏短コン解説待つ『ネタっぽいようで、割と出来が良い。』
作者当て正解。まあこれは予想できる……が、実際のところ誰なのでしょうか。
ともかく、ikironさんは一刻も早く解説を再開すべき。
■No.6 緑羽『炙り出しのようだが、飾り駒を置いていては…』
まあ余分な駒を置いちゃ駄目ですよね。
■No.7 しのぶ『3手目を駒取りにしないように工夫してみよう。』
発表では具体例は示されなかったが、例えば下記でどうだろうか。
■No.8 7gasaki1kenya『飾らない心でいてほしかった。』
やっぱり飾り駒を置くのはいただけません。
ちなみに飾り駒の無い「♡→♡」はこんな作があります。
■No.9 宗時宏『初手14香に13桂の移動合で逃れるのが良い。』
まあ初手は13歩が第一感ですが。
■No.10 たかつく『ちょっと単調か。』
単調というか、一本調子に感じる原因としては、変化が無いことに加え、意味付けのダブりがあります。
初手の意味が「①36を塞ぐ②53角の利きを35に通す」3手目の意味が「①46を塞ぐ②54を空ける」という一石二鳥の手になっており、気持ち良い反面、見えやすさにもつながっているわけです。
■No.11 「〽ババンババンバンバン♪」 ほっと自作。恐らく今回一番のネタ枠。
元ネタはもちろんこちら。
タイトルは炙り出しに気付いてもらいやすくするためで、反応を見る限り一応成功?
しかし、後日こんな作を発見。
詰パラ1992.1月号 落合健次氏作

前例があってもおかしくないとは思っていたが、はぁ。
■No.12 桃燈『初手のやりにくさは相当なもの。』
3手収束でもあり、どうしても地味な印象となってしまっていますが。
■No.13 まなべ『実戦形にこだわらなければもう少し駒数を減らせそうだが、まあこれはこれで。』
No.7 と内容が被っているのも不運でした。
■No.14 nono_y『両王手は見え見えだが気持ちいい。』
個人的には作意がすぐに見えたので悩むことはなかったものの、紛れは相当深く、中合や限定合の連続には驚きでした。まあ9手で詰まないような手順を追いかける人もあまりいないでしょうが。
■No.15 Relax『詰将棋全国大会の解答競争で使いたい。』
紛れもあって、3手詰としてはとても出来が良いです。手数ボーナスが利いて、かなりの間暫定トップ。
■No.16 ベターハーフ『正統派手筋物。』
21龍が渋くて良い。
■No.17 奥鳥羽生『変化の43銀が好手。』
変化にも好手を用意することにより、奥行きを持たせること成功しています。
■No.18 かいりゅーになりたい『きれいな流れ。』
作者は絶対にベテランだと思いましたが、まさかまさかの。
■No.19 だっしぃ。『もっと大きな動きを期待したが。』
98飛とかを期待してしまう配置。
■No.20 電子れいず『3手目すぐに58桂は同飛不成で駄目なところが隠し味。』
作意では58桂に同飛成、というのが良い対比でした。
今回はここまで。
- 2022/10/23(日) 22:00:00|
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